ULTIMATE〜season10 (2039) INFECTION

壱暉

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ULTIMATE 〜INFECTION

ULTIMATE 〜INFECTION第9話

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主要登場人物一覧
蔵島壱成(20)…2代目主人公ULTIMATE中央指令部員
中島佑紀弥(20)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
松浦風雅(20)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊所属
長内貴也(53)…ULTIMATE中央指令部長
水崎一躍(24)…ULTIMATE緊急事案機動処理部隊長
室口翔平(43)…ULTIMATE3代目総監
福良啓示(30)…ULTIMATE総監秘書
岸田正龍(26)…警衛局中央監察部首席監察官
工藤哲也(46)…6代目総統
佐島篤大(31)…最高中央指令部長
 ……………………………………………………………
「なんでアイツらが」
「知り合いか?」
長内は1人の元亜連メンバーに聞いた。
「有藤派の連中です」
そう言いながら双眼鏡を横にした男の手が急に止まった。
「どうした?」
男の手が止まったのをみて松浦が聞いた。
「有藤です。有藤もいます」
「何だと?」
松浦は双眼鏡を奪った。
「まじじゃねーか」
「建物が複数あるな。蔵島、他の部隊に応援要請だ。2部隊ぐらい要請しといてくれ」
そう言うと長内は、無線機を持ったまま空き家に戻った。
蔵島からの応援要請を聞きULTIMATE第2実動部隊、第3実動部隊がやってきた。
「今から対象者の身柄発見作業を行います。遠方から建物の中に人影の有無など何でもいいので何か手がかりを探してください」
「わかりました」
蔵島は集まった隊員達に指示を送った。
蔵島から指示を受けた隊員達は、双眼鏡を手に持つと隊列を組みながら慎重に動き始めた。
「こちら第2実動、第1建物前到着。これより発見作業を開始する」
第2、第3実動部隊員らは双眼鏡を片手に建物に目をやった。
1個目 2個目 3個目
どの建物にも人影のようなものは見つからなかった。
残ったのは有藤の付近にある廃ビルだ。
「ここからじゃ見えねーな」
そう言うと1人の隊員が双眼鏡を持ちながらゆっくりと建物に近づいた。
その時だった
その隊員は首から大量の出血を出しながらその場に倒れた。
「仲間いんだろ?出て来いや」
有藤は怒号をあげながら拳銃を下ろした。
「隊員1名が襲撃を受けました。指示をくださ……」
無線連絡を送った隊員がまた撃たれた。
「逃げるぞ」
「だめだ。奴らを殺せ」
「やめろ。銃の使用許可はおりていない」
「そんなの言ってられるか?仲間が既に2人殺されたんだぞ」
その場は一瞬にして緊張が走った。
「う……」
また1人撃たれた。
「やめろー」
1人の隊員が声を荒らげながら銃を発砲し始めた。
しかしその隊員も有藤によって撃たれた。
その後
半数以上の死者を出し第2、第3実動部隊が空き家に戻ってきた。
その後
警衛局は、本隊とULを封鎖区域内に置き去りにしたまま主要部隊を本部に帰還させた。
そして同日、総統の工藤は封鎖区域内での上妻の身柄拘束を最大目標とし、亜細亜連合との戦争を始めると記者会見を通じて日本国民に告げた。
戦争、それも国内で行われる事に国民達は激しい怒りを国にぶつけた。国会議事堂、警衛局、警察庁と日本の中枢機関が次々と暴徒化した国民達によって襲撃され、2桁に登る死傷者、逮捕者が出た。
工藤による戦争発言から数日後、食料を含めた物資が本隊によって封鎖区域内にへと送られた。
何も知らされていなかった現場の隊員達は送られた大量の物資と武器を目にして、長期的な戦い、戦争を行うのだと初めて知らされることになった。
後にこの戦争は警亜戦争と呼ばれ、警衛隊が掲げる正義と亜細亜連合が掲げる正義がぶつかり合うことになる
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