神官様は今日も協会の子達のために奮闘する。

なかたか

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王都までの道のりtwo

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 午後の昼下がり、ようやく皆は起き、王都に行くための準備も終わり、出発しようとする竜たちは外に出ていた。
 
「お前ら、起きるのおっそぉい!! おかけで朝の定期馬車に間に合わなかったじゃん!」

 こめかみをピクピクさせながら竜は言った。それにノアは耳を両手で塞ぎ、微妙な表情をしていた。ノエは申し訳なさそうにシュンとなる。それに対して全く動じず、いつも通りの静かな面持ちのキャロ。
 カエデはまだうとうととしていた。

「ごたくはいい。だから早くいこ?」

 静かに言うキャロに、竜は憤怒を渡そうとしたが、キャロのやはり清々しい素顔をみると、そんな気も起きなくなり、髪をがしがしかいて、竜は「ン~、よし! いくぞ!」と最初は悶々としていたが諦めるように言い、明後日の方向に指差した。
 





 ごとごとと馬車が揺れる。  

 キャロ、カエデ、竜、ノア、ノエ、の順で、ぎゅうぎゅうとつめて五人は座っていた。
 この馬車は三両の繋がった馬車だ。
 馬車の中は四人用の長椅子が設置されており、その反対にも同じように四人用の長椅子が設置されている。
 じゃあ、何故四人用の椅子にそれも向かいの椅子があるのにも関わらず、暑苦しい思いをしてまでこうなっているのか。
 それは5分前にまで遡る。





「ふぅー、やっとついたぁ」

 疲れ気味の竜は、ノア、ノエ、キャロ、カエデを引き連れて、定期馬車所──つまりは馬車が来る場所に竜たちはついていた。

「神っ管さま~、馬車っていつ来るんですか?」

「あと、もうちょいだ。だからまてって」

 興奮気味のノアを、どうどうと馬をせいすように、竜はノアをせいした。

「っと、そんな事言ってるうちに来たぞ。馬車」

 竜の言葉通り馬車は段々とここに近づいてくる。
 それを確認した竜たちは馬車に乗るため細かい準備を整え、ついた馬車に乗るのだった。

 


 中は四人用の席が対になっており、竜は何も迷うことなく竜たちから左側の席の真ん中に座った。

「ほら、お前らも早く座れ」

 ふぅー、と竜は一息つく。

「わたし、まどがわの席がいい~!」 

 そして、ノエは高揚ぎみに竜と同じ席の外が窓から見渡せる端っこの席に座った。
 その後に、ノアは、竜とノエの間によいしょっと続けて、「私は神官様の隣です」と嬉しそうに言いながら座った。
 間髪いれずに、次はカエデが竜の隣に恥ずかしがりながら座った。

「神官様、よろしくお願いします」

 ピタッと竜の肩に身を寄せるカエデに、竜は内心不覚にもドキッとしてしまった。
(男なのに! 男なのに!)
 と、自分を律っせなければ悪いほどにだ。
 まぁ、女子と言われれば、可愛い女子に見えるカエデだ。
 童貞ロリコンクソ野郎には少し刺激が強すぎた。

「お、おおう、」 
 
 歯切れ悪く、竜は言い、それを怪訝な細目でノアは見据えた。

「ちょっと、カエデばかりズルいです! 私も構ってください!」

 プンスカと頬を可愛らしく膨らませ、いつも以上にノアは竜に身を寄らせた。
 
「ちょ、おいっ」

 竜はその行為に赤面する。
 と、そんな熱々っプリを無視するように、キャロはカエデの隣にある狭い間に、無理矢理と身を入れてきた。
 それに気付く竜。狭くなる一同。     

「ちょ、キャロ、これ四人用。狭いって。」

「...なら神官様は、私に一人で座れと?」

 竜はキャロの鋭い双眼に見つめられる。

「い、いや、一人じゃないだろ」

「だめ。私は隣に誰かいないと寂しくて死んでしまうの」

 唇を尖らせながらキャロは言った。それを聞き竜は、

「ウサギ以上の寂しがりや!?」

 突っ込みざる終えなかった。
 それに「えっへん」と何故か胸を張るキャロ。

「はー、仕方ない。すまんが、ノエ「イヤです」

 窓側の席が良いのならば向かいの席でも良いだろうと思っての事で竜はノエに言ったのだが、結果その発言は最後までいくのをノエは待ってくれずに却下された。
 そして、言わずとも竜の両にいる二人方は一向に離れようとしない。

 こんな感じで、皆向かいの席に行こうとせず、「なら」と竜が向かいの席に行こうとしてもそれをカエデとノアに阻止され、かくしてこうなったと言うことだ。
 
 そして、竜たちはガヤガヤとせわしなく、狭い馬車の中で和気あいあいと駄弁りながら王都の到着を待つのだった。
 
 

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