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第1章 年下男子に懐かれて
⑥
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ビールをごくごく飲んで、もう1杯お代わりをした。
「あれは……相手が、遠藤さんだったから……」
「そういうの、あるよね。」
私は唐揚げを頬張った。
「私も流川君みたいなイケメンじゃなかったら、キスしなかったな。この唐揚げ、美味しいよ。食べないの?」
「……頂きます。」
流川君は唐揚げを食べると、美味しそうな顔をした。
なんか、そう言うの見ると、料理作ってあげたくなるなあ。
って、私も何考えてんだか。
粗方食べ終わって、流川君がお手洗いに行ってる隙に、お会計を済ませた。
「5,000円か。一人飲みだったら、3,000円だったのになぁ。」
まあ、仕方ないか。付いてきちゃったんだもんね。
お手洗いから帰ってきた流川君は、財布を出した。
「ああ、払ったからいいよ。」
「……いくらだったんですか?」
「5,000円。」
「じゃあ、これで。」
流川君は、千円札を3枚出した。
「いいよ。ここは私の奢り。」
まさか、一回りも下の男子に、お金払わせる訳にはいかないでしょ。
「有難うございます。次は……俺が払いますね。」
「あっ、いいよ。気にしないで。」
もし次があったとしても、払うのは私だろうし。
「……また一緒に飲みたいです。」
「えっ……」
流川君は、私をじーっと見つめている。
何?キスって、こんな効果があるの?
「あ、行こうか。」
「はい。」
お店を出て、私は流川君を見た。
流川君、こうして見ると、身長も高い。
スーツも似合ってるし。いいなぁ、イケメンって。
「流川君、家どっち?」
「ああ、俺こっちです。」
流川君は右側を指さした。
「じゃあ、私こっちだから。」
私が指さしたのは、左側。流川君の反対側だ。
「お疲れ様です。また明日。」
「うん。また明日。」
そして歩き始めて、しばらくして振り返ったら、流川君がこっちを見ていた。
私が手を振ると、流川君は頭を下げた。
礼儀正しい子なんだな。
そして、曲がり角を曲がろうとして、もう一度流川君を見ると、まだこっちを見ていた。
今度は手を振っている。
これはもう、私に懐いているとしか、思えない。
「あれは……相手が、遠藤さんだったから……」
「そういうの、あるよね。」
私は唐揚げを頬張った。
「私も流川君みたいなイケメンじゃなかったら、キスしなかったな。この唐揚げ、美味しいよ。食べないの?」
「……頂きます。」
流川君は唐揚げを食べると、美味しそうな顔をした。
なんか、そう言うの見ると、料理作ってあげたくなるなあ。
って、私も何考えてんだか。
粗方食べ終わって、流川君がお手洗いに行ってる隙に、お会計を済ませた。
「5,000円か。一人飲みだったら、3,000円だったのになぁ。」
まあ、仕方ないか。付いてきちゃったんだもんね。
お手洗いから帰ってきた流川君は、財布を出した。
「ああ、払ったからいいよ。」
「……いくらだったんですか?」
「5,000円。」
「じゃあ、これで。」
流川君は、千円札を3枚出した。
「いいよ。ここは私の奢り。」
まさか、一回りも下の男子に、お金払わせる訳にはいかないでしょ。
「有難うございます。次は……俺が払いますね。」
「あっ、いいよ。気にしないで。」
もし次があったとしても、払うのは私だろうし。
「……また一緒に飲みたいです。」
「えっ……」
流川君は、私をじーっと見つめている。
何?キスって、こんな効果があるの?
「あ、行こうか。」
「はい。」
お店を出て、私は流川君を見た。
流川君、こうして見ると、身長も高い。
スーツも似合ってるし。いいなぁ、イケメンって。
「流川君、家どっち?」
「ああ、俺こっちです。」
流川君は右側を指さした。
「じゃあ、私こっちだから。」
私が指さしたのは、左側。流川君の反対側だ。
「お疲れ様です。また明日。」
「うん。また明日。」
そして歩き始めて、しばらくして振り返ったら、流川君がこっちを見ていた。
私が手を振ると、流川君は頭を下げた。
礼儀正しい子なんだな。
そして、曲がり角を曲がろうとして、もう一度流川君を見ると、まだこっちを見ていた。
今度は手を振っている。
これはもう、私に懐いているとしか、思えない。
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