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4章 交渉編
90話 召喚主は威厳が足りないようです
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「なんだよかったぁ。それでエスタちゃんが探しているアイテムってどんなやつなの?」
杖ではないらしいが神の作りしアイテムが武器だけとは限らない。
極端な話、そこら辺に転がっている小石が、実は神様が作った物でしたっていうこともあり得るかもしれない。
「そうだな、何ていうかこう、これくらいの大きさの魔道具でな」
エスタへ質問すると両手で頭部よりちょっと多きな丸をつくって大きさを表現し始めた。
「名前は『七錬天月』という名前だ。効果は色々とあるがその中に時空を超える能力がある」
「時空を超えるってことは……」
「そうだ、お主が思っている通り時空を超えるとは、次元を行き来できる能力のことをさす」
説明によるとこのアイテム自体はそこまで強くはなく、装備者の能力を向上させるだけの魔道具らしい。
それでも他の魔道具とは比べものにならないほど強力で神アステルが作ったとされている。
見た目は、頭部よりやや大きいぐらいの球体状で七色に輝いているという。
「うむ、例えるならその祭壇の上にあるコアのような大きさで……七色に輝いていて…………」
エスタは何を思ったのかタマちゃんを見つめ驚きの表情をする。
確かに大きさ形状、色とか酷似しているが全くの別物だろうと思うがエスタの表情が急に真剣な顔つきに変わった。
取り敢えず、間違いがあってはいけないので先に釘を打つことにした。
「一応言っておくけど、あげないからね?」
「……しかし、この形この大きさ色といいまさにこんな感じの魔道具だ!!」
忠告が耳に入っていないのかダンジョンコアへと距離を詰めていくエスタ。
エスタが真剣な表情で近づいてくるので、ここはスラリンに任せることにした。
(スラリン、万が一の時はエスタちゃんを止めてね?)
(わかったです~お任せ下さいです~)
後も少しというところで停止してコアを見つめ、なにやら吟味しているようだ。
「やはり我の探しているアイテムではなさそうだ」
「まあそうだろうね、これダンジョンコアだし」
暫く見つめた後、大きな溜息をつくと元の場所へと戻って行った。
その後ろ姿は今までの苦労が滲み出ているようで、何れは手助けが出来たらなと考えたがダンジョンがこの有様ではそれも難しいと思った。
まず優先させるべきはダンジョンの修復と強化だろう。
一端話を戻すが、侵蝕者について大体の説明をエスタにしてもらいある程度理解した。
なぜ偶然にもこのダンジョンへ侵入してきたのかはわからないが、今後もまたもあるかもしれないとエスタは言う。
その為にも早急にダンジョン強化を計る必要があるだろう。
それにまだイベント報酬で貰った召喚チケットを消化していないので、一先ずはこっちらを先に済ませてからダンジョンを強化して行こうと思う。
「侵蝕者についてはある程度理解したよ。エスタちゃん、色々と説明ありがとね!」
「なに、礼には及ばんよ」
お礼を言うと胸を張り事も無げに告げるが少し嬉しそうだ。
「一先ずダンジョンの修理と強化が最優先だけど、その前に残りの召喚も済ませておこうと思う」
「召喚か? ほほぉー我は興味があるぞ!」
「じゃあ早速召喚するからその辺の場所空けてね」
丁度エスタが立っていた場所を指差し、今から召喚する為の場所を空けるよう促すといそいそと皆が移動して指定した場所に空間ができた。
早速、管理画面を開き操作してまずはリッチから召喚を始めることにした。
目の前の空間に眩い虹色を放つ魔法陣が現れるとエスタが興味気に覗き込み質問してきた。
「お主は召喚師か何かなのか?」
「どうしてそう思うの?」
「いや、これほど高位の魔法陣はそう見れるものではないからな! というよりまず扱える者がいないと言うべきか」
魔法陣にも召喚の難しさなどがあり、今目の前で展開されている魔法陣は扱える者はいないらしく、此方を訝し気に見つめてくる。
エスタを他所に召喚は進み最終段階まで来ると黒いマントを靡かせて現れたリッチ。
頭に大きな宝石が散りばめられた王冠を被っていて、漆黒のマントから時折覗くのは真っ白な骨だ。
「へぇ、これがリッチかぁ~思っていたよりすごく大きいね!」
リッチの背丈は2mは優に超えており、その所為か妙に圧迫感がある。
右手にはこれまた大きな杖を握って青いガラスのような目で此方を見据えてくる。
「お前が召喚者か?」
「うん、そうだけど?」
「ふっ、まさかこんな弱そうな奴に召喚されるとは、余も老いたようだな」
エスタが現れた時同様、此方を見るなり弱そうだとか小さいだとか言いたい放題だ。
(やはりここはメデュクにご登場いただくしかなさそうだね)
操作してメデュクを取り出すとこれまたエスタの時と同じ反応をしたリッチを見て少々飽きを感じてしまった。
エスタが念話で色々説明をしてくれる中に、高位の存在には神の作りしもののオーラを感じ取ることができるらしい。
目の前で膝を折って頭を下げているリッチに視線を向け質問していく。
杖ではないらしいが神の作りしアイテムが武器だけとは限らない。
極端な話、そこら辺に転がっている小石が、実は神様が作った物でしたっていうこともあり得るかもしれない。
「そうだな、何ていうかこう、これくらいの大きさの魔道具でな」
エスタへ質問すると両手で頭部よりちょっと多きな丸をつくって大きさを表現し始めた。
「名前は『七錬天月』という名前だ。効果は色々とあるがその中に時空を超える能力がある」
「時空を超えるってことは……」
「そうだ、お主が思っている通り時空を超えるとは、次元を行き来できる能力のことをさす」
説明によるとこのアイテム自体はそこまで強くはなく、装備者の能力を向上させるだけの魔道具らしい。
それでも他の魔道具とは比べものにならないほど強力で神アステルが作ったとされている。
見た目は、頭部よりやや大きいぐらいの球体状で七色に輝いているという。
「うむ、例えるならその祭壇の上にあるコアのような大きさで……七色に輝いていて…………」
エスタは何を思ったのかタマちゃんを見つめ驚きの表情をする。
確かに大きさ形状、色とか酷似しているが全くの別物だろうと思うがエスタの表情が急に真剣な顔つきに変わった。
取り敢えず、間違いがあってはいけないので先に釘を打つことにした。
「一応言っておくけど、あげないからね?」
「……しかし、この形この大きさ色といいまさにこんな感じの魔道具だ!!」
忠告が耳に入っていないのかダンジョンコアへと距離を詰めていくエスタ。
エスタが真剣な表情で近づいてくるので、ここはスラリンに任せることにした。
(スラリン、万が一の時はエスタちゃんを止めてね?)
(わかったです~お任せ下さいです~)
後も少しというところで停止してコアを見つめ、なにやら吟味しているようだ。
「やはり我の探しているアイテムではなさそうだ」
「まあそうだろうね、これダンジョンコアだし」
暫く見つめた後、大きな溜息をつくと元の場所へと戻って行った。
その後ろ姿は今までの苦労が滲み出ているようで、何れは手助けが出来たらなと考えたがダンジョンがこの有様ではそれも難しいと思った。
まず優先させるべきはダンジョンの修復と強化だろう。
一端話を戻すが、侵蝕者について大体の説明をエスタにしてもらいある程度理解した。
なぜ偶然にもこのダンジョンへ侵入してきたのかはわからないが、今後もまたもあるかもしれないとエスタは言う。
その為にも早急にダンジョン強化を計る必要があるだろう。
それにまだイベント報酬で貰った召喚チケットを消化していないので、一先ずはこっちらを先に済ませてからダンジョンを強化して行こうと思う。
「侵蝕者についてはある程度理解したよ。エスタちゃん、色々と説明ありがとね!」
「なに、礼には及ばんよ」
お礼を言うと胸を張り事も無げに告げるが少し嬉しそうだ。
「一先ずダンジョンの修理と強化が最優先だけど、その前に残りの召喚も済ませておこうと思う」
「召喚か? ほほぉー我は興味があるぞ!」
「じゃあ早速召喚するからその辺の場所空けてね」
丁度エスタが立っていた場所を指差し、今から召喚する為の場所を空けるよう促すといそいそと皆が移動して指定した場所に空間ができた。
早速、管理画面を開き操作してまずはリッチから召喚を始めることにした。
目の前の空間に眩い虹色を放つ魔法陣が現れるとエスタが興味気に覗き込み質問してきた。
「お主は召喚師か何かなのか?」
「どうしてそう思うの?」
「いや、これほど高位の魔法陣はそう見れるものではないからな! というよりまず扱える者がいないと言うべきか」
魔法陣にも召喚の難しさなどがあり、今目の前で展開されている魔法陣は扱える者はいないらしく、此方を訝し気に見つめてくる。
エスタを他所に召喚は進み最終段階まで来ると黒いマントを靡かせて現れたリッチ。
頭に大きな宝石が散りばめられた王冠を被っていて、漆黒のマントから時折覗くのは真っ白な骨だ。
「へぇ、これがリッチかぁ~思っていたよりすごく大きいね!」
リッチの背丈は2mは優に超えており、その所為か妙に圧迫感がある。
右手にはこれまた大きな杖を握って青いガラスのような目で此方を見据えてくる。
「お前が召喚者か?」
「うん、そうだけど?」
「ふっ、まさかこんな弱そうな奴に召喚されるとは、余も老いたようだな」
エスタが現れた時同様、此方を見るなり弱そうだとか小さいだとか言いたい放題だ。
(やはりここはメデュクにご登場いただくしかなさそうだね)
操作してメデュクを取り出すとこれまたエスタの時と同じ反応をしたリッチを見て少々飽きを感じてしまった。
エスタが念話で色々説明をしてくれる中に、高位の存在には神の作りしもののオーラを感じ取ることができるらしい。
目の前で膝を折って頭を下げているリッチに視線を向け質問していく。
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