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記録ノ70 オレがおごるのかよ!

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小学生~中学生の頃、僕は祖父母や親戚の人に会うと高確率で小遣いをもらっていた。
特に祖母はお正月や誕生日、夏休みなどの特別な時以外でも結構くれていた。感謝。
そして前回お話ししたあの運動会の後にも祖母は小遣いをくれた。その額なんと8000円。小学5年生…いや、小学生にはとんでもない大金だ。
しかしそれゆえの災難もあった…

それは運動会がおわって1~2週間後の土曜日。友達のソラくん、シュウジくんと一緒に市民プールに行った日のこと。
泳ぎつかれていったん休憩。ロビーの売店でみんなでガリガリ君を買って食べようという話に。僕もその場のノリで賛成した。
さっそく僕たち3人はガリガリ君をもってレジへ…しかし僕はあることに気づいた。
「コレ、だれが払うの?」
僕がその疑問を2人に投げかけた結果、2人は迷わず無言である人物を指さした。
彼らの指が示す先は、「一刀星リョーマ」。そう、僕である。

「オレがおごるのかよ!」…指をさされた直後の僕の第一声はそれであった。
その直後、ソラくんはこういった。
「お前こないだ8000円もらったからガリガリ君ぐらいいいだろ!」
続いてシュウジくんも
「8000円あったら硬式球買えるぞ!」と発言。
シュウジくんに対しては「んなモン(硬式球)買わねーよ!」とっすぐさま突っ込んだが…
結局、ソラくんが「ガリガリ君代はそのうち返す」と約束し、僕は3人分のガリガリ君代を払うこととなった。

ところでガリガリ君といえばだれもが知ってるサプライズがある。そう、当たり棒だ。
ガリガリ君を食べるときは誰もが棒にあたりが描いてないか確認しながら食べるであろう。
もちろんあの日の僕たちも例外ではなかった。そんな中、ソラくんがこんなことを言い出した。
「もしオレが当たって、そのあたり棒をリョーマにやれば、オレはお前に金返したことにならない?」
僕は首をかしげた。どうせなら現金で返してほしかったからだ。
…結局、僕もソラくんもシュウジくんも皆はずれ…

…あれから10年以上たつが、いまだにあの頃のガリガリ君代は返してもらってない。
というかソラくんには中学卒業以来あっていない。
もし過去の自分にメッセージを伝えられるならあの頃の僕にこういってやりたい。
「お前は8000円という小学生にとっては大金と言われる額をもらったんだ。60円のガリガリ君ぐらい広い心でおごってやれよ…正月以外で8000円をもらえる小学生なんぞそうそういないんだからな!」と。
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