ターボモール札樽

一刀星リョーマ

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第3話 円盤を知らない子供たち~CDショップのとある日~

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今回の舞台はターボモール札樽小樽館2階、CDショップ「トーテムレコード」。
そして今回の主役は…
「ドモ!札幌でバンドボーカルやってます芦屋シンゴ25歳!メジャーデビューを夢見てここでバイトしています!」

「…にしても今日は日曜、それも春休みだってのに客足さっぱりだ…やっぱ配信全盛の時代だからだれもシーデーやデーブイデーなんて買わねえよなぁ…」
「お兄ちゃん!お客さんや店長が来たら聞こえちゃうでしょ!しっかりしなさい!あとシーデーとかデーブイデーとか言う人、某通販の社長以外で初めて見たわ!
…あっ、あいさつが遅れました!私はシンゴお兄ちゃんの妹のつぼみ、大学生です!お兄ちゃんと一緒にここでバイトしてます!」

「おっ!ここで約40分ぶりのお客様だ!…幼稚園ぐらいの娘とその母だな…」
「今日は誕生日プレゼントでかえでちゃんのCD買ってあげるわね!」
「わーい!ありがとうママ!ところでしーでぃーってなあに?」
「CDってのは音楽を聴くためのものよ。いつもはママのスマホからダウンロードして音楽を聴いてるけど今回のCDはアニメコラボのシール特典がついてるから今回はCDをプレゼントしまーす!」
「ありがとう!CDってどんな形かな~?」

つぼみ「あの子、CDの実物を見たことないんだ…今時の子ね…こうして考えると今の子供たちのうち結構な割合の子が一生CDやDVDとかの円盤に触らない人生を送るんだろうね…」
シンゴ「ほらな…やっぱ今は子供でも配信で聴くからCDは買わねえんだよ…まああの親子は買ってくれるみたいだからな。ところであの親子が言ってたかえでちゃんって誰だ?」
「知らないのお兄ちゃん?アイドルの秋元かえでのことよ!今アニメの主題歌も歌ってて子供番組のレギュラーもやってるから子供たちにも人気なの!お兄ちゃんこそ休みの日は楽器いじってる以外はアニメばっか観てるのに知らなかったの?」
「そんな言い方ないだろ!だいたいオレは基本ロックしか聴かないし、アニメだってSFとグロイやつしかほぼ観ないから…おっと、客がいるのにもめちゃいかんな…」

「え~とかえでちゃんのCDは…あった!これがCDか~なんか四角いな~!」
母親「ケースは四角いけど中は丸いのよ!」
シンゴ「どうやらお目当てのものを見つけたみたいだな!」
母親「すみませ~ん、これください!」
つぼみ「ありがとうございます!こちら1500円になります!」
母親「支払いは電子マネーで…」
その時、娘が踏み台からレジのシンゴをみつめ…
娘「ん~?…!やっぱりそうだ!」
母親「どうしたの!?急に向こうの売り場に行って…」

娘はあるCDをもってレジに戻ってきた。
「おにーちゃん!このCDの人でしょ!?」
「!それはオレのバンド”フレッチャーボーイズ”のCD!」
母親「あらお兄さん、バンドやってるんですね!」
「ま、まあ…まだインディーズですけど…」
「ママ~おにーちゃんのCDも買って~!」
「そうね…せっかくだからこっちも買っちゃいましょう!すみません、こっちもお願いします!」
シンゴ「ありがとうございます!…そうだお嬢ちゃん!誕生日って言ってたよな!これはにーちゃんからの誕生日プレゼントだ!」
シンゴは自分のCDにサインをした。
娘「なにこれ?落書き?」
「…いや、落書きじゃなくてこれはサインってモンだ。お嬢ちゃんぐらいの年じゃ落書きって思ってもしゃあないか…このCDは数年後お宝になるぞ!」
つぼみ「きちんとメジャーデビューできて売れればの話だけどねwこないだのライブだって数えるほどしか入ってなかったしw」
「一言余計なんだよ!」

娘「ありがとうお兄ちゃん!お礼にわたしの好きなアーティストを教えてあげるね!」
1位はかえでちゃん!そして2位は…」
シンゴ「2位は…」
「お兄ちゃんでーす!今日からファンになりましたー!
もしお兄ちゃんたちが頑張ってメジャーデビューできれば1位になるかもしれませーん!」
母親「それじゃあ、私もファンになろうかしら!これからも頑張ってくださいね!」
つぼみ「ファンが増えてよかったねお兄ちゃん!」
シンゴ「ありがとうございます!これからもこの店ともどもよろしくお願いします!」

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