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4章 交渉編
79話 召喚のいろは、相性を考えよう
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妖精種と精霊種を召喚し、それぞれ天狐とノームが魔法陣から出現した。
彼らの場所は今のところ保留にして対談部屋に移動させてある。
(今回召喚させる魔物の配置場所を考えるか、つくるかしないといけないなぁー)
案外、ダンジョンマスターもやることが多いなと思いつつも次の召喚を準備する。
「次は順番でいくなら天使種って事になるけどさ、ミリアちゃんの話によれば確か天族ってかなり少ないって聞いたけど……まあいいや、その辺はおいおいって事で」
管理画面を操作しチケットを使用して召喚を行うと金色の魔法陣が出現した。
金色の魔法陣が現れると黒い粘土状のモノが人の形を取り、それと同時に左右へ翼のようなものが伸び始めた。
最終的に大小二対の翼と真っ白な肌、髪は光沢のある薄緑色で、頭の上には光を放つ輪っかが見える。
身長はそこまで高くなく、華奢な体を包むのは真っ白いスカートと腰から燕尾服のようなものが下がっていて、手首に金色のリングから長い紐が二本ゆらゆらと浮遊していた。
右手には丸いクリスタルを境に柄と青い水晶の輝きを放つ刀身が特徴的な大剣を操るように浮遊させていた。
印象でいうと、真っ白い清楚なミニスカ天使と言ったところだろうか。
「お初にお目に掛かります。私、天族のリューエルと申します。これから主の力になれるよう頑張らさせてもらう所存にございます」
そう言ってリューエルは深く頭を下げてきた。
ゆらりとした動作はどこか神聖さを感じる。
「ああ、そんなに畏まらなくていいからね? 基本、まったりなダンジョンだからさここ。それと召喚早々で悪いんだけど、何ができるか教えてくれる?」
今後、このダンジョンの方針はまったりを主軸に行こうと思っているので、気を張るだけ疲れると言っておいた。
それと名持ちらしいので能力について聞いてみることにした。
「それではお言葉に甘えまして。基本、魔法全般が得意でして大概の魔法なら行使することができます。種族柄、神聖魔法を最も得意としていますので、治癒や浄化それに裁きや降臨と言った神聖魔法に関する事なら任せて下さい。それと――」
その後もリューエルの詳しく丁寧な説明が長々と続き、終いには右手に浮かんでいる剣についても説明し始めた。
青い刀身の剣は由緒ある武器らしく天族にしか扱えないとのこと。
名を『蒼天ミナリス』といい、魔を滅する聖剣で常に触れていると幾重もの支援魔法が受けられらしい。
「――それにこの蒼天ミナリスには特殊な能力がありまして、切ったモノの記憶の一部を消すというものがあります。無作為ですので何でもとはいきませんが、切り付ける度に記憶を消す事が可能という面白い特殊能力が備わっています」
にこやかに話すリューエルは実に楽しそうで、剣を愛おしそうに見つめている。
(これはあれだ、ヤバい奴だよ。記憶を消す剣を面白い能力って……こりゃー面倒な匂いがプンプンしてきた)
「リューエルちゃん、説明ご苦労。大体のことはわかったから、これからの配属先だけど……」
「私は主の御側がいいです」
(ご主人様のお側はスラリンのものです~)
リューエルの配属先を決めようとした時、本人があたしの側に居たいと申し出てきた。
だがそれと同時にスラリンが抗議するように念話を発してきた。
「そうですか、ならスラリン様の次に主の近い場所を希望します」
スラリンの念話を聞き残念そうな表情をするがその次に近い場所を希望してきた。
「近いところと言ってもなぁー、あっそうだ! ついでだからこのコア部屋を改装しようかな。そのついでにリューエルちゃんの場所も作ればいいか!」
名案を思い付き早速始めようと思ったが、その前に召喚を全部終わらしてからという事でお次の魔人種を召喚することにする。
「あぁリューエルちゃん、ちょっと悪いんだけどそこをどいてくれる? 今から召喚の続きをするからさ」
「これは気づかずに申し訳ありません。直ちに移動します」
リューエルは申し訳そうに頭を下げ、いそいそと隅へ移動したのを確認して管理画面を操作して魔人種を召喚する。
目の前に金色の魔法陣が現れ人の姿を形作っていく。
(今回の召喚アイテムは人の形をしてるけど、確定とかじゃないよね?)
暫くして現れたのはツバの部分が長い深緑色の帽子、緑がかった黒い燕尾服を纏った者だ。
顎下まで伸びる紫色の髪は後ろの部分だけが長くお尻の辺りまである。
服越しであまり分からないがそれでも自己主張する胸は大きく、スラッとした体格の魔人だ。
一番の特徴である大きめの帽子にはハート、スペード、ダイヤ、クローバーの刺繍があり、ツバの一部分には黒いキノコの装飾品が乗っかっていた。
「それで種族と名前を――」
「魔族に裁きをぉぉおおお!!」
あたしが魔人に問いかけようとした時、隅で待機していたリューエルが勢いよく飛び出し、右手の剣を大きく振り上げ叩きつけるように魔人へ切り掛かった。
ガキィィィイインンと鉄同士のぶつかり合う音が辺りに響きリューエルと魔人が切り結ぶ姿があった。
「やあ、リューエル久しぶりだね」
「よくもぬけぬけと、ここで裁きを受けなさい!!」
「それはごめん被りたいね!」
そう言って二人は睨み合うようにして話を進めていく。
彼らの場所は今のところ保留にして対談部屋に移動させてある。
(今回召喚させる魔物の配置場所を考えるか、つくるかしないといけないなぁー)
案外、ダンジョンマスターもやることが多いなと思いつつも次の召喚を準備する。
「次は順番でいくなら天使種って事になるけどさ、ミリアちゃんの話によれば確か天族ってかなり少ないって聞いたけど……まあいいや、その辺はおいおいって事で」
管理画面を操作しチケットを使用して召喚を行うと金色の魔法陣が出現した。
金色の魔法陣が現れると黒い粘土状のモノが人の形を取り、それと同時に左右へ翼のようなものが伸び始めた。
最終的に大小二対の翼と真っ白な肌、髪は光沢のある薄緑色で、頭の上には光を放つ輪っかが見える。
身長はそこまで高くなく、華奢な体を包むのは真っ白いスカートと腰から燕尾服のようなものが下がっていて、手首に金色のリングから長い紐が二本ゆらゆらと浮遊していた。
右手には丸いクリスタルを境に柄と青い水晶の輝きを放つ刀身が特徴的な大剣を操るように浮遊させていた。
印象でいうと、真っ白い清楚なミニスカ天使と言ったところだろうか。
「お初にお目に掛かります。私、天族のリューエルと申します。これから主の力になれるよう頑張らさせてもらう所存にございます」
そう言ってリューエルは深く頭を下げてきた。
ゆらりとした動作はどこか神聖さを感じる。
「ああ、そんなに畏まらなくていいからね? 基本、まったりなダンジョンだからさここ。それと召喚早々で悪いんだけど、何ができるか教えてくれる?」
今後、このダンジョンの方針はまったりを主軸に行こうと思っているので、気を張るだけ疲れると言っておいた。
それと名持ちらしいので能力について聞いてみることにした。
「それではお言葉に甘えまして。基本、魔法全般が得意でして大概の魔法なら行使することができます。種族柄、神聖魔法を最も得意としていますので、治癒や浄化それに裁きや降臨と言った神聖魔法に関する事なら任せて下さい。それと――」
その後もリューエルの詳しく丁寧な説明が長々と続き、終いには右手に浮かんでいる剣についても説明し始めた。
青い刀身の剣は由緒ある武器らしく天族にしか扱えないとのこと。
名を『蒼天ミナリス』といい、魔を滅する聖剣で常に触れていると幾重もの支援魔法が受けられらしい。
「――それにこの蒼天ミナリスには特殊な能力がありまして、切ったモノの記憶の一部を消すというものがあります。無作為ですので何でもとはいきませんが、切り付ける度に記憶を消す事が可能という面白い特殊能力が備わっています」
にこやかに話すリューエルは実に楽しそうで、剣を愛おしそうに見つめている。
(これはあれだ、ヤバい奴だよ。記憶を消す剣を面白い能力って……こりゃー面倒な匂いがプンプンしてきた)
「リューエルちゃん、説明ご苦労。大体のことはわかったから、これからの配属先だけど……」
「私は主の御側がいいです」
(ご主人様のお側はスラリンのものです~)
リューエルの配属先を決めようとした時、本人があたしの側に居たいと申し出てきた。
だがそれと同時にスラリンが抗議するように念話を発してきた。
「そうですか、ならスラリン様の次に主の近い場所を希望します」
スラリンの念話を聞き残念そうな表情をするがその次に近い場所を希望してきた。
「近いところと言ってもなぁー、あっそうだ! ついでだからこのコア部屋を改装しようかな。そのついでにリューエルちゃんの場所も作ればいいか!」
名案を思い付き早速始めようと思ったが、その前に召喚を全部終わらしてからという事でお次の魔人種を召喚することにする。
「あぁリューエルちゃん、ちょっと悪いんだけどそこをどいてくれる? 今から召喚の続きをするからさ」
「これは気づかずに申し訳ありません。直ちに移動します」
リューエルは申し訳そうに頭を下げ、いそいそと隅へ移動したのを確認して管理画面を操作して魔人種を召喚する。
目の前に金色の魔法陣が現れ人の姿を形作っていく。
(今回の召喚アイテムは人の形をしてるけど、確定とかじゃないよね?)
暫くして現れたのはツバの部分が長い深緑色の帽子、緑がかった黒い燕尾服を纏った者だ。
顎下まで伸びる紫色の髪は後ろの部分だけが長くお尻の辺りまである。
服越しであまり分からないがそれでも自己主張する胸は大きく、スラッとした体格の魔人だ。
一番の特徴である大きめの帽子にはハート、スペード、ダイヤ、クローバーの刺繍があり、ツバの一部分には黒いキノコの装飾品が乗っかっていた。
「それで種族と名前を――」
「魔族に裁きをぉぉおおお!!」
あたしが魔人に問いかけようとした時、隅で待機していたリューエルが勢いよく飛び出し、右手の剣を大きく振り上げ叩きつけるように魔人へ切り掛かった。
ガキィィィイインンと鉄同士のぶつかり合う音が辺りに響きリューエルと魔人が切り結ぶ姿があった。
「やあ、リューエル久しぶりだね」
「よくもぬけぬけと、ここで裁きを受けなさい!!」
「それはごめん被りたいね!」
そう言って二人は睨み合うようにして話を進めていく。
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