溺愛契約 R18

日下奈緒

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第1章 年下男子に懐かれて

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こういう日は、どこかで飲んで、現実に帰らないと。

私は自分の荷物を持つと、会社を出た。

どこで飲んで行こうかな。

居酒屋でいいかな。

私は一軒の居酒屋の前で、看板を見た。


「へえ。こういう店、好きですか。」

隣を見ると、流川君がいる。

「えっ!何でいるの⁉」

「帰ってたら、姿が見えたんで。偶然ですよ。」

そう言うと流川君は、その居酒屋の中に入ろうとする。

「ちょっと!」

「早く入りましょう。他の人の邪魔ですよ。」

仕方なく一緒に入ると、奥のテーブル席を案内された。

こっそりとカウンターで、飲もうと思っていたのに。

「何飲むんですか?」

「ああ、何しようかな。」

普段は日本酒とか飲んでるのに、相手が男子じゃ飲めないでしょ。

「ビール。」

「すみません、ビール二つお願いします。」

そして流川君は、メニュー表を私に見せてくる。

「好きな物頼んで下さい。」

「ん?ああ、枝豆と唐揚げ。」

「すみません、枝豆と唐揚げ。あと、このサラダお願いします。」

流川君、注文するのもスムーズだな。

「サラダ、食べるんだ。」

「女子はそういうの好きでしょ。」

女子ねえ。私、もう四十路なんだけど。

「流川君、私結構いい歳してるから。」

「へえ。おいくつですか?」

「女に歳聞く?まあ、いいけど。40。」

「見えない。」

本当か?気を遣ってくれてるんじゃないの?

「ありがと。だからやたら女子扱いしなくていいよ。」

「無理ですよ。」

「なんで?」

「だって、綺麗ですもん。遠藤さん。」

私は目が点になった。

「化粧もきちんとしてるし、肌綺麗だし、スタイルいいし。どこから見たって、女子でしょ。」

「ははは。ありがと。」

すると流川君、ニコッと笑った。

もしかして私、懐かれてる?

キスしたから?いいや、そんな純情な訳ないし。


そして頼んだメニューが来て、私達は乾杯した。

「それにしても、流川君キス上手いね。」

ちょっとだけだけど、あのキスで感じるところだった。やばい。

「言うだけの事はあるよね。あのキス、愛されてる感じしたよ。」
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