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おこぼれ話277 同じ空を見上げながら

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小6の時のある日の5分休み、学校の窓から景色を除いているとあるものが飛んでいることに気づく。
「あっ!飛行船だ!」
僕の一言に周りのクラスメイト達も窓の周りに集まる。空を飛んでいたのはスヌーピーの飛行船。メットライフアリコの飛行船だ。

この飛行船は当時日本で運行していた唯一の飛行船だったそうだ。当時はこの飛行船にスヌーピー達が乗るというCMも放送されていた。
昭和の時代は広告手段として多用された飛行船だが平成以降ではほどんど姿を消していた。
僕にとっても飛行船なんて札幌ドームで野球があるときに室内で飛ばしてる小型のやつしか見たことない、屋外を飛ぶ大型のやつは自分にとっては伝説上の存在、「未確認飛行物体」同然であった。
だからこそ物珍しさも相まって初めて本格的な飛行船を見れたことに大きな感動を覚えたのだ。

昭和の人間にとっては懐かしい存在であろうが、平成生まれにとっては新鮮な存在の飛行船。あの時僕以外のみんなも目をキラキラ輝かせながら空を見上げていたことから僕ら世代にとって飛行船というものが貴重な存在であったことは皆さまにとっても想像に難くないだろう。
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