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記録ノ137 6年生を送る会 送られるのは僕らかい?~キレる12歳の地図~

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3月上旬、6年生を送る会の日がやってきた。
去年までの5年間、僕たちは毎年この時期に卒業生を送り出すためにゲームやら歌やら演奏やらをやってきた。
だが今年はいよいよ僕らが送られる番だ。

当日の登校日、僕は教室の前についたとたん、突然シュウジくんに呼び止められる。
「リョーマ!練習忘れて何遅れてんだよ!」
どうやら2年生の出し物で2年生VS6年生の九九暗唱対決があるらしく、ぼくも6年生代表として立候補していたらしく、当日朝早くに練習のため教室に集まる約束だったらしいのだ。こりゃついうっかり…みんなすまねえ。
で、遅ればせながら練習に参加。それぞれ担当の段を決めて2年生と1対1でどっちが早く言えるかを勝負する形式だ。
僕の担当は7の段。しかし…
「7×1=7、7×2=14、7×3=24…」
「リョーマ!遅れてきたうえ何間違えてるんだよ!」
九九なんて日常的に結構使うもの。だが時間の壁があると思うといくら得意なことでも焦って空回りしてしまうのだ。
自分は時間制限に弱い男だ。自分にとってどうしても「急ぐ=焦る」になってしまう。昔からの悪い癖だ。
「あのな~!人間焦っちまう時も失敗するときもあるだろ!だったらお前言ってみろよ!オレより早く!」
僕はシュウジくんにちょいガチギレした。
「ああ言ってやんよ! 7×1=7、7×2=14、7×3=21、7×4=28、7×5=35…」
結局シュウジくんは間違えず完璧に言った。
そんなこんなで練習再開…となった直後、別のメンバーから指摘が…
「あれ?そういやリョーマ代表じゃないよな?」
…どうやらシュウジくんの勘違い&僕の記憶違いだったようだ。キレてすまん。

そんなこんなで会本番。最初は6年生と1年生が手をつないで体育館に入場する。
例年なら流行りのJ-POPとかのカッコイイ曲がこの時使われるのだが、この年は「ある子供向け楽曲」のオルゴール版が使われた。
「ガキっぽい曲使いやがって!オレたちをなめとんのかワレ!」…心の中で僕はブチギレた。
その後は各学年の出し物。例年ゲーム企画は2つ以上の学年がやっていたが、この年は前述の2年生だけ。
その他の学年は歌ったり、演奏したりするだけ。ある学年は挨拶もなしに突然歌いだし、最後に「卒業おめでとう」的な簡単なメッセージを述べただけであった。今までの自分たちのやってきたことや、例年の他学年の出し物に比べて貧相に感じた。
「こっちの苦労も知らずして!こちとら今までゲームだのクイズだのやった後にさらに演奏や歌やってきたんだぞ!お前らはいいよな!歌や演奏だけ練習すればいいんだから!」…出ました。リョーマくん本日2回目の心の中ブチギレ。
まあ、今思えば他学年にとっちゃ今までこっちが何をやってきたかなんて知らないだろうから仕方ない。というか出し物を決めるのは先生方だし。

その後は恒例のキャンドルセレモニーを行って終了。最高学年の魂を5年生に引き渡し、送る会は幕を閉じた。
しかしリョーマの心は教室に戻ってもまだブチギレモードであった。
朝、勘違いで散々どやされた(僕にも非はあるが)こと、BGMや内容への不満…キレる12歳、一刀星リョーマの怒りはこの日の昼休みぐらいまで収まらなかった。
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