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記録ノ38 リョーマとラーメン工場

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秋、僕たち3年生は社会科見学でラーメン工場へ。
見学するのは道内を代表する有名ラーメンメーカー。生ラーメンのほか焼きそば用の蒸し麺や冷凍めんも作られている。
見学の前に授業の中で何度もネットで調べまくった。ラーメンができるまでのことを。
調べれば調べるほど見学が楽しみになっていった。

そして見学当日の9月某日。その日はその日付としては6年ぶりの晴天だったとか。
S藤先生は「みんなの行いがいいから晴れたのかもね」と出発前にコメントした。
まず初めに見学したのは小麦粉と練水を機械で混ぜる工程。なぜか僕はクッキーとかの生地を見るとテンションが上がる。だからここでいきなり大興奮だった。混ぜてそぼろ状になったものをめんかいといい、混ぜたら熟成させるのだ。

続いてそのめん塊をローラー(機械)でのばす。のばしていく様がなんかトイレットペーパーみたいで面白かった。
のばした状態のものをめんたいという。響きだけ聞いたら辛そうな名前だなと思ったのは僕だけじゃないはず。これも熟成させるのだ。

めん帯をカッター機械でカット。切られた後の麺たちは麺の種類ごとに違う工程を歩む。
僕たちが続いて見学したのはゆで麺と冷凍めんの麺をゆでる工程。このエリア内は常に蒸し暑い状態で、夏の暑い日でもその中で一同頑張って作業していると聞いて僕を含めみんな「ヒエ~!」と驚いていた。
ちなみに蒸し麺はゆでないで蒸す。
そのあと麺は冷却される。この時点でゆで麺は完成。蒸し麺は油をまぶして完成となる。
冷凍めんはこの後30分急速冷凍して完成となるのだがそこは残念ながら非公開だった。

見学終了後はみんな楽しみうれしいお土産の時間。工場で作られている生ラーメン(スープ付き)がプレゼントされた。
この日残念ながら我がクラスに欠席者一人が出てしまったのだが、その子の分もしっかりプレゼントしてくれた。
スープの味までは知らされなかったのだがS藤先生は「札幌といえばのみそかな?」と予想していた。

帰宅後の夕飯、我が家でそのラーメンをさっそく食べた。
スープは醤油だった。
完成までの工程を見た後にいただくラーメンは格別だ。
食べ終わった後はもらったパンフレットを家族に見せながら僕は何度もラーメンができるまでや祖の会社の歴史を熱く語った。まるでメーカーの広報だ。

それから僕はよく母にそのメーカーの生ラーメンが食べたいとねだるようになった。すっかりファンになったのだ。
我が家では今でもそのメーカーのラーメンをちょくちょく食べている。
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