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【千賀子を待ち受け】
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千賀子が心療内科のドアを出ると
歩道の向こう側。 前島が壁にもたれて立ってこちらを見ている
ここ数日には絶対に会うからなというメールを立夫から 送られていたからだ
十分にこれを予想していたのである
胸の奥が一気に締めつけられる。動悸が早くななる 逃げたい。
だが、足が前に出ない。 立夫は、千賀子を見つけた瞬間、すぐには近づかなかった。
その場に留まり、視線だけを向ける。
千賀子はそれが分かっているから、なお怖い。 追いかけてこないのに、逃げられない。 視線が合った。
次の瞬間、 千賀子の頬に、熱が一気に上がった。 息が浅くなる。
立夫が、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「千賀子さん 待ってたんですよ 僕は 銀行免職になったんですよ」
薄気味が悪いほどの 落ち着いた声だった
「えッ?」
千賀子は 立夫の顔を見た 怒っているのを抑えているような表情だ
千賀子は視線を落とし、鞄の持ち手を強く握った
「君が 人事にチクったことで 免職になっちまったよ、もう終わりだよ」
立夫は自嘲気味に笑った
「わ、私は 知らないです そんなことしてないです」
指先が震えているのか 千賀子がそれを抑えながら言った、。
「とぼけちゃってさ あなたしかいないじゃないか」
「・・・・」
「いいんだよ・・僕はね これだけ 嫌われたら もうあきらめようと思ってさ・・それを言いたくて
待ってたんです それで、 送った動画なんだけど 僕の顔が映ってるしそれを消してほしいんだ」
ネットで晒されたら困るだろ?」
「あれはもう消しました」
「ほお。消した?」
「はい 見てませんし あんないやらしいものは もう消しました」
「君さ 見てないものをなんでいやらしいとわかるんだ?」(笑)
「・・・・」
千賀子はうつむいて黙り込んだ
「確認したいので スマホ見せてくれない?」
立夫はあくまでも 丁寧に迫った
千賀子の手が 再びはっきりわかるほど震えている
「すみません まだ消してないので 今から消します」
と バッグから取り出しその動作にはいったところを いきなり奪い取った立夫
そしてメール欄を開き 覗きこむ
「君、これ 何回も見てるね・・閲覧履歴がそうなっているよ」
それは立夫のハッタリだった 閲覧回数などわかるわけがない。
「す、すみません。私が 私がみんな悪いんです」
と 急に千賀子はガクッと頭を垂れ 消え入るように詫びを繰り返し始めたのだ
歩道の向こう側。 前島が壁にもたれて立ってこちらを見ている
ここ数日には絶対に会うからなというメールを立夫から 送られていたからだ
十分にこれを予想していたのである
胸の奥が一気に締めつけられる。動悸が早くななる 逃げたい。
だが、足が前に出ない。 立夫は、千賀子を見つけた瞬間、すぐには近づかなかった。
その場に留まり、視線だけを向ける。
千賀子はそれが分かっているから、なお怖い。 追いかけてこないのに、逃げられない。 視線が合った。
次の瞬間、 千賀子の頬に、熱が一気に上がった。 息が浅くなる。
立夫が、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「千賀子さん 待ってたんですよ 僕は 銀行免職になったんですよ」
薄気味が悪いほどの 落ち着いた声だった
「えッ?」
千賀子は 立夫の顔を見た 怒っているのを抑えているような表情だ
千賀子は視線を落とし、鞄の持ち手を強く握った
「君が 人事にチクったことで 免職になっちまったよ、もう終わりだよ」
立夫は自嘲気味に笑った
「わ、私は 知らないです そんなことしてないです」
指先が震えているのか 千賀子がそれを抑えながら言った、。
「とぼけちゃってさ あなたしかいないじゃないか」
「・・・・」
「いいんだよ・・僕はね これだけ 嫌われたら もうあきらめようと思ってさ・・それを言いたくて
待ってたんです それで、 送った動画なんだけど 僕の顔が映ってるしそれを消してほしいんだ」
ネットで晒されたら困るだろ?」
「あれはもう消しました」
「ほお。消した?」
「はい 見てませんし あんないやらしいものは もう消しました」
「君さ 見てないものをなんでいやらしいとわかるんだ?」(笑)
「・・・・」
千賀子はうつむいて黙り込んだ
「確認したいので スマホ見せてくれない?」
立夫はあくまでも 丁寧に迫った
千賀子の手が 再びはっきりわかるほど震えている
「すみません まだ消してないので 今から消します」
と バッグから取り出しその動作にはいったところを いきなり奪い取った立夫
そしてメール欄を開き 覗きこむ
「君、これ 何回も見てるね・・閲覧履歴がそうなっているよ」
それは立夫のハッタリだった 閲覧回数などわかるわけがない。
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と 急に千賀子はガクッと頭を垂れ 消え入るように詫びを繰り返し始めたのだ
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