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中盤
19.中盤14(大吾視点)※
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やっと漆野の家に到着した。まだ肌寒い夜は肌寒くはあるものの、温かい漆野の身体が寄せられまていたせいで、緊張と恥ずかしさで少しも寒さを感じなかった。
「あれ?全然入んない……どうしよ。」
ふにゃふにゃした笑顔の漆野を、組み敷きたい衝動を大吾は理性で抑えつける。
「五藤くん、入れて?」
漆野はあろうことか、大吾に家の鍵を渡した。大吾はガッツポーズしたいような衝動を堪えて、冷静を装う。
「開きましたよ。」
「わー、ありがとう!ナカはいって?」
「じゃあ、お邪魔します……」
「ちょっと散らかってるけどね。」
紛らわしい物言いに頭を抱えながら、大吾は漆野の家の玄関をくぐる。その際、大吾は漆野の玄関の鍵をうっかり自分のカバンに入れてしまった。
漆野に続いてリビングに進むと、足の踏み場も無いくらい服が散乱しており、テーブルの上には畳んでいないタオルが山を作っていた。『ちょっと』どころか、『けっこう』散らかっている。
「あー、もう、邪魔。」
リビングに入るなり、漆野はジャケットを脱ぎ捨てる。大吾がそれを拾うと、次はカラーシャツをリビングに脱ぎ捨てる。大吾が唖然として見ていると、ベルトに手を掛け始める。見てはいけないと思い、大吾が顔を背ける。ただでさえアルコールで判断が鈍っているのだ。今、憧れの漆野の裸体に近い姿を見ては理性が持たないかもしれない。そんな大吾の激しい葛藤の中、ガチャリと音がした。
「一緒に寝よ?」
見ると、下着姿の漆野が寝室と覚しき部屋のドアを全開にして、イタズラっぽく笑っていた。大吾はなるべく漆野を見ないように、頭を抱えて首を横に振る。酔っぱらいの言葉に乗ってはいけない。そもそも、どんな意図で『一緒に寝よう』と言っているのか、分からない。そんな誘いに乗る訳にはいかない。
「ダメ?」
『憧れの漆野さん』ともう一度、ただのストーカーである大吾が肉体関係を持って良いはずがない。大吾は目を伏せて何度も首を横に振る。すると、漆野は諦めたのか、溜め息を吐いて大吾から身体を離す。
「そっかぁ。残念。」
顔と別の部位が熱くなりながらも、誘惑を躱せた事に安堵していると、漆野は大吾に近付いて頬に手を伸ばす。
「でも、さっき、バーでモーニンググローリーフィズ飲み干したよね?それって、オレの誘いに乗ったってコトだよね?直前で契約不履行……なーんて、不誠実なヒト……じゃない……よね?」
漆野は大吾に密着して、耳元で囁く。後頭部の漆野の手の感触に全身が震える。漆野の髪や服に染み付いたタバコの匂いの濃さが、大吾の理性を叩き割ってくる。
「不誠実じゃないです……だからこそ、恋人とかちゃんとした関係の人としか……」
「ちゃんとした関係?そんなの、法律書でいないものとされてるオレらに、定義なんてされないでしょ?」
漆野の甘い声に大吾の理性は飛びかける。漆野が真面目な話題を話していることは分かるが、内容が入ってこない。
「だから……ね?シよ?」
大吾が覚えている限り初めて、理性が欲望に負けた瞬間だった。
理性が負けてからの行動は、大吾自身も信じられないぐらい大胆だった。
「漆野さん……ここ……直接触ってください……」
スラックスのベルトを外すと、ファスナーの上にあった漆野の手を下着の中へ運ぶ。漆野は慣れた手付きで大吾の熱く固くなったモノを起こす。
「ねぇ、五藤くん。オレ最近、なかなか満足いかなくってさ。五藤くんのその大きなモノを入れてみたいんだけど、ダメかな?」
漆野の甘美な声が、大吾の頭に響き渡る。恐る恐る大吾が頷くと、漆野の手が大吾の局部を露出させる。漆野の身体が大吾からスッと離れたと思うと、ベッドの方向に引っ張られる。
「ほら、ここに横になって?」
大吾は指示されるままベッドに横たわる。『夢にまで見た漆野さん』が普段使っているベッドを自分使っていると思うと、現実だとは到底思えなかった。
「漆野……さん……ホントに……」
何度も夢で抱こうとした漆野が、今、目の前にいる。しかも、漆野への挿入の準備のために自分の性器に触れている。これが現実だったら、明日死んでも良いかもしれない。
「ホント、ホント。五藤くんの方の準備は出来たし、オレの方の準備するね。」
いつの間にか全裸になっていた漆野が、大吾の上に被さる。大吾の大きく勃起したモノの先が、引き締まった漆野の腹に触れそうで触れない。
「ん……はぁ……んっ……」
どんな準備をしているのか、大吾には見当も付かなかった。ただ、漆野の苦しいような甘いような、吐息のような声に、大吾の身体は熱くなるばかりだった。
「お待たせ。フフッ。そんなにビンビンにさせちゃって……」
漆野は妖艶な笑みを浮かべて、大吾の裏筋を指でなぞる。合成ゴム越しにも伝わる艶めかしい感触に、大吾の身体はビクリと震えた。
「挿れちゃうね?んっ……」
漆野は大吾の腰の上に腰を降ろしていく。モノの先が次第に暖かく包まれていく。『夢にまで見た漆野さん』の中に自分の一部が入っているのだと思うと、興奮で居ても立っても居られない。
「んっ……はっ……全部入った……フフッ、結構大きいんだね?オレの奥まで入っちゃったよ?」
漆野はトロンとした目で微笑む。大吾の顔の側に手を付けて、ゆっくりと腰を動かす。
「んっ……ははっ……きもち……ふふ……」
漆野は恍惚とした表情で腰を動かす。甘い吐息が掛かる度に大吾の心臓は跳ね上がり、漆野のナカに擦れる度に大吾からは堪えるような吐息が漏れる。
「あっ……んっ……気持ちいい……んっ……」
漆野は目を伏せて、悩ましげな声をあげる。我慢出来なくなった大吾は、漆野の腰を持って自分の腰を突き上げる。
「漆野……さんっ!」
「んっ!ごと……う、くん……!んっ!……あっ……あっ……んっ!あっ!やっ!出ちゃう!まって!」
「待って」と言う割には、漆野は全く制止することはなく、むしろ腰を大きく反らせて大吾のモノが『好きな場所』に当たるように調節しているようだった。
「んっ!あっ……うっ……はぁはぁ……。あはは……出ちゃったね……ふふふっ」
漆野はドロっとした体液を吐き出している自身のモノを掴みながら、気怠そうな笑みを浮かべていた。漆野の満足そうな顔を見ていると、大吾の達しなかったモノが大きく脈打った。
「あれ?全然入んない……どうしよ。」
ふにゃふにゃした笑顔の漆野を、組み敷きたい衝動を大吾は理性で抑えつける。
「五藤くん、入れて?」
漆野はあろうことか、大吾に家の鍵を渡した。大吾はガッツポーズしたいような衝動を堪えて、冷静を装う。
「開きましたよ。」
「わー、ありがとう!ナカはいって?」
「じゃあ、お邪魔します……」
「ちょっと散らかってるけどね。」
紛らわしい物言いに頭を抱えながら、大吾は漆野の家の玄関をくぐる。その際、大吾は漆野の玄関の鍵をうっかり自分のカバンに入れてしまった。
漆野に続いてリビングに進むと、足の踏み場も無いくらい服が散乱しており、テーブルの上には畳んでいないタオルが山を作っていた。『ちょっと』どころか、『けっこう』散らかっている。
「あー、もう、邪魔。」
リビングに入るなり、漆野はジャケットを脱ぎ捨てる。大吾がそれを拾うと、次はカラーシャツをリビングに脱ぎ捨てる。大吾が唖然として見ていると、ベルトに手を掛け始める。見てはいけないと思い、大吾が顔を背ける。ただでさえアルコールで判断が鈍っているのだ。今、憧れの漆野の裸体に近い姿を見ては理性が持たないかもしれない。そんな大吾の激しい葛藤の中、ガチャリと音がした。
「一緒に寝よ?」
見ると、下着姿の漆野が寝室と覚しき部屋のドアを全開にして、イタズラっぽく笑っていた。大吾はなるべく漆野を見ないように、頭を抱えて首を横に振る。酔っぱらいの言葉に乗ってはいけない。そもそも、どんな意図で『一緒に寝よう』と言っているのか、分からない。そんな誘いに乗る訳にはいかない。
「ダメ?」
『憧れの漆野さん』ともう一度、ただのストーカーである大吾が肉体関係を持って良いはずがない。大吾は目を伏せて何度も首を横に振る。すると、漆野は諦めたのか、溜め息を吐いて大吾から身体を離す。
「そっかぁ。残念。」
顔と別の部位が熱くなりながらも、誘惑を躱せた事に安堵していると、漆野は大吾に近付いて頬に手を伸ばす。
「でも、さっき、バーでモーニンググローリーフィズ飲み干したよね?それって、オレの誘いに乗ったってコトだよね?直前で契約不履行……なーんて、不誠実なヒト……じゃない……よね?」
漆野は大吾に密着して、耳元で囁く。後頭部の漆野の手の感触に全身が震える。漆野の髪や服に染み付いたタバコの匂いの濃さが、大吾の理性を叩き割ってくる。
「不誠実じゃないです……だからこそ、恋人とかちゃんとした関係の人としか……」
「ちゃんとした関係?そんなの、法律書でいないものとされてるオレらに、定義なんてされないでしょ?」
漆野の甘い声に大吾の理性は飛びかける。漆野が真面目な話題を話していることは分かるが、内容が入ってこない。
「だから……ね?シよ?」
大吾が覚えている限り初めて、理性が欲望に負けた瞬間だった。
理性が負けてからの行動は、大吾自身も信じられないぐらい大胆だった。
「漆野さん……ここ……直接触ってください……」
スラックスのベルトを外すと、ファスナーの上にあった漆野の手を下着の中へ運ぶ。漆野は慣れた手付きで大吾の熱く固くなったモノを起こす。
「ねぇ、五藤くん。オレ最近、なかなか満足いかなくってさ。五藤くんのその大きなモノを入れてみたいんだけど、ダメかな?」
漆野の甘美な声が、大吾の頭に響き渡る。恐る恐る大吾が頷くと、漆野の手が大吾の局部を露出させる。漆野の身体が大吾からスッと離れたと思うと、ベッドの方向に引っ張られる。
「ほら、ここに横になって?」
大吾は指示されるままベッドに横たわる。『夢にまで見た漆野さん』が普段使っているベッドを自分使っていると思うと、現実だとは到底思えなかった。
「漆野……さん……ホントに……」
何度も夢で抱こうとした漆野が、今、目の前にいる。しかも、漆野への挿入の準備のために自分の性器に触れている。これが現実だったら、明日死んでも良いかもしれない。
「ホント、ホント。五藤くんの方の準備は出来たし、オレの方の準備するね。」
いつの間にか全裸になっていた漆野が、大吾の上に被さる。大吾の大きく勃起したモノの先が、引き締まった漆野の腹に触れそうで触れない。
「ん……はぁ……んっ……」
どんな準備をしているのか、大吾には見当も付かなかった。ただ、漆野の苦しいような甘いような、吐息のような声に、大吾の身体は熱くなるばかりだった。
「お待たせ。フフッ。そんなにビンビンにさせちゃって……」
漆野は妖艶な笑みを浮かべて、大吾の裏筋を指でなぞる。合成ゴム越しにも伝わる艶めかしい感触に、大吾の身体はビクリと震えた。
「挿れちゃうね?んっ……」
漆野は大吾の腰の上に腰を降ろしていく。モノの先が次第に暖かく包まれていく。『夢にまで見た漆野さん』の中に自分の一部が入っているのだと思うと、興奮で居ても立っても居られない。
「んっ……はっ……全部入った……フフッ、結構大きいんだね?オレの奥まで入っちゃったよ?」
漆野はトロンとした目で微笑む。大吾の顔の側に手を付けて、ゆっくりと腰を動かす。
「んっ……ははっ……きもち……ふふ……」
漆野は恍惚とした表情で腰を動かす。甘い吐息が掛かる度に大吾の心臓は跳ね上がり、漆野のナカに擦れる度に大吾からは堪えるような吐息が漏れる。
「あっ……んっ……気持ちいい……んっ……」
漆野は目を伏せて、悩ましげな声をあげる。我慢出来なくなった大吾は、漆野の腰を持って自分の腰を突き上げる。
「漆野……さんっ!」
「んっ!ごと……う、くん……!んっ!……あっ……あっ……んっ!あっ!やっ!出ちゃう!まって!」
「待って」と言う割には、漆野は全く制止することはなく、むしろ腰を大きく反らせて大吾のモノが『好きな場所』に当たるように調節しているようだった。
「んっ!あっ……うっ……はぁはぁ……。あはは……出ちゃったね……ふふふっ」
漆野はドロっとした体液を吐き出している自身のモノを掴みながら、気怠そうな笑みを浮かべていた。漆野の満足そうな顔を見ていると、大吾の達しなかったモノが大きく脈打った。
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