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ULTIMATE 〜INFECTION

ULTIMATE 〜INFECTION第5話

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主要登場人物一覧
蔵島壱成(21)…2代目主人公ULTIMATE中央指令部員
中島佑紀弥(21)…元警衛官 亜細亜連合メンバー
松浦風雅(21)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
長内貴也(54)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(25)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊長
室口翔平(44)…ULTIMATE3代目総監
福良啓示(31)…ULTIMATE総監秘書
岸田正龍(27)…警衛局中央監察部首席監察官
工藤哲也(47)…6代目総統
赤木龍一(35)…警衛局最高監察部主任
大野勝之(48)…警衛局航空警戒部隊隊長
 ……………………………………………………………
「今だ行け」
前方支援部隊にいた1人の隊員が声を上げた。
それを聞き主要部隊にた隊員達は前方支援部隊が開けた道を一斉に通り出した。
主要部隊が通っている間も銃撃戦は繰り広げられた。
中に入ると主要部隊員らは銃に手をやった。
「蔵島、指示を出してくれ」
「俺が…ですか?」
「ここからはお前が部隊統率をしろ。」
「俺たちはお前の指示で動く。」
「わかりました」
先輩隊員達に言われ蔵島は防弾マスクを取り上を見上げた。
「有藤の迅速な身柄拘束、そして人質がいれば人質の救出そして……えっと……」
「落ち着け、蔵島。まずは全フロアの制圧だろ。この建物をまずは占拠しないと。話はそれからだ」
後ろから長内が言った。
「わかりました」
蔵島は長内に軽く頭を下げた。
その時だった、前方から武装集団がやってきた。
「総員、戦闘態勢に入れ。成撃圏内に入るまで防御の姿勢を取れ」
長内が怒鳴った。
成撃圏内とは警衛隊用語で攻撃が確実に成功する圏内の事を表す。
圏内に入るまでは装備している小型の防弾盾、そして防弾マスクで自分の体を守ることを最優先に行う。
この時に重要なのは焦らないことだ。
ちょっとでも焦れば流れは一気に相手側に行ってしまう。それを防ぐためにも成撃圏内に入るまでは防御の姿勢を取ることが重要なのだ。
武装集団は発砲しながらゆっくりとやってきた。
「圏内に入った。総員、第2態勢(射撃態勢)に入れ」
長内が言うと蔵島達は小型の盾を構えたまま銃を構えた。
「第3態勢だ」
そう言うと長内はその場でしゃがんだ。それを見て隊員達は発砲を始めた。
1人が弾の補充を行えば後ろにいる隊員がすかさず前に進む。
チームとしての連携が重要だ。
「状況報告。02、建物内にて戦闘状況にあります。」
弾切れになった蔵島は無線で本部にいる赤木に連絡を送った。
「01了解。」
「くそ、弾切れか」
前から容赦なくやってくる武装集団を目の前に隊員達は次々と弾切れに陥った。
「弾切れした者は、第1(防御の姿勢)に戻れ。」
発砲しながら長内は大声で指示を送った。
数分後
長内も弾切れに陥った。
「くそ、俺もか」
そう言うと長内は小型の盾を構えながら背負っていたリュックサックを地面に置いた。そして発煙筒を出すと後ろに目をやった。
「発煙筒を今から投げる。俺が投げたらすぐに上の階に行け。敵を見つければすぐに発煙筒を投げろ。全員弾切れだ。銃に適う武器など無い。わかったな」
長内が言うと蔵島達は返事した。
「3.2.1。今だ」
長内は叫びながら発煙筒を投げた。
煙がもくもくと上がって行く。それを見て隊員達は次々と煙の中に入っていった。
2階
3階
次々と制圧して行きついに最上階にたどり着いた。
そしてとある部屋の前に着くと先輩隊員は小さく息を吐いた。
「やっとだな」
先輩隊員に言われ蔵島は小さく頷いた。
「蔵島、一気に行くぞ。準備は出来てるか?」
「はい」
「よし、行くぞ」
先輩隊員は一気に部屋のドアを開けた。
部屋では幹部らしき男たちが騒いでいた。戦いは全て下っ端に任せているのだろう。幹部達は、死んでいく仲間を気にもせず麻雀や、ゲーム。したい放題遊んでいた。
「警衛隊だ。お前らそこまでだ」
先輩隊員はそう怒鳴ると既に弾切れとなっている銃を構えた。
「は?まじかよ」
幹部達はざわつき出した。
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