ラスボスハウス─チート級で超最強のラスボス達とハーレムシェアハウス!?─

野々村鴉蚣

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第一章、初恋とルームシェア

第0話、それは7人のルームメイトで。

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「お兄ちゃん! 今日は遊園地行く約束だったよネ!」

 リビングで本を読んでいると、突然背後から抱きつかれた、あぁ、またお前か。ってか、む、胸、胸当たってる。なんかめっちゃ胸当たってるから!

「んじゃ、今から行くか?」

 慌ててそう言い立ち上がろうとすると、彼女は喜んだ様子で俺の首に全体重をかけた。

「ウギギギギ」

 折れる折れる折れるってか苦しい苦しい苦しいッ! って嬉しいのは分かったから放電するなっ!

「アガガガガ」

「おい貴様、妾の男に何をしておるか。焼き殺してやろうぞッ!」

 ちょ、ちょっとタイム。俺ごと燃やす気か! 待て、炎は待て、すぐ怒るその癖何とかしてくれ、待て、待てぇぇぇえええ!

「あぢぢぢあガゴガガガガッ!」

「くっ、またもやうぬは時を止めおったな、卑怯であるぞッ!」

「魑魅魍魎を召喚しながら言うな!」

「不愉快、僕、君達を粛清する」

 ヤバい、また面倒なやつが出てきた。

「あの、粛清前に俺燃えてるんですけど……」

 まだ火は消えそうにもない、ああ、死んだな。せめて死ぬ前にあの子に好きって言いたかった。と涙が溢れかけた瞬間だった。突然俺の顔がおっぱいに挟まれる。同時に火は消え傷が元に戻された。

「あ、ありがとう」

「ち、違う……僕はただ」

 恥ずかしそうにモジモジする彼女を他所に、突然俺は腕を引っ張られ全裸の女性に捕まる。

「旦那様、何やら興奮しておられるご様子、わたくしが癒して差し上げますわ」

「ま、待ってヨ」
「無礼者め、妾が許さぬぞ」
「……粛清《しゅくせい》する」

 三人の女性の怒りが一点へ注がれるが、俺を掴んだ全裸の彼女は気にも留めぬ様子でメガネをクイッと上げ直した。同時に空間がねじ曲げられ、誰の声も届かなくなる。

「旦那様、こちら二人きりの世界です」

「ちょ、ちょっと待って心の準備が!」

「体の準備はよろしいようですよ」

 俺の貞操が危ない、そう思った瞬間だった。地面から幼女が生えてきた。

「おいおい、オレを置いていくなんてどういうことだぜ! 許されねぇぜ!」

 さらに増える幼女。10、いや、20人は居るだろうか。

「くっ、わたくしの捻じ曲げた空間に入ったのね」

「そんなの知らねぇんだぜ! それよりオレも遊ぶんだぜ!」

「だァァ! お前も脱ぐな!」

 面倒な二人を誰か止めてくれッ!

「……マスター、自分も混ぜてください」

 ふと背後から音がすると思えば、見たことも無い機械を利用して異空間に穴を開け、もう一人の女性が入ってきた。

「マスターの初めては、自分が」
「だめですわ、旦那様のはわたくしが」
「よく分からないけどオレがだぜ! 一番とか羨ましいんだぜ!」

 よく見れば穴の外では三人が争っている。こちらの空間でも別の三人が喧嘩を始めた。あぁ、誰か本当に助けてくれ。

 そう天に願った瞬間だった。

「あはは♡ ダーリンはアタシの物だよ♡」

 一番面倒なやつが顔を出した。

 こんな事になるなら、ルームシェアなんてするべきでは無かった。そんなことを考えながら、俺はぼんやりと一年前を思い出す。初めてこの街にやって来た日のことを。
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