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夜、お風呂からあがると徹が音楽を聴いていた。
「徹さんも入ったら」
振り返った顔を見て、遥香は息を呑んだ。淳だ。
「久しぶり。元気だった?」
遥香はぎこちなく微笑む。「なんとか」
「徹はこれ買ってくれないのかなぁ?ああ、アダルトグッズって知ってる?」
「知識としては」
「遥香ちゃんも徹と使ってみたくない?」
「わたしはそういうのはいいです」
「ぷっ、そんなに真っ赤になっちゃって、可愛いなぁ。ところで、動画見てくれた?」
「いえ、見てないです」
「えー、そうなの?じゃあ、一緒に見ようよ」
「いえ、大丈夫です」
「だめだよ。一緒に見てくれないと襲いたくなっちゃうよ。俺、遥香ちゃんのこと大好きだからさ」
「美央は?美央のことが好きなんじゃないんですか」
「もちろん、美央は俺の恋人」
遥香はチクッと胸が痛んだような気がする。そんな自分にも驚いた。世界で一番自分を理解している人が、ちがう女性を好きとは。
勝手に涙があふれてくる。自分はいつだってそういう存在だ。取るに足らない置物のようなモノ。誰かが手に取るまでじっと待つだけ。埃をかぶっても虫が止まっても何もできない。地面に落ち、割れた瞬間に美央が現れたのか。美央が助けてくれたのか。都合の悪いことを彼女に押し付けて。
「遥香ちゃん、どうしたの」
まぶたにキスをされた。涙のしずくは吸われた。
「どうして美央が好きなのに、わたしにこんなことするの?」
「えっ、だって俺、遥香ちゃんのことも大好きだから。美央に焼きもち?なんか嬉しいなぁ。たくさん可愛がってあげるよ」
淳の手が伸び、ベッドにまた運ばれた。好きと可愛いを呪文のように繰り返し、顔中にキスの雨を降らせてきた。
舌で歯茎をなぞられ、指は胸を包むようになでていた。唇は顎から首へ、鎖骨と這いまわってくる。
「美央といつもこんなことしてるの?」
「どうかな。こんなに前戯に時間かけないかな。遥香ちゃんを大切に思ってるから。大事にしたいんだ。痛かったらいってね」
淳の指が下腹部を探りはじめた。徹とはちがう余裕のある動き。ちがっていながら、同一人物でもある。頭が混乱しそうだ。性器に顔をうずめた淳は目だけを向け、こちらの表情を伺っている。
ああ、徹さんはこんな目はしない。どうしてそんなに妖しい光をたたえることができるのだ。これは浮気なのだろうか。なんで淳にされるがままなのだろうか。
「ああ、遥香ちゃん、きれいだよ。たまらないよ」
彼は遥香の脚を開き、ペニスを挿入してきた。すでに潤い、淳をとらえて離さない。
淳の動きにあわせ、腰がバウンドする。徹の時よりも格段に気持ちがいい。自分が自分でなくなっていく。
淳はピストン運動を繰り返し、うわ言のように遥香を褒めちぎる。
徹とはちがう、甘いささやき。時にはからかうような、いじわるをいうような、緩急をつけた言葉に遥香の心は翻弄される。身も心もいじられ、夢見心地の中、二人でエクスタシーを迎えた。
「遥香ちゃん。可愛い。すごく良かったよ。キュッとしまってさ。ねえ、徹の時もあんな顔するの。すげー、色っぽかった」
遥香は恥じらう。徹には遠慮があって、素直に悦びを表したことがない。心までとろけるようなセックスは生まれて初めてだった。
「美央は、美央とのセックスはどうなの?」
「えっ気になる?じゃあ、動画一緒に見ようか」
徹とは見なかったものを、結局淳と見ることになった。
動画の中の美央はセクシーで積極的で淳と激しくからみあっている。二人の我が世の春を謳歌する姿に、見ているこちらが恥ずかしくなってくる。
淳の肩に隠れ、目をそらした。
「妬ける?」
「いじわる」
「遥香ちゃん、可愛い。大好き」
「美央のことも好きなんでしょ」
「選べないよ。二人とも大事な人。遥香ちゃん、俺の恋人になってくれる?」
「徹さんとつきあわずにってこと?」
「うーん、それは難しいよね。遥香ちゃんは徹とも恋人!」
「徹さんと美央は?」
「ああ、それもおもしろいね。せっかくだから、共有しようか」
なんだか、不思議な関係になってきた。身体はふたつ。人格はよっつ。総当たり戦だ。「そんなこと、徹さんが了解するとは思えない」
「どうだろうね。遥香ちゃん徹に聞いてみる?」
「そんなこと聞けない。淳さんに抱かれたこと、徹さんに知られたくない」
淳は遥香の頭を胸に抱く。
「可愛いなあ、遥香ちゃん。徹には黙っていようか。美央にも黙ってる?いや、バレちゃうね。でも美央は気にしないよ。美央も遥香ちゃんのこと大好きなんだから」
「美央は今きっと寝てるのよね。淳がいるのに現れないところを見ると。でも、いつ目を覚ますかわからない。怒ったらどうしよう」
「怒るわけないよ。逆に喜ぶんじゃないか」
「そうなの?」
「美央への伝言、動画に撮る?」
まだ心の準備ができていない。口では怒ってないといいながら、目が怖い人はいくらでもいた。同情して優しい言葉をかけながら、その実憐みのこもった目を向けられたこともある。言葉は心を映す鏡ではない。文字通りに受け取って、何度傷ついたことか。
遥香は淳の腰にしがみつく。
「徹さんに見られるかもしれない」
「そうだね。徹も、俺と遥香の関係を知ったらショックなんじゃないかな」
見たらどう反応するだろう。今ここで彼に見限られたら生きていけない。金銭的なものもさることながら、崖から突き落とされる寸前にしがみついた樹の枝のような人。大きな腕で引き寄せ、命を掴んでくれた。彼だって大変なのだろうに。
彼の機嫌を損ねたくない。嫌われたくない。やっと見つけた草原でくつろぐ自分たちに、突然の雷雨は必要ない。まがい物かもしれないが、安全なシェルターを踏み出す勇気がでなかった。
「ショックを受けるのも、受けないのも、どっちも怖い。徹さんに嫌われたくない」
「あはは、怖がりだなぁ。ねえ、どうせなら徹がしてくれないセックスしてみようよ」
「えっ?徹さんのしないこと?」
「恥ずかしいセックス。ああ、もちろん遥香ちゃんの気が乗らないことはしないよ。あと、美央にもしてないこと、いっぱいしてあげる」
淳はそういって遥香の女芯を時間をかけてじらすように舐め上げ、膣口に舌を入れてきた。ほんの入り口だけなのだが、指とちがう感触にキャッという声が漏れた。
「指挿れるね」 上体を起こし、キスをしながらじっと見下ろしてくる。「徹はこういうことする?」
「うん」
「ホントは徹にどうされたい?徹はどういうふうに触るの?して欲しいことある?」
指がリズミカルに内壁をまさぐる。
「エッチなこと言われるの好き?あれ、だんだん濡れてきた」
遥香の羞恥心をあおるように淳が言葉で攻めてくる。同時に身体がまた開いていく。自分はMっ気があるのだろうか。
「ああ、エロい顔になってきたね。ご褒美に何が欲しい?俺のしゃぶりたい?ああ。いやらしいなぁ、今何を想像したの?また濡れてきたよ。ぐちょぐちょだ。2本入っちゃったよ。ああ、糸ひいてる」
「いや、いじめないで」
「遥香ちゃん、可愛いねぇ。もっと感じさせてあげるよ。徹は淡泊だろう」
「ああん」
「もっと鳴いてよ。あー、ぞくぞするね」
「お願い、美央にしてないことをして」
気がつくと口走っていた。美央への対抗意識だろうか。
「ああ、その顔、とってもセクシーだ。興奮するよ。その前に徹にしてないことしてもらおうかな」
淳は猛った男根を遥香の前に突き出す。「さあ、咥えてごらん。ああ、またジワッと溢れてきたよ。エッチな下の口だ。さあ、早く、自分で手に取って」
遥香は言われたとおり、淳のペニスを口に含んだ。経験はあったが、何をどうやれば感じてくれるのか、皆目見当がつかなかった。淳が感じるやり方をひとつひとつ丁寧に教えていく。気持ちよくなってもらいたくて夢中でしゃぶった。
「ああ、遥香ちゃん、上手だよ。俺のを咥えて時々見上げる顔がエロ過ぎる。だめだ、我慢できない。もうイキそうだ」
淳は口から引き抜くと遥香のヴァギナに挿入してきた。
「ここだね。ここが感じるんだね。キュッキュしまるよ。フェラしてる時の顔も良かったけど、やっぱり挿れてる時の顔の方が何倍もいいね」
「いや、見ないで」
顔を隠そうとする遥香の両手を握り、「ああ、エロいよ。徹にもしてあげなよ。喜ぶよ」
「ああ。そんなこと、できない」
淳に両手の自由を奪われ、遥香はイヤイヤするように身体をよじった。何をいわれても快感に結びついてしまう。自分は淫らなのだろうか。
美央が自分から生まれたとするならば、自分にも性的快楽を追求する無意識の欲求があるはずなのだ。徹さんも同じなのだろうか。
淳の動きが与える悦楽が遥香を飲み込んでいき、もう何も考えられなくなった。
「徹さんも入ったら」
振り返った顔を見て、遥香は息を呑んだ。淳だ。
「久しぶり。元気だった?」
遥香はぎこちなく微笑む。「なんとか」
「徹はこれ買ってくれないのかなぁ?ああ、アダルトグッズって知ってる?」
「知識としては」
「遥香ちゃんも徹と使ってみたくない?」
「わたしはそういうのはいいです」
「ぷっ、そんなに真っ赤になっちゃって、可愛いなぁ。ところで、動画見てくれた?」
「いえ、見てないです」
「えー、そうなの?じゃあ、一緒に見ようよ」
「いえ、大丈夫です」
「だめだよ。一緒に見てくれないと襲いたくなっちゃうよ。俺、遥香ちゃんのこと大好きだからさ」
「美央は?美央のことが好きなんじゃないんですか」
「もちろん、美央は俺の恋人」
遥香はチクッと胸が痛んだような気がする。そんな自分にも驚いた。世界で一番自分を理解している人が、ちがう女性を好きとは。
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「遥香ちゃん、どうしたの」
まぶたにキスをされた。涙のしずくは吸われた。
「どうして美央が好きなのに、わたしにこんなことするの?」
「えっ、だって俺、遥香ちゃんのことも大好きだから。美央に焼きもち?なんか嬉しいなぁ。たくさん可愛がってあげるよ」
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舌で歯茎をなぞられ、指は胸を包むようになでていた。唇は顎から首へ、鎖骨と這いまわってくる。
「美央といつもこんなことしてるの?」
「どうかな。こんなに前戯に時間かけないかな。遥香ちゃんを大切に思ってるから。大事にしたいんだ。痛かったらいってね」
淳の指が下腹部を探りはじめた。徹とはちがう余裕のある動き。ちがっていながら、同一人物でもある。頭が混乱しそうだ。性器に顔をうずめた淳は目だけを向け、こちらの表情を伺っている。
ああ、徹さんはこんな目はしない。どうしてそんなに妖しい光をたたえることができるのだ。これは浮気なのだろうか。なんで淳にされるがままなのだろうか。
「ああ、遥香ちゃん、きれいだよ。たまらないよ」
彼は遥香の脚を開き、ペニスを挿入してきた。すでに潤い、淳をとらえて離さない。
淳の動きにあわせ、腰がバウンドする。徹の時よりも格段に気持ちがいい。自分が自分でなくなっていく。
淳はピストン運動を繰り返し、うわ言のように遥香を褒めちぎる。
徹とはちがう、甘いささやき。時にはからかうような、いじわるをいうような、緩急をつけた言葉に遥香の心は翻弄される。身も心もいじられ、夢見心地の中、二人でエクスタシーを迎えた。
「遥香ちゃん。可愛い。すごく良かったよ。キュッとしまってさ。ねえ、徹の時もあんな顔するの。すげー、色っぽかった」
遥香は恥じらう。徹には遠慮があって、素直に悦びを表したことがない。心までとろけるようなセックスは生まれて初めてだった。
「美央は、美央とのセックスはどうなの?」
「えっ気になる?じゃあ、動画一緒に見ようか」
徹とは見なかったものを、結局淳と見ることになった。
動画の中の美央はセクシーで積極的で淳と激しくからみあっている。二人の我が世の春を謳歌する姿に、見ているこちらが恥ずかしくなってくる。
淳の肩に隠れ、目をそらした。
「妬ける?」
「いじわる」
「遥香ちゃん、可愛い。大好き」
「美央のことも好きなんでしょ」
「選べないよ。二人とも大事な人。遥香ちゃん、俺の恋人になってくれる?」
「徹さんとつきあわずにってこと?」
「うーん、それは難しいよね。遥香ちゃんは徹とも恋人!」
「徹さんと美央は?」
「ああ、それもおもしろいね。せっかくだから、共有しようか」
なんだか、不思議な関係になってきた。身体はふたつ。人格はよっつ。総当たり戦だ。「そんなこと、徹さんが了解するとは思えない」
「どうだろうね。遥香ちゃん徹に聞いてみる?」
「そんなこと聞けない。淳さんに抱かれたこと、徹さんに知られたくない」
淳は遥香の頭を胸に抱く。
「可愛いなあ、遥香ちゃん。徹には黙っていようか。美央にも黙ってる?いや、バレちゃうね。でも美央は気にしないよ。美央も遥香ちゃんのこと大好きなんだから」
「美央は今きっと寝てるのよね。淳がいるのに現れないところを見ると。でも、いつ目を覚ますかわからない。怒ったらどうしよう」
「怒るわけないよ。逆に喜ぶんじゃないか」
「そうなの?」
「美央への伝言、動画に撮る?」
まだ心の準備ができていない。口では怒ってないといいながら、目が怖い人はいくらでもいた。同情して優しい言葉をかけながら、その実憐みのこもった目を向けられたこともある。言葉は心を映す鏡ではない。文字通りに受け取って、何度傷ついたことか。
遥香は淳の腰にしがみつく。
「徹さんに見られるかもしれない」
「そうだね。徹も、俺と遥香の関係を知ったらショックなんじゃないかな」
見たらどう反応するだろう。今ここで彼に見限られたら生きていけない。金銭的なものもさることながら、崖から突き落とされる寸前にしがみついた樹の枝のような人。大きな腕で引き寄せ、命を掴んでくれた。彼だって大変なのだろうに。
彼の機嫌を損ねたくない。嫌われたくない。やっと見つけた草原でくつろぐ自分たちに、突然の雷雨は必要ない。まがい物かもしれないが、安全なシェルターを踏み出す勇気がでなかった。
「ショックを受けるのも、受けないのも、どっちも怖い。徹さんに嫌われたくない」
「あはは、怖がりだなぁ。ねえ、どうせなら徹がしてくれないセックスしてみようよ」
「えっ?徹さんのしないこと?」
「恥ずかしいセックス。ああ、もちろん遥香ちゃんの気が乗らないことはしないよ。あと、美央にもしてないこと、いっぱいしてあげる」
淳はそういって遥香の女芯を時間をかけてじらすように舐め上げ、膣口に舌を入れてきた。ほんの入り口だけなのだが、指とちがう感触にキャッという声が漏れた。
「指挿れるね」 上体を起こし、キスをしながらじっと見下ろしてくる。「徹はこういうことする?」
「うん」
「ホントは徹にどうされたい?徹はどういうふうに触るの?して欲しいことある?」
指がリズミカルに内壁をまさぐる。
「エッチなこと言われるの好き?あれ、だんだん濡れてきた」
遥香の羞恥心をあおるように淳が言葉で攻めてくる。同時に身体がまた開いていく。自分はMっ気があるのだろうか。
「ああ、エロい顔になってきたね。ご褒美に何が欲しい?俺のしゃぶりたい?ああ。いやらしいなぁ、今何を想像したの?また濡れてきたよ。ぐちょぐちょだ。2本入っちゃったよ。ああ、糸ひいてる」
「いや、いじめないで」
「遥香ちゃん、可愛いねぇ。もっと感じさせてあげるよ。徹は淡泊だろう」
「ああん」
「もっと鳴いてよ。あー、ぞくぞするね」
「お願い、美央にしてないことをして」
気がつくと口走っていた。美央への対抗意識だろうか。
「ああ、その顔、とってもセクシーだ。興奮するよ。その前に徹にしてないことしてもらおうかな」
淳は猛った男根を遥香の前に突き出す。「さあ、咥えてごらん。ああ、またジワッと溢れてきたよ。エッチな下の口だ。さあ、早く、自分で手に取って」
遥香は言われたとおり、淳のペニスを口に含んだ。経験はあったが、何をどうやれば感じてくれるのか、皆目見当がつかなかった。淳が感じるやり方をひとつひとつ丁寧に教えていく。気持ちよくなってもらいたくて夢中でしゃぶった。
「ああ、遥香ちゃん、上手だよ。俺のを咥えて時々見上げる顔がエロ過ぎる。だめだ、我慢できない。もうイキそうだ」
淳は口から引き抜くと遥香のヴァギナに挿入してきた。
「ここだね。ここが感じるんだね。キュッキュしまるよ。フェラしてる時の顔も良かったけど、やっぱり挿れてる時の顔の方が何倍もいいね」
「いや、見ないで」
顔を隠そうとする遥香の両手を握り、「ああ、エロいよ。徹にもしてあげなよ。喜ぶよ」
「ああ。そんなこと、できない」
淳に両手の自由を奪われ、遥香はイヤイヤするように身体をよじった。何をいわれても快感に結びついてしまう。自分は淫らなのだろうか。
美央が自分から生まれたとするならば、自分にも性的快楽を追求する無意識の欲求があるはずなのだ。徹さんも同じなのだろうか。
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