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4話 夢幻の墓所
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城の長い廊下は繊細な模様の藍色のジュウタンが敷き詰められていて、靴で踏んで歩くのに、貧乏性の元OLの私には罪悪感ハンパなかった。
壁の所々に絵画や彫刻が飾ってある。
絵画とか彫刻なんて、美術館にでも行かないとお目にかかれない。珍しさに私がきょろきょろと見回すのをサラさんが咳払いでいさめた。
窓から差し込むのは正午前の明るい陽射しのはずなのに、澱んだ空気の漂う廊下の雰囲気が重苦しく肌寒く感じる。
先を歩くサラさんの足運びは速い。病み上がりの私の息はすぐに上がってしまった。
サラさん、もっとゆっくり歩いて、って言葉をどうやって上品に言えるか私が頭を悩ませたところでサラさんが立ち止まって振り返る。
「この扉の向こう側に国王陛下はいらっしゃいます」
私はサラさんの言葉に違和感を感じた。
この扉の中、じゃなくて、向こう側?
ただの言い間違いだろうか。
目の前にある扉は豪華な装飾の、いかにも『王の部屋の扉』って感じだった。
「レーナ様、これをお持ちください」
サラさんが私に手渡したのは卵型の石。大きさも卵と変わらない。表面にびっしりと不思議な文様みたいな文字が書いてある。
「これは・・・?」
「これをお持ちいただければ魔力の影響を受けません」
・・・・・・・・・・・・
今・・・魔力、って言ったよね!?言ったよね!?ここ魔力がある世界なの!?
私が質問の砲火を浴びせようと口を開く前に、サラさんは王の部屋の扉を無言で開けた。
中にいるはずの王の許しもなく、サラさんがノックもせずに普通に扉を開けたのだ。
いつも規律正しいサラさんの無作法な所作に驚いて、私は質問をするのを忘れた。
「どうぞ、レーナ様」
サラさんに促されて、困惑しながらも私は王の部屋に足を踏み入れた。
ここは・・・?
私は呆けたように口を開けていた。
ありえない。
だって・・・ここは城の中のハズだ。
私の目の前には牧歌的な景色が広がっている。地平線には遠くの山並みが霞のように見える。
辺りは一面、彩りの花が咲き乱れた花畑で、そのすき間を縫うように、澄みきった小川が流れている。
どう見ても、外だ。
私は腰をおとし小川の水に触れてみた。
手は濡れていなかった。・・・幻?・・・これは幻覚?
「覚めぬ夢でございます」
いつの間にか横にサラさんが立っていて、そう呟くように言った。
夢?
ふと、花畑に人影が見えた。目を凝らすと、上品な身なりの男女が時々楽しそうな笑い声を上げながら花畑の小道を歩いている。
まるで絵に描いたような温かくて幸せな光景。
でも、なんだか胸がつぶされそうに痛みを感じるのはなぜなんだろう。
「夢なのですよ。ここは」サラさんはまぶしそうに顔をゆがめて言ったけど、たぶんそれは日差しのせいじゃない。
「国王陛下の夢なのです」
サラさんの視線の先には小道を歩く男女がいる。あれが・・・
「お父さま?」
サラさんは頷くと「お隣のかたが女王陛下・・・お母上です」
え・・・だって、女王は死んだって言ったよね・・・2年前に
「お亡くなりになりました」また私の心を読んだかのようにサラさんが答える。
私は目を細めて、遠くに見える男女を見た。
国王と連れだって歩く女性は、見事な金髪で琥珀色の瞳、うっすらと笑みを浮かべる赤い唇はレーナを少し大人にした感じだ。母親だと言われれば納得できる。
あれが、女王。2年前に亡くなったレーナの母親・・・
「国王陛下はそれは深く、深く女王陛下を愛されていたのです。それは・・・もう・・・正気を失うほどに」サラさんの口から洩れるのは言葉と言うより苦渋の呻きだった。
「女王陛下の死を受け入れられなかった国王陛下は魔法国、マグノリアから魔法使いを呼び寄せ、この部屋に魔法をかけたのです。幸せだった記憶の中で時を止めて生きる魔法を」
やっぱり魔法があるんだ、この世界は。頭の片隅にそれをしまって、「では、お父さまは2年もここに?」
サラさんが無言で頷いた。
国王はずっとこの部屋・・・いや、空間で、亡くなった女王の幻と暮らしているというのか。辛い現実から逃げて、幸せな幻の中で暮らしているというのか。
こんなにも、美しい場所なのに、心がきしむように痛いのは、ここが悲しみと絶望の礎でできた世界だからなのか。
幻は幻でしかないのに。
それでも縋りつきたいと思うほどに、人を愛するのはなんて悲しいんだろう。
私はとてつもない疲労感に襲われた。左手に握りしめた卵型の石が熱を持っているのに気がつく。
もし、魔力とやらの影響を受けるとしたら、私もここで、この空間で時を止めてしまうのだろうか。
幻の幸せの中に閉じ込められてしまうのだろうか。
そんなのは、本当の幸せじゃないのに。
「愛する人を失った悲しみや喪失感は・・・耐えられないくらいに辛いものだって・・・わかる。私にだってわかる・・・わかるけど」私はぼんやりと口にした。
「でも、時間がたてば、いつかは悲しみは癒え、愛しい人も思い出に変わるんだわ。人はそれまで耐えなければならないの。とんなに辛くても。時を止めてしまったら悲しみは悲しいまま。何も変わらない」
「レーナ様」サラさんが不思議なモノを見るような目で私を見ている。
私は慌てて口を押えた。
もしかして、私、なんか変なこと言った?
「お強いんですね、レーナ様は」フとサラさんが笑ったような気がした。あまりにも一瞬で、見間違いかもしれないけど。
サラさんに手を取られて、私は夢幻の花畑を後にした。
ここは、まるで城の中にある、国王と王妃の墓所のようだ。もう2度と私が訪れることはないだろう。
部屋で午後のお茶を飲みながら、私は保留していた質問をサラさんに投げかけた。
この世界には魔法があるのか?と。
「魔法はあります。ですが、それは『魔法使い』と呼ばれる特殊な種族だけが使えるチカラです。魔法使いの数はわずかで、彼らは普通の人間と交わることはしません。魔法使いだけの国、マグノリアから出ることはないのです」そこで、「普段は」とサラさんは言い添えた。
「王侯貴族より魔法の依頼があった場合はその国に赴き、魔術を施します」
「それ以外に魔法の国を出ることはないの・・・ですか?」私はおやつのアップルパイに似たケーキをフォークで切り分けながら尋ねた。
「ございません。国を出ることも、国の外で依頼以外の魔法を使うことも禁じられております。すべてはこの世界の理を乱さないためです」
そう。だよね、魔法だったら何でもアリだもんね。例えば死んだ人を生き返らせることだって・・・って!そうだよ!!
「お父さまはなぜお母さまを魔法で生き返らせなかったの!?自分に魔法をかけるより、お母さまを生き返らせたらよかったでしょ?」王の判断に不満げな声を上げた私に
「禁じられております」とサラさんが水を浴びせるように言う。
「魔法国の法律で『人を殺める危険のある魔法』と『人を蘇生させる魔法』は禁じられております」
人を殺める・・・のが禁止なのはわかる。戦争とかに使われたらインチキだもん。でも生き返らせるのもダメって・・・
「死んだ人間に生を与えるのは理を侵します。それに魔法術で生き返った人間は・・・魂がありません。動く屍です。毎日腐りゆく屍と暮らせますか?」
あっ。・・・・私の頭にグロいホラー映画が映し出された。街を練り歩く生きてる死体・・・うわ・・・やだ。
「体がまだ生きている状態で魂が離れているだけなら、戻せる術があるというのですが・・・女王陛下の体はすでに・・・」サラさんが首を振って目を伏せる。
すでに、手遅れだった。だから、国王は女王の幻と生きる選択しかなかったのか。
夢の中でなら女王は生きているのだから。
なんだか、やるせない。私はケーキといっしょに溜息を飲み込んだ。
でも、この世界に魔法があるなら。
私を元の世界に戻す魔法だってあるんじゃない?
私の頭にぱあっと希望の光が差し込んだ。
壁の所々に絵画や彫刻が飾ってある。
絵画とか彫刻なんて、美術館にでも行かないとお目にかかれない。珍しさに私がきょろきょろと見回すのをサラさんが咳払いでいさめた。
窓から差し込むのは正午前の明るい陽射しのはずなのに、澱んだ空気の漂う廊下の雰囲気が重苦しく肌寒く感じる。
先を歩くサラさんの足運びは速い。病み上がりの私の息はすぐに上がってしまった。
サラさん、もっとゆっくり歩いて、って言葉をどうやって上品に言えるか私が頭を悩ませたところでサラさんが立ち止まって振り返る。
「この扉の向こう側に国王陛下はいらっしゃいます」
私はサラさんの言葉に違和感を感じた。
この扉の中、じゃなくて、向こう側?
ただの言い間違いだろうか。
目の前にある扉は豪華な装飾の、いかにも『王の部屋の扉』って感じだった。
「レーナ様、これをお持ちください」
サラさんが私に手渡したのは卵型の石。大きさも卵と変わらない。表面にびっしりと不思議な文様みたいな文字が書いてある。
「これは・・・?」
「これをお持ちいただければ魔力の影響を受けません」
・・・・・・・・・・・・
今・・・魔力、って言ったよね!?言ったよね!?ここ魔力がある世界なの!?
私が質問の砲火を浴びせようと口を開く前に、サラさんは王の部屋の扉を無言で開けた。
中にいるはずの王の許しもなく、サラさんがノックもせずに普通に扉を開けたのだ。
いつも規律正しいサラさんの無作法な所作に驚いて、私は質問をするのを忘れた。
「どうぞ、レーナ様」
サラさんに促されて、困惑しながらも私は王の部屋に足を踏み入れた。
ここは・・・?
私は呆けたように口を開けていた。
ありえない。
だって・・・ここは城の中のハズだ。
私の目の前には牧歌的な景色が広がっている。地平線には遠くの山並みが霞のように見える。
辺りは一面、彩りの花が咲き乱れた花畑で、そのすき間を縫うように、澄みきった小川が流れている。
どう見ても、外だ。
私は腰をおとし小川の水に触れてみた。
手は濡れていなかった。・・・幻?・・・これは幻覚?
「覚めぬ夢でございます」
いつの間にか横にサラさんが立っていて、そう呟くように言った。
夢?
ふと、花畑に人影が見えた。目を凝らすと、上品な身なりの男女が時々楽しそうな笑い声を上げながら花畑の小道を歩いている。
まるで絵に描いたような温かくて幸せな光景。
でも、なんだか胸がつぶされそうに痛みを感じるのはなぜなんだろう。
「夢なのですよ。ここは」サラさんはまぶしそうに顔をゆがめて言ったけど、たぶんそれは日差しのせいじゃない。
「国王陛下の夢なのです」
サラさんの視線の先には小道を歩く男女がいる。あれが・・・
「お父さま?」
サラさんは頷くと「お隣のかたが女王陛下・・・お母上です」
え・・・だって、女王は死んだって言ったよね・・・2年前に
「お亡くなりになりました」また私の心を読んだかのようにサラさんが答える。
私は目を細めて、遠くに見える男女を見た。
国王と連れだって歩く女性は、見事な金髪で琥珀色の瞳、うっすらと笑みを浮かべる赤い唇はレーナを少し大人にした感じだ。母親だと言われれば納得できる。
あれが、女王。2年前に亡くなったレーナの母親・・・
「国王陛下はそれは深く、深く女王陛下を愛されていたのです。それは・・・もう・・・正気を失うほどに」サラさんの口から洩れるのは言葉と言うより苦渋の呻きだった。
「女王陛下の死を受け入れられなかった国王陛下は魔法国、マグノリアから魔法使いを呼び寄せ、この部屋に魔法をかけたのです。幸せだった記憶の中で時を止めて生きる魔法を」
やっぱり魔法があるんだ、この世界は。頭の片隅にそれをしまって、「では、お父さまは2年もここに?」
サラさんが無言で頷いた。
国王はずっとこの部屋・・・いや、空間で、亡くなった女王の幻と暮らしているというのか。辛い現実から逃げて、幸せな幻の中で暮らしているというのか。
こんなにも、美しい場所なのに、心がきしむように痛いのは、ここが悲しみと絶望の礎でできた世界だからなのか。
幻は幻でしかないのに。
それでも縋りつきたいと思うほどに、人を愛するのはなんて悲しいんだろう。
私はとてつもない疲労感に襲われた。左手に握りしめた卵型の石が熱を持っているのに気がつく。
もし、魔力とやらの影響を受けるとしたら、私もここで、この空間で時を止めてしまうのだろうか。
幻の幸せの中に閉じ込められてしまうのだろうか。
そんなのは、本当の幸せじゃないのに。
「愛する人を失った悲しみや喪失感は・・・耐えられないくらいに辛いものだって・・・わかる。私にだってわかる・・・わかるけど」私はぼんやりと口にした。
「でも、時間がたてば、いつかは悲しみは癒え、愛しい人も思い出に変わるんだわ。人はそれまで耐えなければならないの。とんなに辛くても。時を止めてしまったら悲しみは悲しいまま。何も変わらない」
「レーナ様」サラさんが不思議なモノを見るような目で私を見ている。
私は慌てて口を押えた。
もしかして、私、なんか変なこと言った?
「お強いんですね、レーナ様は」フとサラさんが笑ったような気がした。あまりにも一瞬で、見間違いかもしれないけど。
サラさんに手を取られて、私は夢幻の花畑を後にした。
ここは、まるで城の中にある、国王と王妃の墓所のようだ。もう2度と私が訪れることはないだろう。
部屋で午後のお茶を飲みながら、私は保留していた質問をサラさんに投げかけた。
この世界には魔法があるのか?と。
「魔法はあります。ですが、それは『魔法使い』と呼ばれる特殊な種族だけが使えるチカラです。魔法使いの数はわずかで、彼らは普通の人間と交わることはしません。魔法使いだけの国、マグノリアから出ることはないのです」そこで、「普段は」とサラさんは言い添えた。
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「それ以外に魔法の国を出ることはないの・・・ですか?」私はおやつのアップルパイに似たケーキをフォークで切り分けながら尋ねた。
「ございません。国を出ることも、国の外で依頼以外の魔法を使うことも禁じられております。すべてはこの世界の理を乱さないためです」
そう。だよね、魔法だったら何でもアリだもんね。例えば死んだ人を生き返らせることだって・・・って!そうだよ!!
「お父さまはなぜお母さまを魔法で生き返らせなかったの!?自分に魔法をかけるより、お母さまを生き返らせたらよかったでしょ?」王の判断に不満げな声を上げた私に
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「死んだ人間に生を与えるのは理を侵します。それに魔法術で生き返った人間は・・・魂がありません。動く屍です。毎日腐りゆく屍と暮らせますか?」
あっ。・・・・私の頭にグロいホラー映画が映し出された。街を練り歩く生きてる死体・・・うわ・・・やだ。
「体がまだ生きている状態で魂が離れているだけなら、戻せる術があるというのですが・・・女王陛下の体はすでに・・・」サラさんが首を振って目を伏せる。
すでに、手遅れだった。だから、国王は女王の幻と生きる選択しかなかったのか。
夢の中でなら女王は生きているのだから。
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