リョーマ的Y2K子供文化史考

一刀星リョーマ

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第4部 漫画・出版史

個人的にド肝をぬかれたコロコロふろく伝~その6~

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ふたたびふろくの話題に入ろう。今回はじーさんのポスターふろく2つ。

まずは月刊コロコロ2006年7月号ふろくの「じーさん恐怖新聞」…某つのだ先生の名作を彷彿とさせるふろく名だが、これといって共通点はない。しいて言うならホラーという点のみ。
そう、タイトルから察せる通りこの新聞はギャグ漫画原作を逆手にとったホラーな新聞なのだ。
…といっても実態はホラーの仮面をかぶったギャグ丸出しの新聞。ズボンのポケットから手が出たというあからさまに合成丸出しな心霊写真、誰かを呪ってみたいというあなたのための「じーさん・校長悪魔塾」なる架空の広告…さらに「こわいよゲベ」という4コマはゲベとりゅぬぁってゃが対面した直後、ふたりの首がのびるというホラーを装ったギャグ丸出しの4コマ。
そして新聞下部には「恐怖新聞休刊のお知らせ」。その内容は「記事とかウソばっかだし、読者も飽きるし、こんな新聞来年はもうやめようよ…」という自虐丸出しなもの。
さらには大オチとして「劇場版 最強さんVSケシカス」として最強さんとケシカスの作品の垣根を超えた(ちなみにこれ以前に「じーカスくん」というじーさんとケシカスのコラボ漫画があった)コラボのニセ映画広告。「男にはやらなきゃならねえ時がある」とカッコつけたキャッチコピーの下に「※もちろんウソです。」とシメ。「ホラーじゃなくて”ホラ”じゃねーか!!」…孫がこの新聞を読んだらそうツッコむであろう。ギャグマンガを逆手にとったホラー要素をさらに逆手にとったおふざけ新聞というじーさんらしいイタズラ心が垣間見える付録であった。

次に月刊コロコロ2007年1月号ふろく「じーさん2007年大予言カレンダー」。文字通り2007年のカレンダーポスターという正月号にふさわしいふろくなのだが、タイトル通り日付の下にはじーさんによるその日の予言が描かれている。もちろん、じーさんの予言なんだからガチのものなわけなくデタラメそのもの。ポスター中央下部には占い師に扮したじーさんのイラストとともに「この大ウソ予言をキミは信じるか!?」との一言が。
ではその予言をいくつか抜粋してみると、「家のペットがピポサルに変身」「ひな人形の顔がゲベになる(この時の3月のイラストがゲベのひな人形)」「ビッパとパルキアの交換が成立(そういえばGTSにザコポケモン預けて伝説幻要求しているやつはかならずいたよな)」「ガリレオ(ちょうどこの号から始まったぼくはガリレオのこと)とガリガリ君がコラボする」「曽山先生の誕生日に地球が爆発する」など支離滅裂なモノのオンパレード。
数日続きの予言もあり、ある日の予言で「カービィに吸い込まれる」と書かれた翌日は「(カービィに)コピーされた能力は早歩き」というオチが。9月1日はこの年の同日が土曜だったため「脅威!まだ夏休みが続く」日曜だった翌2日は「夏休み延長を要求するデモが起きる」。その翌日3日は「あきらめて学校に行くでしょう」翌4日は「そろそろ冬休みを楽しみにする」と夏休み継続~終了ネタで脅威の4連弾。ちなみに北海道在住の自分は8月31日を前に夏休みが終わるという本州の人間とは別の苦しみを味わったクチなので「仮にそうなったら9月2日にデモを起こせる奴らがうらやましいぜ」なんて思って読んでたものだ。
他には「ベンキにペンキを塗る」なんてダジャレもあったが、シャレにならないものもあった。「オシムがオシメをつける」というもの。当然何気ないシャレ(それでもクレーム来ないか心配になるレベルだが)で当時は書いたと思うが、この年の11月にオシムは脳梗塞に倒れ、サッカー日本代表の監督を辞任。病に倒れてからホントにオシメをつけたかはわからないが、当たってはいけない予言が当たってしまったというべきか…
このほか、「日本一は広島東洋カープ」という皮肉っぽいの(当時のカープは5位が定位置の暗黒期で、この年も5位)もある。

おふざけ満載なのは予言だけでなく各月のイラストも。上記のひな人形だけでなく、1月はお年玉をあげる側のはずのじーさんがもらう側のはずの孫に対して「お年玉くれ!!」と催促したり、2月は節分の鬼の面をかぶったじーさんが巨大バレンタインチョコをもって孫に襲いかかる(2月3日の予言にも「2月の2大イベントがコラボする」というものが)4月は新1年生に扮したじーさんが入学式の行われる学校前で決めポーズ…と思いきや看板をよく見ると「”人”学式」というもの(この月の予言にも「入学式と思ったら人学式」というものが)。5月は校長が殴られるという季節感なしと思いきや、殴られた効果音が「ごがっ!」というシャレ…などネタに列挙がない。

さらには日付もおふざけ要素が。8月31日の後には多くの小学生が夢見るであろう「8月32日」が(道民の自分は32日を夢見れる道外のやつらがうらやましかった)。それだけならまだしも、12月の後には「13月」が。
1日は1月1日と同じく祝日で、「なぜだか正月気分になるでしょう」という予言。さらに1週間丸ごと祝日の週があり、先頭を飾るのは日曜日だが、その日は「日曜日の日」で「今日は休めるでしょう」という予言で、その翌日は「タレコミの日」で「難事件が解決する」というもの。
そして後半ではじーさんが孫に対して「13月は無いの!?」と聞いて「あたりまえじゃないか」と返され、最後はじーさんの頼みで孫が「ソンナ月ネ~ヨ」とツッコんでおしまい。

下部にはコラムとしてすべての日付ではないが「2008年」「紀元前5000年」「2035年」の予言も。
「紀元前5000年」の予言は「織田信長」や「今川義元」「チンギスハン」といった紀元前5000年に生まれてすらいない人たちの名前がなぜかあがり、極めつけは「車だん吉が自動車を発明」というシャレ(念のため言っておくが世界初の自動車である蒸気自動車が作られたのは1769年、世界初のガソリン車の誕生は1870年である。)。

2035年の予言は出だしこそ「タイムマシンで初詣へ」「キミの会社が上場する」という未来感あふれるものだが、最後のほうで投げやりになり、極めつけは12月31日で「未来のことなんかわかるかっ!」とミもフタもないフレーズでおしまい。

…たった1枚のポスターの中にここまでギャグを詰め込める。ふろくでもばっちり読者を笑わせてくれるじーさんと曽山先生に敬礼。
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