21 / 47
第1章〜塔の上の指揮者〜
第11話〜迎撃戦、開幕〜
魔物の群れが、草地を越えて迫ってくる。
だが――
その進路は、完全に“制御されていた”。
セリアの策により、森と村の境には防衛柵や遮蔽物が巧妙に配置され、
ただ“堰き止める”だけでなく――
“動線を限定し、迎撃効率を高める”構造が築かれていた。
魔物たちは誘導されるように、
ただ一筋の道を進んでくる。
それは――
迎撃のために作られた“狩り場”だ。
塔の最上階から見下ろす戦場。
俺の視界には、魔物たちの動きが光の軌跡となって浮かび上がっていた。
〈狙撃の詩〉――すでに発動済みだ。
敵の数。
移動速度。
予測軌道。
それらすべてが、“情報”として目に見える。
ただの命中補正じゃない。
これは――
戦場そのものを“把握”する力だ。
塔から見下ろす先。
一体の魔物が、岩陰から姿を現す。
その進路と、
斜面を上がる別の個体との交差地点が――赤く点滅した。
「三時方向、標的二体。距離五十――第一、第二、投げろ!」
唸りを上げて、石弾が飛ぶ。
命中。
一体は腹を撃ち抜かれ、もう一体は肩口を砕かれて転がった。
「やった……!」
「当たったぞ!」
歓声が上がる。
村人たちの目に、希望の光が灯る。
「次……九時方向、岩陰から一体。……まだ撃つな」
俺は動線を読み、赤線の明滅を見極める。
「今だ、撃てぇぇっ!!」
魔物が、悲鳴のような声を上げて崩れ落ちた。
この塔の上で、俺はただの号令を叫んでいるんじゃない。
今この戦場は、俺の“指揮”で動いている――!
「東側、倒木の先から三体!
隊列縦並び、真ん中を狙え!
第一射、投げ!」
一撃が命中し、隊列が崩れる。
「第二投、連携! 追い打ちを!」
連携の投石が炸裂し、敵は次々に倒れていく。
そのたびに――
村人たちの士気が、確かに高まっていった。
「すげぇ……ほんとに当たる!」
「いけるぞ! やれるぞ!」
魔物の数は減っていく。
ルートは制限され、迎撃の効率は最大限に高められていた。
セリアの布陣も、村人たちの訓練も――
すべてが、噛み合っている。
狭められた道を通って現れる魔物たちに対し、
投石班は次々と命中弾を叩き込む。
思った以上に、うまくいっていた。
命中率は高く、連携も取れている。
なにより――
村人たちの目に宿るのは、恐怖ではなく「手応え」だった。
(……このまま押し切れる……!)
そんな希望が、確かに芽生えていた。
◆◇◆ 次回更新のお知らせ ◆◇◆
更新は【明日12:05】を予定しております。
ぜひ続きもご覧ください。
よろしければ「お気に入り登録」や「ポイント投票」「感想・コメント」などいただけると、とても励みになります。
続きもがんばって書いていきますので、また覗いていただけたら嬉しいです。
◆◇◆ 後書き ◆◇◆
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
村人たち、まさかの大活躍。
投石器、まさかの精度。
ルノス、まさかの指揮官ムーブ。
──という感じで、
今回はタワーディフェンス系スカッと展開でした。
やればできる、俺たちのフェルザ村!
……ですが。
勝ちムードのときこそ、フラグの匂いがしませんか?
「いけるぞ!」
「やれるぞ!」
「押し切れる……!」
この三連コンボ、非常に危険です。
◆次回:静かなる異変
ええ、きっと静かに済むとは限りません。
ぬるっと忍び寄る“何か”に、ぜひご期待ください。
だが――
その進路は、完全に“制御されていた”。
セリアの策により、森と村の境には防衛柵や遮蔽物が巧妙に配置され、
ただ“堰き止める”だけでなく――
“動線を限定し、迎撃効率を高める”構造が築かれていた。
魔物たちは誘導されるように、
ただ一筋の道を進んでくる。
それは――
迎撃のために作られた“狩り場”だ。
塔の最上階から見下ろす戦場。
俺の視界には、魔物たちの動きが光の軌跡となって浮かび上がっていた。
〈狙撃の詩〉――すでに発動済みだ。
敵の数。
移動速度。
予測軌道。
それらすべてが、“情報”として目に見える。
ただの命中補正じゃない。
これは――
戦場そのものを“把握”する力だ。
塔から見下ろす先。
一体の魔物が、岩陰から姿を現す。
その進路と、
斜面を上がる別の個体との交差地点が――赤く点滅した。
「三時方向、標的二体。距離五十――第一、第二、投げろ!」
唸りを上げて、石弾が飛ぶ。
命中。
一体は腹を撃ち抜かれ、もう一体は肩口を砕かれて転がった。
「やった……!」
「当たったぞ!」
歓声が上がる。
村人たちの目に、希望の光が灯る。
「次……九時方向、岩陰から一体。……まだ撃つな」
俺は動線を読み、赤線の明滅を見極める。
「今だ、撃てぇぇっ!!」
魔物が、悲鳴のような声を上げて崩れ落ちた。
この塔の上で、俺はただの号令を叫んでいるんじゃない。
今この戦場は、俺の“指揮”で動いている――!
「東側、倒木の先から三体!
隊列縦並び、真ん中を狙え!
第一射、投げ!」
一撃が命中し、隊列が崩れる。
「第二投、連携! 追い打ちを!」
連携の投石が炸裂し、敵は次々に倒れていく。
そのたびに――
村人たちの士気が、確かに高まっていった。
「すげぇ……ほんとに当たる!」
「いけるぞ! やれるぞ!」
魔物の数は減っていく。
ルートは制限され、迎撃の効率は最大限に高められていた。
セリアの布陣も、村人たちの訓練も――
すべてが、噛み合っている。
狭められた道を通って現れる魔物たちに対し、
投石班は次々と命中弾を叩き込む。
思った以上に、うまくいっていた。
命中率は高く、連携も取れている。
なにより――
村人たちの目に宿るのは、恐怖ではなく「手応え」だった。
(……このまま押し切れる……!)
そんな希望が、確かに芽生えていた。
◆◇◆ 次回更新のお知らせ ◆◇◆
更新は【明日12:05】を予定しております。
ぜひ続きもご覧ください。
よろしければ「お気に入り登録」や「ポイント投票」「感想・コメント」などいただけると、とても励みになります。
続きもがんばって書いていきますので、また覗いていただけたら嬉しいです。
◆◇◆ 後書き ◆◇◆
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
村人たち、まさかの大活躍。
投石器、まさかの精度。
ルノス、まさかの指揮官ムーブ。
──という感じで、
今回はタワーディフェンス系スカッと展開でした。
やればできる、俺たちのフェルザ村!
……ですが。
勝ちムードのときこそ、フラグの匂いがしませんか?
「いけるぞ!」
「やれるぞ!」
「押し切れる……!」
この三連コンボ、非常に危険です。
◆次回:静かなる異変
ええ、きっと静かに済むとは限りません。
ぬるっと忍び寄る“何か”に、ぜひご期待ください。
あなたにおすすめの小説
WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!
TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。
その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。
競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。
俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。
その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。
意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。
相変わらずの豪華客船の中だった。
しかし、そこは地球では無かった。
魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。
船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。
ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ……
果たして、地球と東の運命はどうなるの?
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として
たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。
だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。
一度目では騙されて振られた。
さらに自分の力不足で全てを失った。
だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。
※他サイト様にも公開しております。
※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
【完結】不遇スキル『動物親和EX』で手に入れたのは、最強もふもふ聖霊獣とのほっこり異世界スローライフでした
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ブラック企業で過労死した俺が異世界エルドラで授かったのは『動物親和EX』という一見地味なスキルだった。
日銭を稼ぐので精一杯の不遇な日々を送っていたある日、森で傷ついた謎の白い生き物「フェン」と出会う。
フェンは言葉を話し、実は強力な力を持つ聖霊獣だったのだ!
フェンの驚異的な素材発見能力や戦闘補助のおかげで、俺の生活は一変。
美味しいものを食べ、新しい家に住み、絆を深めていく二人。
しかし、フェンの力を悪用しようとする者たちも現れる。フェンを守り、より深い絆を結ぶため、二人は聖霊獣との正式な『契約の儀式』を行うことができるという「守り人の一族」を探す旅に出る。
最強もふもふとの心温まる異世界冒険譚、ここに開幕!
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。