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警衛隊 装備品横流し事件
ULTIMATE〜CONNECT 最愛の君と 第2話
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主要登場人物一覧
喜多将吉(28)…9代目主人公 警衛庁航空科 航空科教育隊 班長 3等士官
来島美乃(27)…警衛庁民間採用事務員
来島琉季弥(25)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班付 2等隊士
佐脇江澄駕(22)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班付 隊士長
立塚恭士郎(22)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班付 隊士長
前倉蒼(33)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班長 2等士官
今西遙駕(26)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班長 3等士官
伊村零也(21)…警衛庁 西部方面隊 西部地区警務中隊所属 隊士長
小塚崇(25)…警衛庁 西部方面隊 西部地区警務中隊所属 隊士長
保科雄(40)…警衛庁 西部方面隊 西部地区警務中隊長 2等隊尉
小野村雄大(54)…警衛庁航空科 航空科教育隊長 2等幹士
窪塚遥也(28)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 3等士官
宮沖翔平(38)…警衛庁航空科 指令本部 主任総括官補佐 士官長
仲原賢都(45)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班 小隊長 1等士官
眞木淳(28)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 隊士長
湊都孝輔(26)…警衛庁航空科 航空科教育隊 教務部 人事運用幹部 2等隊尉
登梨昌磨(26)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 1等隊士
倉持英仁(46)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班 操縦要員 機長 士官長
松前幸弥(36)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班 操縦要員 副操縦士 2等士官
相模恭介(62)…警衛庁幕僚官房室 事務官 1等幹士 (定年延長)
藤浦恭介(25)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 1等隊士
原口皓太(24)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 2等隊士
寺塚篤信(53)…警衛庁航空科長 将補
森木翔哉(33)…警衛庁 幕僚官房室 事務次官 1等隊尉
清田幸隆(41)…警衛庁警務大隊理事官補佐官 2等隊尉
千景将(31)…警衛庁警務大隊 地区警務隊 統括管理官 士官長
北倉勇斗(33)…警衛庁運用科 部隊統括幕僚 1等隊尉
上倉翔汰(31)…警衛庁運用科 部隊統括幕僚 1等隊尉
沖矢蒼真(49)…警衛庁運用科 部隊運用室 第1事後処理調査小隊 小隊長1等将士
奥木奨真(25)…警衛庁運用科 部隊運用室 第1事後処理調査小隊 小隊主任 2等隊尉
千景遥暢(55)…警衛庁西部方面隊 総監 幕僚補
大岸智晴(55)…警衛庁12代目 幕僚総監
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………………
「こんなこと、俺は望んでない。俺はただ故郷と大切な人のために仕方なく……」
「おはよう。」
久しぶりの声に喜多はすぐに目を開けた。
「今日からでしょ?早く準備しないと」
美乃が言うと喜多はゆっくりと体を起こした。
「そうだな。今日からだっけか」
そう言いながらふと喜多は机に置いてあった結婚式場のパンフレットに目をやった。
「それ、」
喜多が呟くと美乃はすぐにパンフレットを机の中に入れた。
「結婚か、」
「年齢も年齢だなって思っただけ。気にしないで」
「ごめん。今仕事が忙しいんだ。」
「うん。」
「入隊して10年。教育の役職につかせてもらった。ずっと志願してやっと通った希望配属なんだ。ここはちょっと無理をしてでもやっていきたいっていうか」
「そうだよね。」
「けどその、なんて言うか、プライベートがどうでもいいとかそんなんじゃ無いからさ」
「付き合った時からわかってたよ。仕事優先になるって。気にしないで忘れて」
そう言うと美乃は寝室を後にした。
「そっかー。それはやばいっすね」
朝、出勤するなり喜多は今西に話しかけた。
「なんだろうな。やっぱ警衛官はプライベートと両立難しいんかなーって」
「それはあると思いますよ。なんせあそこにお手本のような人がいるじゃないすか」
そう言いながら今西は前倉を指さした。
「バツ3だっけか?」
「そうっすよ。それに今、養育費に追われてるらしいっす。だから俺は結婚いいかなーって。喜多さんはどうなんすか?結婚とか」
「考えてはいるけど、なんて言うか仕事が疎かになるのは嫌だしなーって感じかな?」
「真面目すぎなんすよ。喜多さん。もっとチャラけないとっしょ?」
今西が言うと湊都が部屋に入ってきた。
「喜多、ちょっといいか?」
「なんかあったんか?」
「ちょっと、ちょっと」
「わかったよ」
喜多はそのまま部屋を後にした。
「なんだよ。朝から」
喜多が聞くと湊都は軽く頷いた。
「今日から新しい班付が来た。」
「新しい?佐脇はどうした?」
「今、あいつ内偵調査受けてるらしくてな」
「内偵調査?なんで?」
「噂だけどな。警衛隊の装備品の横流し疑惑が出てるんだとよ。」
「あいつがか?」
「うん。」
そう言うと湊都はそのまま隊長室に入った。
隊長室に入ると制服に身をまとった琉季弥を見て喜多は思わず目を見開いた。
「なんでお前が?」
「驚いたろ?笑 こいつ警衛官になったんだよ」
小野村が言うと琉季弥は軽く頭を下げた。
「佐脇君に今、班付をお願いしてると思うんだが。彼にはしばらく班付業務から離れてもらうことになった。彼には急な上の人事決定だと告げている。」
「装備品の横流し事案ですよね。」
「そうだ。ここの教育隊でいくつか紛失してて警務隊が捜査に入った。そしたら捜査線上に佐脇を含めた5名の班付と3名の班長が出てきたんだとよ。」
「班付と班長がですか。」
喜多が言うと小野村は軽く頷いた。
「それでしばらく彼を班付として君につけようと思ってる。」
「わかりました」
喜多はその場で頭を下げた。
隊長室から退出し教官室へと向かってる最中、琉季弥は不意に口を開けた。
「姉貴のことどう思ってるんだ?」
「え?」
喜多は思わず咳き込んだ。
「あ、すまん。いきなり。いや仕事ばっかで姉貴のこと放ったらかしにしてんじゃねーかって思って」
「今忙しい時期なんだ。理解して貰えないのはわかるけど。」
「姉貴、警衛庁で民間採用の事務員なったらしいな。びっくりしたよ」
「ちょっとでも仕事を理解しようとしてくれてるんだ。それに答えないといけないとは思ってるんだけどな。」
「そうか」
そんな事を話しながら廊下を歩いていると2人組の学生が前からやってきた。
「お疲れ様です。」
学生らはその場で止まると同時に頭を下げた。
「おつかれ。こないだの中間試験お前ら成績悪かったろ?補修の件はどうなった?」
喜多が聞くと1人の学生が答えた。
「今西 班長にしていただくことになりました。」
「そうか。ここを頑張れば後は楽だ。部隊勤務なんて誰でもできっから。な?」
「はい」
「あ、それと横にいるやつを紹介してやる。今日からお前らの班付になった来島 2士だ。」
「来島打。よろしく」
「よろしくお願いします」
「もういいよ」
喜多が言うと学生達はそのまま教室へと向かった。
「なんかしっかりしてんな。」
琉季弥に言われ喜多は軽く頷いた。
「そうだな。航空科は割ときちんとしてるな。海上科だっけ?お前。」
「転科試験、ギリ合格ラインだったけどな笑」
「海上科は伝統がどうとかうるせーだろ?笑」
「入って1ヶ月は戦闘服なんて着させて貰えなかったからな。体操服で1日中、精神教育やらなんやらで体力錬成だった」
「そうか。やっぱり面白いな笑」
そう言いながら喜多は教官室に入った。
午前8時15分
始業ラッパーが鳴ると同時に喜多は教室に入った。
「気を付け、」
学生達が立ち上がると喜多は教室の外にいた琉季弥にこっちに来るように手を軽く振った。
「失礼します」
琉季弥が入ると学生らは敬礼しその場に座った。
「これから、新しい班付が君たちにつく。紹介する………」
喜多が話そうとすると琉季弥はそれを止めた。
「自分でここは。」
「そうか」
喜多は琉季弥に目をやりながら教壇から降りた。
「新しく赴任した来島 2士だ。班付だかどーとかそんなのはしない。班付は班長と学生のパイプ役であり、決して君たちの味方ではない。それだけは理解して欲しい。以上」
琉季弥が喜多に目をやると1人の学生が手を挙げた。
「なんだ?」
喜多が聞くと学生はその場に立ち上がった。
「あの、佐脇 隊士長が装備品の横流しをしていたという噂を聞きました。ここにいる奴、全員知ってます。真相を聞きたいです」
「真相、か、」
喜多が言うと琉季弥は学生に目をやった。
「真相なんて知る必要無いだろ。今日は朝礼だけだと聞いてる。1限目は格闘だ。0850に第1隊庭に集合しろ。以上だ」
そう言うと琉季弥は喜多を連れ部屋を出た。
「まさか真相知ってんのか?」
「なわけ。昨日、聞いたんだよ。装備品の横流し事案は。1週間前に装備品倉庫から階級章、部隊章、戦闘服、半長靴、それも2桁以上だ。んなものが無くなるなんてまー普通じゃ有り得んよな。あいつがなんでそんな事をするのか俺にはわからんが、」
「そうか」
「先入観を持つなよ。学生は純粋だからな。まだ民間人要素が濃い。あいつらは。丁寧に扱え」
「同じ警衛官の身分だ。丁寧に扱うとか俺は知らない。同等の身分として彼らを扱う。」
そう言うと琉季弥はそのまま教官室へと向かった。
その日の夜
午後10時
業務を終え自宅に帰るために佐脇は基地を後にした。
「あー」
疲れを吹き飛ばさせるために佐脇は軽く声を上げた。
「って変な奴か笑」
独り言を話しながら歩いていると後方から1台のセダンがゆっくりとやってきた。
セダンは佐脇のそばで止まると2人組の男がやってきた。
「警務隊の伊村って言います。佐脇 隊士長で間違いないですね?」
「え?警務隊?」
「装備品横流しについて詳しく話を聞きたい。連行させてもらうぜ」
そう言い伊村が佐脇の肩に手を触れた。
その時だった、佐脇は伊村の手を振り払い走り出した。
「小塚さん、」
伊村が怒鳴ると横にいた小塚はすぐに走り出した。
そして数十メートル先のコンビニで佐脇を取り押さえた。
喜多将吉(28)…9代目主人公 警衛庁航空科 航空科教育隊 班長 3等士官
来島美乃(27)…警衛庁民間採用事務員
来島琉季弥(25)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班付 2等隊士
佐脇江澄駕(22)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班付 隊士長
立塚恭士郎(22)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班付 隊士長
前倉蒼(33)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班長 2等士官
今西遙駕(26)…警衛庁航空科 航空科教育隊 班長 3等士官
伊村零也(21)…警衛庁 西部方面隊 西部地区警務中隊所属 隊士長
小塚崇(25)…警衛庁 西部方面隊 西部地区警務中隊所属 隊士長
保科雄(40)…警衛庁 西部方面隊 西部地区警務中隊長 2等隊尉
小野村雄大(54)…警衛庁航空科 航空科教育隊長 2等幹士
窪塚遥也(28)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 3等士官
宮沖翔平(38)…警衛庁航空科 指令本部 主任総括官補佐 士官長
仲原賢都(45)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班 小隊長 1等士官
眞木淳(28)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 隊士長
湊都孝輔(26)…警衛庁航空科 航空科教育隊 教務部 人事運用幹部 2等隊尉
登梨昌磨(26)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 1等隊士
倉持英仁(46)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班 操縦要員 機長 士官長
松前幸弥(36)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班 操縦要員 副操縦士 2等士官
相模恭介(62)…警衛庁幕僚官房室 事務官 1等幹士 (定年延長)
藤浦恭介(25)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 1等隊士
原口皓太(24)…警衛庁航空科 航空機動隊 第1陸上要員班所属 2等隊士
寺塚篤信(53)…警衛庁航空科長 将補
森木翔哉(33)…警衛庁 幕僚官房室 事務次官 1等隊尉
清田幸隆(41)…警衛庁警務大隊理事官補佐官 2等隊尉
千景将(31)…警衛庁警務大隊 地区警務隊 統括管理官 士官長
北倉勇斗(33)…警衛庁運用科 部隊統括幕僚 1等隊尉
上倉翔汰(31)…警衛庁運用科 部隊統括幕僚 1等隊尉
沖矢蒼真(49)…警衛庁運用科 部隊運用室 第1事後処理調査小隊 小隊長1等将士
奥木奨真(25)…警衛庁運用科 部隊運用室 第1事後処理調査小隊 小隊主任 2等隊尉
千景遥暢(55)…警衛庁西部方面隊 総監 幕僚補
大岸智晴(55)…警衛庁12代目 幕僚総監
階級
隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監
………………………………………………………………………
「こんなこと、俺は望んでない。俺はただ故郷と大切な人のために仕方なく……」
「おはよう。」
久しぶりの声に喜多はすぐに目を開けた。
「今日からでしょ?早く準備しないと」
美乃が言うと喜多はゆっくりと体を起こした。
「そうだな。今日からだっけか」
そう言いながらふと喜多は机に置いてあった結婚式場のパンフレットに目をやった。
「それ、」
喜多が呟くと美乃はすぐにパンフレットを机の中に入れた。
「結婚か、」
「年齢も年齢だなって思っただけ。気にしないで」
「ごめん。今仕事が忙しいんだ。」
「うん。」
「入隊して10年。教育の役職につかせてもらった。ずっと志願してやっと通った希望配属なんだ。ここはちょっと無理をしてでもやっていきたいっていうか」
「そうだよね。」
「けどその、なんて言うか、プライベートがどうでもいいとかそんなんじゃ無いからさ」
「付き合った時からわかってたよ。仕事優先になるって。気にしないで忘れて」
そう言うと美乃は寝室を後にした。
「そっかー。それはやばいっすね」
朝、出勤するなり喜多は今西に話しかけた。
「なんだろうな。やっぱ警衛官はプライベートと両立難しいんかなーって」
「それはあると思いますよ。なんせあそこにお手本のような人がいるじゃないすか」
そう言いながら今西は前倉を指さした。
「バツ3だっけか?」
「そうっすよ。それに今、養育費に追われてるらしいっす。だから俺は結婚いいかなーって。喜多さんはどうなんすか?結婚とか」
「考えてはいるけど、なんて言うか仕事が疎かになるのは嫌だしなーって感じかな?」
「真面目すぎなんすよ。喜多さん。もっとチャラけないとっしょ?」
今西が言うと湊都が部屋に入ってきた。
「喜多、ちょっといいか?」
「なんかあったんか?」
「ちょっと、ちょっと」
「わかったよ」
喜多はそのまま部屋を後にした。
「なんだよ。朝から」
喜多が聞くと湊都は軽く頷いた。
「今日から新しい班付が来た。」
「新しい?佐脇はどうした?」
「今、あいつ内偵調査受けてるらしくてな」
「内偵調査?なんで?」
「噂だけどな。警衛隊の装備品の横流し疑惑が出てるんだとよ。」
「あいつがか?」
「うん。」
そう言うと湊都はそのまま隊長室に入った。
隊長室に入ると制服に身をまとった琉季弥を見て喜多は思わず目を見開いた。
「なんでお前が?」
「驚いたろ?笑 こいつ警衛官になったんだよ」
小野村が言うと琉季弥は軽く頭を下げた。
「佐脇君に今、班付をお願いしてると思うんだが。彼にはしばらく班付業務から離れてもらうことになった。彼には急な上の人事決定だと告げている。」
「装備品の横流し事案ですよね。」
「そうだ。ここの教育隊でいくつか紛失してて警務隊が捜査に入った。そしたら捜査線上に佐脇を含めた5名の班付と3名の班長が出てきたんだとよ。」
「班付と班長がですか。」
喜多が言うと小野村は軽く頷いた。
「それでしばらく彼を班付として君につけようと思ってる。」
「わかりました」
喜多はその場で頭を下げた。
隊長室から退出し教官室へと向かってる最中、琉季弥は不意に口を開けた。
「姉貴のことどう思ってるんだ?」
「え?」
喜多は思わず咳き込んだ。
「あ、すまん。いきなり。いや仕事ばっかで姉貴のこと放ったらかしにしてんじゃねーかって思って」
「今忙しい時期なんだ。理解して貰えないのはわかるけど。」
「姉貴、警衛庁で民間採用の事務員なったらしいな。びっくりしたよ」
「ちょっとでも仕事を理解しようとしてくれてるんだ。それに答えないといけないとは思ってるんだけどな。」
「そうか」
そんな事を話しながら廊下を歩いていると2人組の学生が前からやってきた。
「お疲れ様です。」
学生らはその場で止まると同時に頭を下げた。
「おつかれ。こないだの中間試験お前ら成績悪かったろ?補修の件はどうなった?」
喜多が聞くと1人の学生が答えた。
「今西 班長にしていただくことになりました。」
「そうか。ここを頑張れば後は楽だ。部隊勤務なんて誰でもできっから。な?」
「はい」
「あ、それと横にいるやつを紹介してやる。今日からお前らの班付になった来島 2士だ。」
「来島打。よろしく」
「よろしくお願いします」
「もういいよ」
喜多が言うと学生達はそのまま教室へと向かった。
「なんかしっかりしてんな。」
琉季弥に言われ喜多は軽く頷いた。
「そうだな。航空科は割ときちんとしてるな。海上科だっけ?お前。」
「転科試験、ギリ合格ラインだったけどな笑」
「海上科は伝統がどうとかうるせーだろ?笑」
「入って1ヶ月は戦闘服なんて着させて貰えなかったからな。体操服で1日中、精神教育やらなんやらで体力錬成だった」
「そうか。やっぱり面白いな笑」
そう言いながら喜多は教官室に入った。
午前8時15分
始業ラッパーが鳴ると同時に喜多は教室に入った。
「気を付け、」
学生達が立ち上がると喜多は教室の外にいた琉季弥にこっちに来るように手を軽く振った。
「失礼します」
琉季弥が入ると学生らは敬礼しその場に座った。
「これから、新しい班付が君たちにつく。紹介する………」
喜多が話そうとすると琉季弥はそれを止めた。
「自分でここは。」
「そうか」
喜多は琉季弥に目をやりながら教壇から降りた。
「新しく赴任した来島 2士だ。班付だかどーとかそんなのはしない。班付は班長と学生のパイプ役であり、決して君たちの味方ではない。それだけは理解して欲しい。以上」
琉季弥が喜多に目をやると1人の学生が手を挙げた。
「なんだ?」
喜多が聞くと学生はその場に立ち上がった。
「あの、佐脇 隊士長が装備品の横流しをしていたという噂を聞きました。ここにいる奴、全員知ってます。真相を聞きたいです」
「真相、か、」
喜多が言うと琉季弥は学生に目をやった。
「真相なんて知る必要無いだろ。今日は朝礼だけだと聞いてる。1限目は格闘だ。0850に第1隊庭に集合しろ。以上だ」
そう言うと琉季弥は喜多を連れ部屋を出た。
「まさか真相知ってんのか?」
「なわけ。昨日、聞いたんだよ。装備品の横流し事案は。1週間前に装備品倉庫から階級章、部隊章、戦闘服、半長靴、それも2桁以上だ。んなものが無くなるなんてまー普通じゃ有り得んよな。あいつがなんでそんな事をするのか俺にはわからんが、」
「そうか」
「先入観を持つなよ。学生は純粋だからな。まだ民間人要素が濃い。あいつらは。丁寧に扱え」
「同じ警衛官の身分だ。丁寧に扱うとか俺は知らない。同等の身分として彼らを扱う。」
そう言うと琉季弥はそのまま教官室へと向かった。
その日の夜
午後10時
業務を終え自宅に帰るために佐脇は基地を後にした。
「あー」
疲れを吹き飛ばさせるために佐脇は軽く声を上げた。
「って変な奴か笑」
独り言を話しながら歩いていると後方から1台のセダンがゆっくりとやってきた。
セダンは佐脇のそばで止まると2人組の男がやってきた。
「警務隊の伊村って言います。佐脇 隊士長で間違いないですね?」
「え?警務隊?」
「装備品横流しについて詳しく話を聞きたい。連行させてもらうぜ」
そう言い伊村が佐脇の肩に手を触れた。
その時だった、佐脇は伊村の手を振り払い走り出した。
「小塚さん、」
伊村が怒鳴ると横にいた小塚はすぐに走り出した。
そして数十メートル先のコンビニで佐脇を取り押さえた。
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