お笑い短編集

愛国文恵

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なぜ「虐められても耐える女」が量産されるのか

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美徳という名のМ女がなぜいるのか 
私のところにはそのМ女が複数います

「虐められても耐える」「理不尽でも我慢する」「傷ついても笑顔でいる」。
それを見て、どこかで男たちはこう呟く。
――ああ、あれはマゾだ、と。

だが本当にそうだろうか。実態は快楽嗜好ではなく、**教育と慣習が作り上げた“耐久装置”**ではないのか。

日本社会は長らく、女にこう教えてきた。空気を読め。波風を立てるな。我慢は美徳だ。怒る女は面倒くさい。自己主張する女は可愛くない。
耐え抜いた女こそ「いい女」だ、と。

結果どうなったか。蹴られ殴られても「私が悪かったのかも」と考え、軽視されても「期待されている証拠」と解釈し、
理不尽な扱いにも「愛情の裏返し」と意味付けする。SMはまさにその典型だ

これはマゾヒズムではない。自己防衛のための意味変換だ。

人は、逃げられない環境では「これは価値がある」と思い込まないと精神が壊れる。会社でも家庭でも恋愛でも、日本は「逃げたら負け」の社会だ。
逃げられない者ほど、痛みに意味を与えるしかない。
それを外野が指さして笑う。 「ほら、虐められて喜んでる」と。

卑怯なのは誰だ。男社会は、この構造を都合よく利用してきた。
強く出れば折れる。冷たくすれば追ってくる。
怒らせても「私が悪かった」と戻ってくる。
これほど扱いやすい存在はない。

そして最後にこう言う。
「女ってマゾだよな」と。

違う。マゾにしたのだ。

しかもこの国は、被害者にすら責任を負わせるのが得意だ。「嫌ならやめればいい」「選んだのは自分でしょ」
「耐えられたんだから大丈夫だったんじゃない?」

耐えたことが、なぜ同意になるのか。沈黙したことが、なぜ快楽の証拠になるのか。

笑えないのは、ここまで仕上げておいて「最近の女は強くなりすぎた」と文句を言うところだ。
そりゃそうだろう。耐えさせすぎた反動が、今来ているだけだ。

本当の異常は、痛みに耐える女ではない。それを“美しい”“エロい”“従順だ”と消費してきた社会の方だ。

「虐められて嬉しい女」が多いのではない。虐めに意味を見出さないと生き残れなかった女が、多かっただけだ。(笑)

それをマゾと呼ぶのは簡単だ。だがその言葉は、加害の歴史を笑いに変える、
この国伝統の“責任転嫁芸”にすぎない。

いろいろ 理屈めいたことを書いたが これも一理だ
他方、理屈抜きで虐められて濡らす女がテンコ盛りでいるのもまた一理
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