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第四章 穏やかな生活の先に
大洪水
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『ナツは死にました』
【2:54】
■[はい] □[いいえ]
どうやら夏美は死んでしまったらしい。画面には三分間のカウントダウンと選択肢が表示されている。
今も息苦しさを感じていたけれど、既に死んでしまった夏美は水中であったというのに呼吸できた。息苦しいのは死に戻りの演出かもしれない。
「何これ? このあとアクラスフィア王の前に転移しちゃうの?」
カウントダウンが終われば、強制的に死に戻るはず。画面が切り替わったなら、新しい冒険の旅が始まるだろう。加えて[はい]を選んだとしても同じ状況となるに違いない。
「あれ……?」
だが、おかしいことに気付く。夏美は精霊石を持っているのだ。仮に大洪水が即死攻撃であったとして、痛みすら感じなかったのは間違っているように思う。たとえ死んだとしても、二度溺死しなければならないはず。
「いや、これは違う……」
確か彩葉が話していた。
『直ぐにブラックアウトして、問答無用で爺ちゃんの前だったね――――』
こんな画面があることなど話していなかった。気付けばアクラスフィア王の御前にいたと彼女は話していたのだから。
結論を得た夏美は、透かさず[いいえ]を選ぶ。しかしながら、再び同じ選択肢が表示されてしまう。また何度いいえを選ぼうと同じことであった。
「どうしよう……」
何度もいいえを押す。それ以外にできることがないのだ。だが、無情にもカウントが減っていくだけであり、画面表示は何も変わらなかった。
そんな折り、脳裏に着信音が響く。流石に戸惑う夏美だが、発信者の名前を見て落ち着いてもいる。
【着信 水無月諒太】
慌てて通話を許可。直ぐさま夏美は話を切り出していた。
「リョウちん、どうしよう!?」
応答するやいなや夏美は叫んだ。焦るばかりに彼女は何も伝えていない。
『ああ? また何かヤバいことにでもなってんのか?』
夏美とは対照的に諒太は落ち着き払った声。事情を説明していない夏美のせいだが、彼女は苛立ちをぶつけるように大きな声で返す。
「悪魔が出たの! あたし死んじゃったって画面に出てる!」
一瞬の沈黙があった。恐らく諒太は考えてくれるはず。
いつもそうだったから。夏美が行き詰まった折には常に彼が攻略法を伝授してくれるのだ。
『ナツ、相手はクロケルって悪魔か?』
「それ! あたし水の中にいるのよ! 死んじゃったって出てる! 『はい』と『いいえ』とカウントダウンがあんの!」
取り乱す夏美だが、諒太は理解したかのように相づちを打った。少ない情報を彼は精査しているのかもしれない。
一瞬の間。返答に時間はかからなかった。諒太は直ぐさま対処法を夏美に伝えている。
『ナツ、お前は死んでない。心の強さが攻略の鍵。恐らくそれは幻影だろう。カウントダウンが終わるまでにその精神魔法を突破しろ。恐らくカウントダウンが終わったあと、本当の猛攻撃が来る……』
どうしてか諒太はスラスラと答えている。予めクロケルについて調べていたのかと思うくらいに。けれども、夏美が期待したままの返答でもあった。突破口について、彼は教えてくれたのだから。
『恐らく気絶やチャームと変わらん。気付け薬は持ってないのか?』
「ある! 一杯あるよ!」
『一つで良い。早く飲め。彩葉にも飲ませてやるんだぞ?』
どうしてか諒太は誰とパーティーを組んでいるのか理解しているようだ。死に戻った彩葉の精神値が夏美よりも低いことを危惧しているかのよう。
『それで他のメンバーは俺の着信通知を見てないのか? パーティー内の通知に気付けば、通話する手があると分かるはずだが……』
「それが通知はオープン設定やめちゃったから。阿藤君の件があったし……」
『そうか。なら急げ。全員に気付け薬を飲ませるんだ』
「分かった!」
直ぐさま気付け薬を飲む夏美。画面は水中であったけれど、アイテムボックスを開いて取り出すや、栓を抜いて一気飲みしている。
「にがっっ!!」
次の瞬間、視界が回復。夏美は元の氷山へと戻っていた。
即座に周囲の状況を確認すると、視界の先には悪魔公爵クロケルがいる。けれど、両腕を天に突き上げた体勢で固まったままだ。
「勇者ナツ! 自力復帰できたか!」
「タルトさん! みんなは!?」
「我も復帰したところだ。しかし、気付け薬の予備がなくてな……」
「気付け薬なら、あたし持ってる!」
いち早く復帰したタルトだが、彼は気付け薬を余分に持っていなかったらしい。思案していたところに夏美が復帰したのだという。
『ナツ、精神値が低いものからだ。精神値が低いプレイヤーはかなり息苦しいはず。諦めてしまう前に飲ませてやれ』
「ええ、ホントに!? 急がなきゃ!」
「どうした勇者ナツ? 誰からの通信だ?」
諒太の声が聞こえていないタルトは独り言を話すような夏美に聞く。しかしながら、答えるよりも先に気付け薬を飲ませるべきだ。気付け薬を取り出しながら、夏美はタルトに返している。
「通話してんのは幼馴染みだよ!」
「ほう、その者はひょっとして危ない橋を渡っているとかいう?」
「そう、それ! 気付け薬もリョウちんに教えてもらったのよ!」
「なるほど。通信という手があったか……」
夏美は取り出した気付け薬をゆっくりと彩葉に飲ませる。咳き込まないように、少しずつ口に含ませていく。
「勇者ナツ、我も通話に参加させろ! 話をしてみたい!」
「えええ!?」
驚いた夏美は一度に気付け薬を流し込んでしまう。当然のこと咳き込む彩葉。かといって気付け薬の役目は果たしているようだ。
「げほっ! って復帰した!?」
「帰還ご苦労。聖王騎士イロハよ、貴様も勇者ナツの幼馴染みと話がしたいだろう?」
「はぁ? リョウちん君のこと? 私は一緒にプレイしたことあるよ?」
『ナツ、もう繋げよ。俺も話したいことがあるし』
諒太の居場所的にクロストークが可能かどうかは分からなかったが、彼はスナイパーメッセージの複数通話を許可していた。
一瞬、戸惑う夏美であるけれど、諒太の要請通りにトークルームへとタルトとイロハを招待している。
『俺はリョウだ。俺の予想を先に言っておく。カウントダウンが終了するか、誰かが死を受け入れると問答無用で猛攻撃を受けることになるだろう。精神値が高いと思われるチカを残して、気付け薬を与えるべき。チカにはスナイパーメッセージで連絡しておけ』
「なるほど、してチカ大司教のみを残す理由はなんだろうか?」
早速とタルトから疑問が返されている。
この場にいない諒太は何も知らないはずだと。何しろ全サーバーでサンセットヒルの情報はまだ一つもなかったのだ。
『カウントダウンがあると聞いた。恐らくそれが猛攻撃のトリガー。誰かが[はい]を選んでも同じことだろう。よって態勢を整える時間として使うべきだ』
「アアアアとチカちゃんも招待したよ!」
これにて全員がトークルームへと入った。諒太はそこまで求めていなかったけれど、いずれは共闘する仲だと思い直している。
『みんなよく聞いてくれ。まずチカに聞きたい。カウントダウンはあと何秒ある?』
「あと50秒なんよ!」
うんと返事をする諒太。一分を切っていたけれど、十分だと言わんばかりに。
『では全員回復ポーションを飲め。必ず満タンとなるように、多すぎるくらい。チカが気付け薬を飲むや否に猛攻撃が来るはず。耐性強化が可能であれば、それもしておくこと。残念ながら、俺は攻略法を知らない。だけど問題はないし、自信を持っていけ……』
饒舌に語る諒太の言葉を全員が聞き入っている。こんな今もカウントダウンが続いていたというのに。
『マヌカハニー戦闘狂旗団の勝利だけは確定しているから――――』
どこからそのような自信が湧くのか理解不能であるけれど、元より全員がそのつもりだ。
直ぐさまタルトを中心として話し合いが持たれた。
「チカ大司教よ、手渡した気付け薬は合図をしたら飲むのだ。我らはチカ大司教を取り囲むように防御する。猛攻撃を凌いだあとは総攻撃。間に合うのなら、バフ掛けしてくれ」
「分かった! しっかり守って欲しいんよ!」
直ぐさま全員がチカの周りへと移動。盾を持つタルトと夏美の背後に隠れる格好である。
「いくぞ!」
タルトが声をかけるや、チカが気付け薬を飲み干す。これにて戦闘再開。超高難度ダンジョンボスの猛攻撃に晒されるはずだ。
「悪魔を蹴散らせ! マヌカハニー戦闘狂旗団!!」
【2:54】
■[はい] □[いいえ]
どうやら夏美は死んでしまったらしい。画面には三分間のカウントダウンと選択肢が表示されている。
今も息苦しさを感じていたけれど、既に死んでしまった夏美は水中であったというのに呼吸できた。息苦しいのは死に戻りの演出かもしれない。
「何これ? このあとアクラスフィア王の前に転移しちゃうの?」
カウントダウンが終われば、強制的に死に戻るはず。画面が切り替わったなら、新しい冒険の旅が始まるだろう。加えて[はい]を選んだとしても同じ状況となるに違いない。
「あれ……?」
だが、おかしいことに気付く。夏美は精霊石を持っているのだ。仮に大洪水が即死攻撃であったとして、痛みすら感じなかったのは間違っているように思う。たとえ死んだとしても、二度溺死しなければならないはず。
「いや、これは違う……」
確か彩葉が話していた。
『直ぐにブラックアウトして、問答無用で爺ちゃんの前だったね――――』
こんな画面があることなど話していなかった。気付けばアクラスフィア王の御前にいたと彼女は話していたのだから。
結論を得た夏美は、透かさず[いいえ]を選ぶ。しかしながら、再び同じ選択肢が表示されてしまう。また何度いいえを選ぼうと同じことであった。
「どうしよう……」
何度もいいえを押す。それ以外にできることがないのだ。だが、無情にもカウントが減っていくだけであり、画面表示は何も変わらなかった。
そんな折り、脳裏に着信音が響く。流石に戸惑う夏美だが、発信者の名前を見て落ち着いてもいる。
【着信 水無月諒太】
慌てて通話を許可。直ぐさま夏美は話を切り出していた。
「リョウちん、どうしよう!?」
応答するやいなや夏美は叫んだ。焦るばかりに彼女は何も伝えていない。
『ああ? また何かヤバいことにでもなってんのか?』
夏美とは対照的に諒太は落ち着き払った声。事情を説明していない夏美のせいだが、彼女は苛立ちをぶつけるように大きな声で返す。
「悪魔が出たの! あたし死んじゃったって画面に出てる!」
一瞬の沈黙があった。恐らく諒太は考えてくれるはず。
いつもそうだったから。夏美が行き詰まった折には常に彼が攻略法を伝授してくれるのだ。
『ナツ、相手はクロケルって悪魔か?』
「それ! あたし水の中にいるのよ! 死んじゃったって出てる! 『はい』と『いいえ』とカウントダウンがあんの!」
取り乱す夏美だが、諒太は理解したかのように相づちを打った。少ない情報を彼は精査しているのかもしれない。
一瞬の間。返答に時間はかからなかった。諒太は直ぐさま対処法を夏美に伝えている。
『ナツ、お前は死んでない。心の強さが攻略の鍵。恐らくそれは幻影だろう。カウントダウンが終わるまでにその精神魔法を突破しろ。恐らくカウントダウンが終わったあと、本当の猛攻撃が来る……』
どうしてか諒太はスラスラと答えている。予めクロケルについて調べていたのかと思うくらいに。けれども、夏美が期待したままの返答でもあった。突破口について、彼は教えてくれたのだから。
『恐らく気絶やチャームと変わらん。気付け薬は持ってないのか?』
「ある! 一杯あるよ!」
『一つで良い。早く飲め。彩葉にも飲ませてやるんだぞ?』
どうしてか諒太は誰とパーティーを組んでいるのか理解しているようだ。死に戻った彩葉の精神値が夏美よりも低いことを危惧しているかのよう。
『それで他のメンバーは俺の着信通知を見てないのか? パーティー内の通知に気付けば、通話する手があると分かるはずだが……』
「それが通知はオープン設定やめちゃったから。阿藤君の件があったし……」
『そうか。なら急げ。全員に気付け薬を飲ませるんだ』
「分かった!」
直ぐさま気付け薬を飲む夏美。画面は水中であったけれど、アイテムボックスを開いて取り出すや、栓を抜いて一気飲みしている。
「にがっっ!!」
次の瞬間、視界が回復。夏美は元の氷山へと戻っていた。
即座に周囲の状況を確認すると、視界の先には悪魔公爵クロケルがいる。けれど、両腕を天に突き上げた体勢で固まったままだ。
「勇者ナツ! 自力復帰できたか!」
「タルトさん! みんなは!?」
「我も復帰したところだ。しかし、気付け薬の予備がなくてな……」
「気付け薬なら、あたし持ってる!」
いち早く復帰したタルトだが、彼は気付け薬を余分に持っていなかったらしい。思案していたところに夏美が復帰したのだという。
『ナツ、精神値が低いものからだ。精神値が低いプレイヤーはかなり息苦しいはず。諦めてしまう前に飲ませてやれ』
「ええ、ホントに!? 急がなきゃ!」
「どうした勇者ナツ? 誰からの通信だ?」
諒太の声が聞こえていないタルトは独り言を話すような夏美に聞く。しかしながら、答えるよりも先に気付け薬を飲ませるべきだ。気付け薬を取り出しながら、夏美はタルトに返している。
「通話してんのは幼馴染みだよ!」
「ほう、その者はひょっとして危ない橋を渡っているとかいう?」
「そう、それ! 気付け薬もリョウちんに教えてもらったのよ!」
「なるほど。通信という手があったか……」
夏美は取り出した気付け薬をゆっくりと彩葉に飲ませる。咳き込まないように、少しずつ口に含ませていく。
「勇者ナツ、我も通話に参加させろ! 話をしてみたい!」
「えええ!?」
驚いた夏美は一度に気付け薬を流し込んでしまう。当然のこと咳き込む彩葉。かといって気付け薬の役目は果たしているようだ。
「げほっ! って復帰した!?」
「帰還ご苦労。聖王騎士イロハよ、貴様も勇者ナツの幼馴染みと話がしたいだろう?」
「はぁ? リョウちん君のこと? 私は一緒にプレイしたことあるよ?」
『ナツ、もう繋げよ。俺も話したいことがあるし』
諒太の居場所的にクロストークが可能かどうかは分からなかったが、彼はスナイパーメッセージの複数通話を許可していた。
一瞬、戸惑う夏美であるけれど、諒太の要請通りにトークルームへとタルトとイロハを招待している。
『俺はリョウだ。俺の予想を先に言っておく。カウントダウンが終了するか、誰かが死を受け入れると問答無用で猛攻撃を受けることになるだろう。精神値が高いと思われるチカを残して、気付け薬を与えるべき。チカにはスナイパーメッセージで連絡しておけ』
「なるほど、してチカ大司教のみを残す理由はなんだろうか?」
早速とタルトから疑問が返されている。
この場にいない諒太は何も知らないはずだと。何しろ全サーバーでサンセットヒルの情報はまだ一つもなかったのだ。
『カウントダウンがあると聞いた。恐らくそれが猛攻撃のトリガー。誰かが[はい]を選んでも同じことだろう。よって態勢を整える時間として使うべきだ』
「アアアアとチカちゃんも招待したよ!」
これにて全員がトークルームへと入った。諒太はそこまで求めていなかったけれど、いずれは共闘する仲だと思い直している。
『みんなよく聞いてくれ。まずチカに聞きたい。カウントダウンはあと何秒ある?』
「あと50秒なんよ!」
うんと返事をする諒太。一分を切っていたけれど、十分だと言わんばかりに。
『では全員回復ポーションを飲め。必ず満タンとなるように、多すぎるくらい。チカが気付け薬を飲むや否に猛攻撃が来るはず。耐性強化が可能であれば、それもしておくこと。残念ながら、俺は攻略法を知らない。だけど問題はないし、自信を持っていけ……』
饒舌に語る諒太の言葉を全員が聞き入っている。こんな今もカウントダウンが続いていたというのに。
『マヌカハニー戦闘狂旗団の勝利だけは確定しているから――――』
どこからそのような自信が湧くのか理解不能であるけれど、元より全員がそのつもりだ。
直ぐさまタルトを中心として話し合いが持たれた。
「チカ大司教よ、手渡した気付け薬は合図をしたら飲むのだ。我らはチカ大司教を取り囲むように防御する。猛攻撃を凌いだあとは総攻撃。間に合うのなら、バフ掛けしてくれ」
「分かった! しっかり守って欲しいんよ!」
直ぐさま全員がチカの周りへと移動。盾を持つタルトと夏美の背後に隠れる格好である。
「いくぞ!」
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◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
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