203 / 456
おこぼれ話65 ゆれる、ゆれる、それがイヤ
しおりを挟む
僕は小学校中学年ぐらいまで、ぶら下がっているものが揺れるのを見るのがイヤだった。
ぶら下がっているものが自分の意思とは異にずっと揺られ続けてると思ってそれが苦しそうに感じて、物がかわいそうに思ったからだ。
そのことで少しか周りに迷惑をかけてしまったこともある。
みんなは机のフックに体育の時にかぶる帽子や給食袋をぶら下げていた。もちろん僕もそうしていたが常日頃からそれらが揺れるのがイヤで仕方なく、我慢していたところもあった。
だが3年生の1学期の初め、突然我慢の限界が訪れ、僕は帽子だけフックではなく棚の中のお道具箱の上に置くことにした。
だが、翌日には道具箱の上に置いたはずの帽子が何者かの手によって僕の机の上に置かれていた。「フックにかけろ」という意味だろう。帽子の置き方は他の人の邪魔にならないように配慮したつもりだが、ぼくの隣にお道具箱を置いている人にとっては邪魔に感じたのかもしれない。その人がやったのかは知らないが。
だが僕はすぐに帽子をお道具箱の上に戻した。時を同じくして、先生からも「フックにかけるように」との指導が入るようになっていった。だが自分はこれに屈しない。と心の中ではそう強く自負していたのだ。
だが翌日も帽子が机の上に。もちろんお道具箱の上にすぐ戻した。
その翌日も机の上に。もちろんお道具箱の上に戻した。
以降も机の上に置かれたらお道具箱の上へ、また机の上に置かれたらお道具箱の上へ…といたちごっこ状態が続いていき、「机の上に置かれた帽子をお道具箱の上に戻す」という動作は僕の学校についた後のルーティンと化していた。
これではあきたらず、とうとう給食袋までもお道具箱の上に置くという暴挙に僕は出た。
だがここは先生からの「ただでさえ帽子でスペースとってるのに給食袋まで置くのはいかがなものか」という物言いにより、僕も「給食袋は食事に使うものだから衛生的にどうか」と考え、わずか3日ほどでフックに戻した。
だが帽子は引き続きお道具箱の上だ。それは絶対曲げない。
だが先生や一部のクラスメイトからの指摘も日に日にエスカレートしていく。
「フックにかけたほうが使う時にすぐ取れる」…先生はよくこのフレーズを口にしていた。
だが自分の中では効率とかは関係ない。揺れるのをみたくないだけだ。早く帽子をかぶったからって偉いという世の中ではないだろう。自分の中ではお道具箱の上に置くことは譲らなかった。
結局、僕は3~4か月以上ほどフックに帽子をかけない日々が続いた。
かけるようになった理由は「根負け」だ。
みんなしつこく指摘してくるもんだから「わかった。かけりゃいいんだろ」みたいな感じで渋々みんなの言い分をのんだのだ。さっきまであんだけ譲らなかったのに。
相手のしつこさにはある程度耐えることができるが、「こっちが折れるまで攻撃をやめないなこりゃ」と悟ったら前には出れないのが僕の弱さであった。
そもそも今回は自分が悪いのだが。
ぶら下がっているものが自分の意思とは異にずっと揺られ続けてると思ってそれが苦しそうに感じて、物がかわいそうに思ったからだ。
そのことで少しか周りに迷惑をかけてしまったこともある。
みんなは机のフックに体育の時にかぶる帽子や給食袋をぶら下げていた。もちろん僕もそうしていたが常日頃からそれらが揺れるのがイヤで仕方なく、我慢していたところもあった。
だが3年生の1学期の初め、突然我慢の限界が訪れ、僕は帽子だけフックではなく棚の中のお道具箱の上に置くことにした。
だが、翌日には道具箱の上に置いたはずの帽子が何者かの手によって僕の机の上に置かれていた。「フックにかけろ」という意味だろう。帽子の置き方は他の人の邪魔にならないように配慮したつもりだが、ぼくの隣にお道具箱を置いている人にとっては邪魔に感じたのかもしれない。その人がやったのかは知らないが。
だが僕はすぐに帽子をお道具箱の上に戻した。時を同じくして、先生からも「フックにかけるように」との指導が入るようになっていった。だが自分はこれに屈しない。と心の中ではそう強く自負していたのだ。
だが翌日も帽子が机の上に。もちろんお道具箱の上にすぐ戻した。
その翌日も机の上に。もちろんお道具箱の上に戻した。
以降も机の上に置かれたらお道具箱の上へ、また机の上に置かれたらお道具箱の上へ…といたちごっこ状態が続いていき、「机の上に置かれた帽子をお道具箱の上に戻す」という動作は僕の学校についた後のルーティンと化していた。
これではあきたらず、とうとう給食袋までもお道具箱の上に置くという暴挙に僕は出た。
だがここは先生からの「ただでさえ帽子でスペースとってるのに給食袋まで置くのはいかがなものか」という物言いにより、僕も「給食袋は食事に使うものだから衛生的にどうか」と考え、わずか3日ほどでフックに戻した。
だが帽子は引き続きお道具箱の上だ。それは絶対曲げない。
だが先生や一部のクラスメイトからの指摘も日に日にエスカレートしていく。
「フックにかけたほうが使う時にすぐ取れる」…先生はよくこのフレーズを口にしていた。
だが自分の中では効率とかは関係ない。揺れるのをみたくないだけだ。早く帽子をかぶったからって偉いという世の中ではないだろう。自分の中ではお道具箱の上に置くことは譲らなかった。
結局、僕は3~4か月以上ほどフックに帽子をかけない日々が続いた。
かけるようになった理由は「根負け」だ。
みんなしつこく指摘してくるもんだから「わかった。かけりゃいいんだろ」みたいな感じで渋々みんなの言い分をのんだのだ。さっきまであんだけ譲らなかったのに。
相手のしつこさにはある程度耐えることができるが、「こっちが折れるまで攻撃をやめないなこりゃ」と悟ったら前には出れないのが僕の弱さであった。
そもそも今回は自分が悪いのだが。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる