上 下
5 / 11
ULTIMATE〜日本防衛戦線

ULTIMATE〜日本防衛戦線第4話

しおりを挟む
主要登場人物一覧
大石慶敬(26)…4代目主人公 国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
豊島敦也(26)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
新屋智輝(26)…天湾に拉致 身柄拘束中
甲賀彪馬(26)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
達司蓮(44)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
武隈紀久(45)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊主任
柴崎冬弥(29)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊天湾特命派遣中
滝藤誠弥(34)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊副隊長
河内慶六(52)…国家保安庁長官
睦月陸(49)…国家保安庁外事機動特別諜報部隊長
金条泰雅(20)…天湾陸軍第1憲兵団所属
…………………………………………………………………
「こいつ知ってるか?」
達司が新屋の写真を渡すと金条はすぐに頷いた。
「最高指名手配者。この国の中で1番拘束の優先度が高い手配者だ。」
金条が言うと大石が窓に目をやった。
「あの窓から見える高い塔。あそこがこの国の最高収容所と聞いた。合ってるか?」
大石が聞くと金条はまた頷いた。
「そこの警備は俺みたいな下っ端の憲なんぞに任せて貰えない。あそこの警備を任されるものは幹部憲兵がほとんどだ。近づくことさえできない。でも新屋はあそこに収容されているだろう。」
「ならさっさと乗り込もーぜ」
達司が言うと金条がすぐにとめた。
「生きて帰って来れると思うなよ。世界でもトップと言われている厳重な警戒態勢が敷かれている。簡単にのこのこと入れるような場所では無い。」
「この人数だけで行くとでも思ったか?」
そう言うと達司は、隣にいた豊島に目で合図を送った。
それを見た豊島はスマホを耳に近づけた。
「お疲れ様です。豊島です。新屋が収容されている場所がわかりました。」
「そうか。わかった。場所は?」
電話の相手は睦月だった。
「天湾最高収容所です。」
「根拠はあるか?そこにいるという絶対的な根拠が。こちらから部隊を派遣するとしても根拠が無ければ何もできない。今から部隊の派遣要請を出すが根拠が無いと上も動かんぞ」
「そうですよね。」
そう言うと豊島は達司にを目をやった。
「貸せ」
そう言うと達司は豊島からスマホを奪い取り電話に出た。
「睦月、俺だ。一刻も早く動いていくれ。時間が無いんだ。」
「わかってる。でも根拠……」
「根拠が無いと何も出来ないのか?」
「当たり前だろ。俺らが動くそれは日本が動くということだ。国際問題に発展するかもしれん。通常だと国会での承認がいるだろう。でもこれは緊急だ。承認を待たず独断で行くことになる。これで収容所に行ってみろ。何も無かったらどうするんだ?」
「お前も変わったな。上がそんなに怖いか?それなりの役職が与えられた途端に上の犬になる。情けねーよ」
そう言うと達司は電話を切った。
「もしかすると……」
ふと金条が呟いた。
「どうした?」
豊島が聞くと金条は少し表情を変えた。
「この国は今兵士不足で拉致した人をそのまま兵士として無理やり採用するという事が起きていて、もしかすると新屋もそれに該当してるんじゃ、」
「有り得るな。採用される部隊は決まっているのか?」
「バラバラですけど、国境警備隊につくことが多いです」
「そうか。」

「あいつ……」
電話が切れると睦月はその場で立ち尽くしていた。
「何かありました?」
滝藤が聞いてきた。
「天湾への部隊派遣を要請しよう。長官に連絡を入れといてくれ」
「は?いきなり何を?」
「新屋の収容されてる場所がわかったんだとよ。ま、根拠は無いらしいがな」
「根拠がない?そんなんで動ける訳」
「いいから早くしろ。」
「わ、わかりました」
睦月に言われ滝藤はすぐに長官室に向かった。
しおりを挟む

処理中です...