ULTIMATE〜season1 (2020)JAPAN最後の砦

壱暉

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ULTIMATE〜JAPAN最後の砦

ULTIMATE〜JAPAN最後の砦第7話

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登場人物一覧
真島俊(26)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生 主人公
永野瑛二(26)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生
沖琉太(23)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生
上倉翔吾(23)…警衛隊西日本方面本部室口班所属隊員候補生
室口俊信(54)…警衛隊西日本方面本部室口班班長
長内貴也(34)…警衛隊西日本方面本部室口班副班長
福浦一生(39)…警衛隊西日本方面本部室口班狙撃主任
小倉通憲(50)…警衛隊西日本方面本部統括官
 ……………………………………………………………
2010年4月22日(日曜日)午後12時
家族連れが多いとある大阪府内の交差点で1台の大型トラックが突っ込む事故が発生した。するとそのトラックから、黒マスクを被った男達が銃を乱射しながら降りてきた。
その場は一瞬で悲鳴、血の海になった。
午後1時
そこにいた1人の大学生により府警本部に110番通報が入った。
府警本部はすぐに付近を巡回中のPC(パトカー)に出動命令を出し、府警本部内に犯人逮捕の指揮本部が設置された。
当時指揮を担当したのは府警本部捜査一課長の大友総一郎だった。
午後1時30分
出動した警察官も事件に巻き込まれ殉職者が出た。そこで大友は、大阪府警内で新たに創設された特別事案対策部隊(警衛隊の前身となる部隊)を現場に出動させた。当時隊長の室口俊信(44)は、犯人射殺命令を出した。
午後2時
まだ悲鳴が鳴り響く交差点に室口ら特別事案対策部隊が駆けつけた。
午後3時
次々と犯人を射殺していく中、残り1人となった時だった、室口に上倉義宣(上倉翔吾の父)から犯人を見つけたとの無線が入った。
「射殺だ」
「すいません、弾切れで」
「何だと?今どこだ?」
「駅近くの雑居ビルです」
「わかった」
室口は銃を構えると上倉達がいる雑居ビルが見える近くのビルの屋上に向かった。
屋上に着くと銃口を上倉達に向けた。「上倉、犯人から離れろ」
「了解」
上倉が離れると室口は心の中で3秒をカウントし、発射させた。

その時だった、突如犯人が走り出した。「待て」
上倉も急いで走り出した。
その時、上倉の胸に室口が発射させた弾丸が命中した。
「うっ…」その後犯人は、近くにいた警察官達に寄って取り押さえられた。
上倉は、そのまま近くの病院に搬送されたが既に帰らぬ人となっていた。
 ……………………………………………………………
「俺の父を殺したのは己龍会では無い、室口だ」
室口…自分達が所属する班の班長の名前が上倉の口から発せられた。
「どうゆう事だ?」真島が聞いた。
「あの時、室口がもっと早く射殺しとけばあんな事は起こらなかった」
その時、宿舎内に放送が流れ出した。
「緊急招集、緊急招集、基地内にいる隊員及び隊員候補生は、グラウンドに集合せよ」
放送が終わると真島達は急いでグラウンドに集合した。
「昨日起きた無差別殺傷事件の続きとも思える事件が起きた。」
そう言うと小倉は、全隊員、隊員候補生のスマホにとあるニュース映像を一斉送信した。
そのニュースには、関西、関東で無差別殺傷事件が起きたとの速報が流れていた。
「関東は、東日本方面本部の担当だ、我々、西日本方面本部は今関西で起きてる事件に出動し、犯人逮捕を行う、心して任務を遂行せよ」
その後小倉から、全ての班に担当する内容が発表された。
事件が起きてるのは西日本では、大阪、中京区、神戸、博多とどこも中枢都市だった。
博多は、西村班、木村班
神戸は、岡田班、牧田班
中京区(京都)は、倉田班、村谷班
大阪は、室口班、大津班の担当となった。
残った班は、本部からの指示担当など裏方の仕事担当となった。
午前9時
事件発生から1時間が経過した頃、警衛隊は一斉にヘリで出動した。
事件現場上空に着くと真島の目には、目を疑う光景が広がっていた。
「これ、被害者の数3桁以上じゃねーか?」
永野が呟いた。
「被害者の数が多すぎる」沖が呟いた。
「これから一斉に降下していく、我々室口班は犯人検挙だけを考えて行動しろ」
そう言うと室口はそのまま降下して行った。
室口に続いて真島達も一斉に降下して行った。
現場に降りると、真島は盾を片手で持ちながら走り出した。
「久しぶりに狙撃班の出番だな」
そう言うと福浦は、狙撃員達が乗っているヘリから体を乗り出し、銃口を現場に向けた。
その頃上倉は、現場付近の雑居ビルに入ると装備を外し、どこかに電話をかけた。
「俺だ、もう終わっていいぞ」そう言うと上倉は、電話を切った。

その頃、事件捜査に当っていた警視庁と大阪府警本部捜査一課は、犯行に及んだのは東京に本部を置く国内最大級の半グレ組織 鳶とみて警衛隊西日本方面本部、東日本方面本部に鳶の資料を送った。

「お、来た」
送られた資料に目を通した西日本方面本部川口班所属の隊員候補生の工藤哲也の目にまさかの事実が写った。
その資料の中には、上倉翔吾の名前と顔があった。
「まじかよ、上倉って鳶の総長って…」
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