半グレ銀行マンの復讐と野望

愛国文恵

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大いなる復讐 3 疑惑の開発地

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二日目の夕方

明美と純子が、揃って支店長室のドアを叩いた。

「支店長、まだ調査中なんですけど……中間報告だけ、よろしいですか」

「ええで。なんかあったんか」

立夫は椅子にもたれたまま、二人を見た。

「播磨興産が進めてる、○○駅前の建売予定地ですです
 国有地の払い下げ絡みで、かなり大規模に動いてますよね」

「ほう……あそこか。で?」

明美が、無言で資料を机に並べた。法務局の登記簿、開発許可書の写し、それに数枚の現地写真。

立夫は写真を手に取った。

「……入口、赤線か」

写真には、真新しいアスファルト。白線まで引かれた、幅員六メートルの道路が写っていた。

「で? どこがおかしいんや」

「だって……」

純子が言葉を継ぐ。

「赤線いうたら、普通は二メートルちょっとです。良くて二・五。それが、どう見ても六メートルあります」

「隣接地を買収して、拡げたんやろ」

立夫はそう言いながらも、写真から目を離さなかった。

「それが……不自然なんです」

明美が続ける。

「買収したなら、その分は分筆されて “道路用地”として整理されてるはずです。
 でも、登記を見ても、道路として本登記されていません」

「……ほう」

立夫は登記簿を手に取った。



「これですよ」
 仮登記とあった 本登記は……まだ、されてません」

立夫は、三つの書類を交互に見た。

――ピン、と来た。

「……仮のままで、許可出しとるな」

誰も言葉を発せんかった。

「これ、洒落にならんで」

立夫は低く言った。

「進入路が他人地。 しかも仮登記のまま。それを前提に開発許可……
 銀行が知ったら、金は止まる 案件やで」

「ですよね」
「もうひとつあります」と純子が指さした 


「この赤線里道、開発許可の図面では“幅員六メートル”で描かれてます。
 でも……官民境界協定の日付が、開発許可より後になってます」

一瞬、室内の空気が止まった。

立夫は、ゆっくりと視線を上げた。

「……なんやて?」

明美がすかさず、指で日付を示す。

立夫は、ふっと笑った。

「……おまえら、ナニモンや?」

二人は顔を見合わせて、照れたように笑う。

「それにしても これだけの調査は プロ顔負けやな」
 立夫は 目を細めて二人を見た 

純子が、静かに言った。

「おかしい、と思っただけです。
 六メートルの赤線は……
 どう考えても、無理がありますから」

立夫は、その一言を反芻するように、
もう一度写真を見た。

立夫は思わず 唸った こいつは・・決定打や・・
よし! いまからやらなあかんことある・・法務局にいこ!それから現地や
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