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第2部
フェーズ7.9-6
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一般的には金曜日の夜からが週末という人が多いだろう。私にとっては土曜日に涼が帰ってきてからが週末だ。
結婚して初めての週末だというのに、涼は夜まで仕事だった。帰ってきてから一緒に晩ご飯を食べて、少しくつろいで、お風呂に入る。平日とあまり変わらない。違うのは明日が日曜日で休みということだ。夜はゆっくりできる。
「最近は毎日しないね」
ベッドで抱き合いながら、私の首筋に優しく愛撫を与えている涼に言った。一緒に住み始めたばかりの頃は、平日も休日も関係なく毎日してた。今も休日はするけど、平日は一回か多くても二回くらい。
「平日はゆっくりできないからさ」
体を起こして涼が続ける。
「疲れてるとあんまりもたないし。それじゃ彩も物足りないだろ?」
私は首を横に振った。物足りなさなんて今まで一度も感じたことはない。
「時間的にも精神的にも余裕のある週末にじっくりしたほうがいいと思って」
「そうだね」
無理はさせたくない。人の命を預かる大事な仕事に支障が出たら大変だ。
「飽きたと思った?」
「半分。もう半分は、疲れてるんだろうなって」
「そっちが正解」
安心して、私は涼の首に腕を回して抱きついた。
「週末にじっくり」、その言葉通りに時間をかけて丁寧に愛されてから、涼が入ってきた。感触を確かめるように、ゆっくりと押し広げながら。
「あぁ……っ!」
圧迫感で満たされると同時に快感が溢れる。
「こんなにいいのに、飽きるはずがない」
感じている私を見つめながら涼が言った。
「そう、なの?」
自分ではわからない。
「いつも絞り取られてるからな……」
動きが速くなっていき、体の奥を力強く突かれる。
「あっ……あぁっ」
そのとき、ふいに電話が鳴り始めた。現実に戻される。今は深夜だ。こんな時間にかかってくるということは、きっと病院だろう。呼び出しではないことを祈る。
最奥に埋めたまま腰を揺らすのをぴたりと止めて、涼はサイドテーブルのコードレスホンを取り上げた。
「神河です」
出た。この状態で、電話に出た。信じられない。せめて一旦抜いてほしかった。
私は声が出ないように両手で口を押さえた。動いてなくても深いところに収まってるせいで、じわじわしてくる。声はなんとか抑えられても、荒くなった呼吸はすぐには元に戻らない。息を押し殺して電話のやり取りを見守った。
涼はというと、私の上で冷静に受け答えをしている。二、三の質問をしながら普通に会話している。涼はよく繋がったまま普通に話すけどこのため? 訓練のたまものだった? 他の人との訓練の様子なんて想像したくないけれど。
「すぐ行きます」
電話を終えて涼が受話器を元に戻した。
「悪い、呼ばれた」
そんな、ここで中断ということ?
「んぁ……っ」
無慈悲に抜かれてしまった。涼は体を起こしてベッドの縁に座り、まだ役目を終えていないコンドームを外した。
「一人でなんてさせたくないけど、今日は仕方ない。してもいいよ」
私は半泣きで首を何度も横に振った。一人でだなんて。一人でだなんて! 一人でだなんて!!
「時間かかりそうだけど待ってる?」
涼は床から拾い上げた下着を穿き、クローゼットを開けた。
「うん」
だって眠れそうにない。私もベッドから身を起こした。布団を引き寄せて体を隠しながら、着替え中の背中に向かって訊ねた。
「涼は平気?」
「勃たせたまま行ってくる」
セクハラで訴えられそう。
「眠れそうだったら寝てて」
服を着た涼が私に言った。
「うん。気をつけて」
涼は寝室を出ていった。スリッパの足音が遠ざかる。玄関のドアが開く音が聞こえて、すぐに閉まった。
私は深いため息をつき、頭まで布団をかぶって背中を丸めた。ついさっきまで体を重ねていたのに、満たされる前に中断されてしまった。まだうずうずしてる。仕方ないとはいえ、このうずうずはどうしたらいいんだろう。
ベッドにいても鎮まりそうにない。起き上がって下着とパジャマの上だけを身につけた。
ホットミルクでも飲んで気分を落ち着かせよう。キッチンへ行き、冷蔵庫を開ける。マグカップに注いだ白い液体が、あれに見える。逆効果だ。それでも注いでしまったものは無駄にできないから、電子レンジで軽く温めたあと、中身を見ないようにして飲み干した。
運動でもして気分転換しよう。リビングに移動してスクワットを始めた。上下する腰があの動きを連想させて、これも逆効果だった。
どうかしている。とりあえずベッドに戻った。
さっきの電話は夜勤の看護師さんがかけてきたはずだ。新婚の涼に、それも週末の夜に電話をかけるのは、気が引けただろうな。ああいうタイミングでの電話は今後もあるかもしれない。看護師さんに気を遣わせないためにも、絶対にバレないようにしなければ。
涼は治まったかな。苦しんでる患者さんの顔を見れば嫌でも治まるだろう。それまでは、知らない。マンションの駐車場に向かう途中で、住人と鉢合わせしないことを祈る。オンオフの切り替えはしっかりしてる人だから、大丈夫だとは思う。出かける時点ですでに医者の顔になっていた。
時間かかりそうと言ってた。一時間や二時間では帰ってこないかも。いろいろ考えてたら少し気分が落ち着いてきた。このまま眠れる、かな。
結婚して初めての週末だというのに、涼は夜まで仕事だった。帰ってきてから一緒に晩ご飯を食べて、少しくつろいで、お風呂に入る。平日とあまり変わらない。違うのは明日が日曜日で休みということだ。夜はゆっくりできる。
「最近は毎日しないね」
ベッドで抱き合いながら、私の首筋に優しく愛撫を与えている涼に言った。一緒に住み始めたばかりの頃は、平日も休日も関係なく毎日してた。今も休日はするけど、平日は一回か多くても二回くらい。
「平日はゆっくりできないからさ」
体を起こして涼が続ける。
「疲れてるとあんまりもたないし。それじゃ彩も物足りないだろ?」
私は首を横に振った。物足りなさなんて今まで一度も感じたことはない。
「時間的にも精神的にも余裕のある週末にじっくりしたほうがいいと思って」
「そうだね」
無理はさせたくない。人の命を預かる大事な仕事に支障が出たら大変だ。
「飽きたと思った?」
「半分。もう半分は、疲れてるんだろうなって」
「そっちが正解」
安心して、私は涼の首に腕を回して抱きついた。
「週末にじっくり」、その言葉通りに時間をかけて丁寧に愛されてから、涼が入ってきた。感触を確かめるように、ゆっくりと押し広げながら。
「あぁ……っ!」
圧迫感で満たされると同時に快感が溢れる。
「こんなにいいのに、飽きるはずがない」
感じている私を見つめながら涼が言った。
「そう、なの?」
自分ではわからない。
「いつも絞り取られてるからな……」
動きが速くなっていき、体の奥を力強く突かれる。
「あっ……あぁっ」
そのとき、ふいに電話が鳴り始めた。現実に戻される。今は深夜だ。こんな時間にかかってくるということは、きっと病院だろう。呼び出しではないことを祈る。
最奥に埋めたまま腰を揺らすのをぴたりと止めて、涼はサイドテーブルのコードレスホンを取り上げた。
「神河です」
出た。この状態で、電話に出た。信じられない。せめて一旦抜いてほしかった。
私は声が出ないように両手で口を押さえた。動いてなくても深いところに収まってるせいで、じわじわしてくる。声はなんとか抑えられても、荒くなった呼吸はすぐには元に戻らない。息を押し殺して電話のやり取りを見守った。
涼はというと、私の上で冷静に受け答えをしている。二、三の質問をしながら普通に会話している。涼はよく繋がったまま普通に話すけどこのため? 訓練のたまものだった? 他の人との訓練の様子なんて想像したくないけれど。
「すぐ行きます」
電話を終えて涼が受話器を元に戻した。
「悪い、呼ばれた」
そんな、ここで中断ということ?
「んぁ……っ」
無慈悲に抜かれてしまった。涼は体を起こしてベッドの縁に座り、まだ役目を終えていないコンドームを外した。
「一人でなんてさせたくないけど、今日は仕方ない。してもいいよ」
私は半泣きで首を何度も横に振った。一人でだなんて。一人でだなんて! 一人でだなんて!!
「時間かかりそうだけど待ってる?」
涼は床から拾い上げた下着を穿き、クローゼットを開けた。
「うん」
だって眠れそうにない。私もベッドから身を起こした。布団を引き寄せて体を隠しながら、着替え中の背中に向かって訊ねた。
「涼は平気?」
「勃たせたまま行ってくる」
セクハラで訴えられそう。
「眠れそうだったら寝てて」
服を着た涼が私に言った。
「うん。気をつけて」
涼は寝室を出ていった。スリッパの足音が遠ざかる。玄関のドアが開く音が聞こえて、すぐに閉まった。
私は深いため息をつき、頭まで布団をかぶって背中を丸めた。ついさっきまで体を重ねていたのに、満たされる前に中断されてしまった。まだうずうずしてる。仕方ないとはいえ、このうずうずはどうしたらいいんだろう。
ベッドにいても鎮まりそうにない。起き上がって下着とパジャマの上だけを身につけた。
ホットミルクでも飲んで気分を落ち着かせよう。キッチンへ行き、冷蔵庫を開ける。マグカップに注いだ白い液体が、あれに見える。逆効果だ。それでも注いでしまったものは無駄にできないから、電子レンジで軽く温めたあと、中身を見ないようにして飲み干した。
運動でもして気分転換しよう。リビングに移動してスクワットを始めた。上下する腰があの動きを連想させて、これも逆効果だった。
どうかしている。とりあえずベッドに戻った。
さっきの電話は夜勤の看護師さんがかけてきたはずだ。新婚の涼に、それも週末の夜に電話をかけるのは、気が引けただろうな。ああいうタイミングでの電話は今後もあるかもしれない。看護師さんに気を遣わせないためにも、絶対にバレないようにしなければ。
涼は治まったかな。苦しんでる患者さんの顔を見れば嫌でも治まるだろう。それまでは、知らない。マンションの駐車場に向かう途中で、住人と鉢合わせしないことを祈る。オンオフの切り替えはしっかりしてる人だから、大丈夫だとは思う。出かける時点ですでに医者の顔になっていた。
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