不誠実なカラダ 【R18】

日下奈緒

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第2章 所詮体と心は違うもの

1時間後、部長がタクシーに乗って、私の家にやってきた。

「部長……」

私はスリップ一枚で、部長の体に抱き着いた。

「おいおい。来てそうそうか?」

部長は、上着を脱いだ。

「部長も、やる気満々ですよ。」

私は部長の、シャツのボタンを外す。


白い下着が現れて、部長はそれを一気に脱いだ。

その下からは、均整の取れた筋肉があるお腹が、現れた。

「いい体……」

私は、そのお腹の筋肉に障った。

どうしよう、部長の体……

私、好みの細い体だ。


「高杉もいい体してるよ。」

部長は、そう言って私の体を舐め回す。

この瞬間が、私は好き。

体だけでも、男の人に求められている感じがする。


「もう、いいだろう?」

部長は私の声も聞かないまま、私の体と繋がった。

「ああぁ……」

何これ。

上半身が、快感にうごめく。

そう言えば部長、女を毎回イカせる程、セックスが上手いんだっけ。

「どうした?挿れただけで、イッたのか?」

卑猥な言葉に、体が震える。

どうやら心と体は、裏腹らしい。

「あの時もそうだったな。」

「あの時って?」

「おまえを、初めて抱いた夜だよ。」


- ハジメテ ダイタ ヨル -


そんな言葉にも、体がジンジンと熱くなってくる。

「好きな男がいるくせに、俺に抱かれて喜んでいるのか?」

部長は、ベッドが軋む程に、激しく体を動かす。

「部……長こそ……心が……好きな……くせに。」

その瞬間、部長の動きが止まった。

「……知ってたのか。」

「とっくに。心から聞いていたので。」


そう。

部長の好きな女は、私の同僚で親友の、心。

部長はおそらく、心を想像しながら、私を抱いているのだ。


「嫌か?好きな女がいる男に、抱かれるなんて。」

部長は、こういう時バカだと思う。

体だけの女に、”抱く”とか使う?普通。

「全然。」

だって私だって、尚太を想像しながら、部長に抱かれている。

「そんなの、お互い様です。」

「おまえにも、好きな男がいるもんな。」

そう言って部長は、私の唇を厭らしく貪った。


そう。

私達のきっかけは、尚太に別な女ができたかもしれないと分かって、不覚にも会社を休んだ時だった。

出社した次の日。

部長は私を、飲みに誘ってくれた。


『会社を休むなんて、高杉らしくないな。どうした?』

『男に、振られたんです。』

私は、部長に笑われると思ってた。

おまえが、男に振られたくらいで、会社を休むのかって。

でも違った。


『そう言う時、あるよな。』

『部長にもあるんですか?』

『あるよ。だけど俺は責任ある立場だから、休めないけどな。』

その時は、相手が心だって分からなくて、部長を振るような女がこの世にいるんだって、漠然と思っていた。


『部長は、寂しくないですか?』

『寂しいよ。』

『その心を、埋めたくはならないですか?』

『なるよ。』

『その相手、私がなりますか?』

部長は、私を見て驚いていた。


『お互い、満たされない心を埋める相手。』

そう言って部長の手の上に、手を重ねて、気づいたら、部長に激しく抱かれていた。


どれだけ相手の事を好きなのよと、その時は思ったけれど、その相手が心だって知って、どこかで納得した。

心は、お淑やかなお嬢様系なのに、しっかりしていて、家庭的。

男が結婚したい女のイメージ、そのモノだった。

部長はもう28歳だから、そう言う女に引っ掛るのも、無理ないと思った。


「心に告白すればいいのに。」

「したよ。返事はまだだけどな。」

それを聞いて、胸がチクッとなったのは、なぜなんだろう。

「……いい返事が、来るといいですね。」

「ああ。」


そうなれば、この関係は終わりを迎えるだろう。

心が部長の想いを受け入れれば、部長の心の隙間は無くなる。

私は必要がなくなる。

そして、私は?

一人寂しく、尚太を忘れるしかないんだな。


でも、そんな状況が訪れないと知った。

部長と、ホテルのバスタブに、一緒に浸かっていた時だ。

「倉本に、振られたよ。」

バスタブから両手を出しながら、私は目を丸くした。

「えっ?」

「だから、倉本とはダメだったんだよ。」


意外だった。

心はてっきり、部長の告白を受けると思っていたから。

「残念?」

「残念だな。」

「寂しいですか?」

「寂しいだろう。」

私は部長と向かい合って、両足を広げた。


「ねえ、お風呂の中で抱いて。」

部長はため息をつきながら、私に近づいた。

「お風呂の中は、意外と滑らないんだよ。」

そう言いながらも、部長は私とどうにか繋がると、バスタブの水がバシャバシャ言う程に、激しく腰を振った。
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