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記録ノ67 クラブの変

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5年生になってクラブ活動を新しく決める時期になった。
ここで僕の通っていた小学校でのクラブ活動のシステムについて解説せねばならない。
4~6年生が行うクラブ活動は隔週水曜日の6時間目に行われる。
クラブの内容は毎年6年生と先生方がアイデアを出し合って一緒になって決める(この辺のシステムは6年生編で詳しく解説するとしよう)。
故にどんなクラブが存在するかは年によって異なる。なので進級と時を同じくして毎年入るクラブを選びなおすこととなる。
去年と同じクラブに続けてはいることも可能だが、上記の特性故に自分が去年は言っていたクラブが今年もあるとは限らない。野球やサッカーなどの人気のクラブは毎年のように登場するが、中には不人気のため1年で消えるクラブも多々存在する。

僕は4年生ではサッカークラブだった。当時絶大な人気を誇っていたイナズマイレブンの影響もあるが。僕と親しいセイタくんがいる影響もあった。
彼は友達の中でも特に親しくしていた。彼は頭も運動神経もよく何もかも完璧で僕にとってあこがれの存在だった。
だから僕は彼に近づきたくて彼のマネをよくしていた。だから僕は学校では彼と同じサッカークラブに入っていた。
当然僕は5年生でも彼はサッカークラブに入るものと思っていた。だから迷わず5年生もサッカークラブに入ると決めた。

しかしクラブの加入の申し込みをした直後、セイタくんからこう告げられる。
「リョーマ、それじゃあサッカークラブで頑張ってください。オレは卓球で頑張りますんで。」
…想定外だった…彼は今回サッカーではなく卓球のほうに入った…
正直言って彼とは親しくしていて、彼も受け入れてくれていたけど、時々僕が一方的にベタベタまとわりついてきているようなところもあった。
それをしつこく感じたから裏を突いて別のクラブに入ったのだろう。
さらに彼は地元のサッカー少年団にも入っている。サッカーならそっちでできるからと彼の心にも迷いはなかったのだと思う。
彼に重要だったのは学校のクラブでサッカーができるか否かよりも、しつこい僕と距離を置くことが重要だったのだ。

それでも彼は変わらず仲良くしてくれていた。本心はわからないが。
いまとなっては彼への絡みがしつこすぎたかと反省している。
でも彼のいないサッカークラブは一年間退屈だった。イナズマイレブンは好きだけど、サッカーをすること自体は特別好きではなかったからだ。
この時の反省から僕は6年生では入るクラブ選びを真面目に考えるようになったのだがそれはまた別の話…
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