ULTIMATE〜season11 (2051) 国防最前線

〓Mr.鷹党〓

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ULTIMATE 〜国防最前線

ULTIMATE 〜国防最前線第10話

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主要登場人物一覧
望月輝人(25)…3代目主人公 西部教育第2中隊所属 隊員候補生
片倉陵(20)…西部教育隊第1期第2教育隊所属隊員候補生
進藤翔馬(23)…西部教育隊第1期第2教育隊所属隊員候補生
大倉悠馬(24)…西部教育隊第1期第2教育隊所属隊員候補生
木原菜月(20)…西部教育隊第1期第2教育隊所属隊員候補生
水崎一躍(36)…ULTIMATE西部教育隊所属教官 第1期第2教育隊担当教官
室口翔平(58)…ULTIMATE総監本部所属 3代目総監
岸田正龍(37)…ULTIMATE総監本部所属 地方方面隊統括官
長内貴也(65)…西部教育隊隊長
和嶋幸道(40)…西部教育隊副隊長
……………………………………………………………
あれから1週間が経過した。
進藤はこれまで以上に訓練、授業に集中するようになった。
だがいつも頭の中には木原の存在があった。
木原は休学届けを教育隊に提出し今は休学扱いとなっている。
子育てなどひと段落終えたら教育隊に戻ってくるらしい。
そんなある日、進藤は1週間心の中で秘めていた思いをついに打ち明けることにした。
ある日、全ての授業、訓練が終わった夕方の5時、進藤は出動服のまま急いで寮に帰ると白い封筒を手に持った。
「飯行こーぜ」
「疲れたなー」
望月達が帰ってくると進藤は直ぐにそのまま部屋から飛び出した。
「何だ?あいつ」
大倉が呟いた。
進藤は封筒を持ったまま教育隊長室に向かった。
「失礼します」
ドアを3回ノックしそのまま隊長室に入った。
「進藤候補生か。どうした?」
長内は見ていた物を机の引き出しにしまいながら言った。
「これを提出しに来ました」
そう言うと進藤は机に封筒を置いた。
「除隊届け……。急にどうした?」
「俺、ここを辞めます。」
「なぜだ?成績トップの君がなぜ?このまま続ければ将来はきっと明るいぞ」
「国防よりももっと大事な目的があるからです。大好きな人を守りたい。菜月は今1人で壁に立ち向かってます。俺は国よりも菜月を守りたい。そう思ったんで…」
「なるほど」
「今までお世話になりました。では」
「進藤、水崎には伝えたのか?同期には伝えたのか?この事を。まさか黙って出ていくのか?」
「………訓練終わりであいつら、それどころじゃ無いでしょ。水崎教官には後日伝えます。」
「そうか…木原候補生は休学届けを今提出している所だ。つまりまた復帰する。その時にお前は何をする?ここでの仕事はきつい事ばかりだろう。そばにいてやらなくていいのか?今この場で休学届けを出して木原候補生と同じタイミングで復帰するというのもあるぞ」
「自分はこういうのに向いてないんすよ。組織とか。それに俺は国よりも護りたいものがある。愛する人を守っていきたい。彼女の先に現れる壁を撃ち砕く、そんな存在になりたい。彼らとはもう目的が違うんです。国防よりももっと大事な物が見つかったんで」
「……わかった」
「それでは」
進藤は隊長室を出るとそのまま部屋に戻りスーツケースに身の回りの物を入れ始めた。
「そうなんだよ。それでさあの野郎なんて言ったと思う?」
「なに?なんて言ったんだ?」
食事を終えた望月達が帰ってきた。
「おい、荷物まとめてどこに行くんだ?」
片倉が聞いた。
「まさか逃げんのか?」
大倉が聞くと進藤は頭を下げた。
「すまない。俺は国よりも守りたいものがある。だからここを辞める。今までありがとな」
そう言うと進藤はもう一度頭を下げた。
「女を追って辞めんのかー。へぇー。」
そう言うと片倉はベットに横たわった。
「お前が辞めてくれるおかげで体力課程は、俺が1位だな笑」
そう言うと大倉はソファーに腰掛けた。
「お前の人生だ。止めるつもりは無い。今まで短い間だったけどお前と過ごした日々は楽しかった。お前はいつも自習室にこもっては勉強したり1人で夜な夜な走り込みをしたり。俺はそれを見て頑張れた。あいつがあれだけやってるんだから俺もできるはず。そう思って頑張れた。ありがとな」
そう言うと望月は進藤と握手をした。
「ありがと……」
望月からの言葉に進藤は少量ながら涙を流した。
「お前は逃げるんじゃない。立ち向かって行くんだ。木原と2人でこれから一緒に立ち向かっていくんだ。分かったな?」
そう言うと大倉は進藤を抱きしめた。
「ここを離れても俺らはおまえを応援してる。いつでも頼ってこい」
そう言うと片倉はニヤリと笑った。
翌朝
進藤は所属していた第2教育隊のメンバーを目の前にし最後の挨拶をした。
そしてそのままスーツケースを手に持ち歩き出した。
その背中は以前よりも頼もしく見えた。
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