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Ⅱ‐54 人買いの村6
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■ストレージの中
俺は暇を持て余したので、ストレージで捕えているレントンームーアのお頭と暗い空間にランタンの明かりを挟んで向かい合っていた。
「それで、俺の周りがいきなり暗闇になったんだ。どうすれば、そんなことができるんだ?」
「それは影使いの仕業だな。首領の使いに影使いが何人かいるはずだ。女たちの調達もそいつらがやっている。それよりも、これはなんて言う食べ物なんだ?俺はこんな旨いものを食ったのは初めてだ」
ー影使い? 影で人間を包むことが出来るのか?
「そうか、それはエクレアっていうんだよ。レントンは甘いものが好きなのか?」
「甘いもの? うーん、どうだろう。そもそもそんなに食べたことが無いからな。糖の入ったものは貴重品だからな」
「じゃあ、他にも食べさせてやるから色々と教えてくれよ」
「ああ、良いぜ。どうせここから出られないなら、いろいろ食わせてくれよ。で、何が聞きたいんだ?」
レントンはこの環境の中で快適に生きていくことを選んだようで、非常に協力的になってくれた。
「首領の使いっていうのはその影使い以外に何人いて、どんな奴らなんだ?」
「はっきりした数は分からないな。あいつらは顔を変えることもできるからな、別人だと思っても同じやつかもしれない。ゲルドは古くからいる使いの一人だが、俺達のところに来ることは滅多になかった。あいつは殺し専門だと聞いたことがある」
―殺し専門、組織の暗殺者か・・・、後で話を聞いておこう。
「ありがとう、じゃあ、今度はアイスクリームを食ってみろよ。スプーンですくって食べるんだ」
ふたを開けたカップのアイスクリームとスプーンを目の前に浮かべてやると、レントンは躊躇わずにカップにスプーンを刺して口へ運んだ。
「痛いッ・・・て、違うな。甘い! 美味い! これはすごいな。変な感触のあとに口の中で溶けて甘さが広がるぞ!」
レントンはグルメレポーターのようにアイスクリームを堪能しているが、冷たいという表現がこの世界ではあまり使われていないようだ。
「他に手強い相手はいるのか?」
「ああ、間違いなく手強いのは“空使い”だな」
「空使い?って空を飛ぶということか?」
「そうだ、自らを飛ばすこともできるし、物や人を飛ばすこともできる。いきなり地面から足が離れたら何にもできないぜ」
―サイコキネシスってことかな? それとも半重力的な?
「どのぐらいの大きさを飛ばすことが出来るんだろう?」
「さあ・・・、俺が聞いた話では30人ぐらいをまとめて浮かせたことがあるらしいぞ」
―30人なら少なく見積もっても1500㎏は浮かせるんだろうな。浮かせるだけでなく飛ばしてぶつけてくるとかかな? だが、それだけで本当に手強いのか?
「他はどうなんだ?変な術を使うやつはいないのか?」
「うーん、はっきりと聞いたことがあるのはそれぐらいだな。奴らも滅多に姿は見せないからな。空使いも俺自身は見たことがない」
「わかった。色々とありがとう。お菓子とライトを置いていくから、少しずつ食べろよ」
「おい! もう行くのか?」
「ああ、また来るからさ」
「お・・・」
レントンの最後の声は聞かずに俺はゲルドの元に移動した。ゲルドは胸の上ぐらいまでの状態で復活が止まったままだった、空に現れた巨大サンショウウオを呼んだのはこいつだと睨んでいるのだが、正直に話すだろうか?
「よお、久しぶりだな」
「ああ、ここに居れば時の流れもわからんが、どれぐらいの時が流れたのだ?」
レントンにはランタンの光を与えたが、ゲルトは俺が来るまでの間は無音の暗闇で一人きり、もちろん食事も飲み物も無しだ。
「さあな、お前には“時”はもう関係ないよ。ここから永遠に出さないからな」
「・・・」
「だが、情報をくれるならたまには話をしに来てやってもいいぜ」
「・・・」
「そうか、まだ考える時間が必要なんだな。ゆっくりと考えてくれ。気が向いたら俺のほうから来てやるよ」
「・・・」
ゲルドと仲良くなるにはもっと時間が必要なようだ。焦っても仕方がないから、情報収集は先送りにしよう。根競べだが、俺に譲歩するつもりは一切なかった。
―しかし、情報を得てもこの中では使い道がないしな・・・
だが、捕えた死人との面談を終えてリビングに戻り、何気なしにストレージの外を見ると、既に暗闇がなくなっていた!
俺はすぐにストレージから出ると、出た場所はどうやら暗闇に捕らわれた森の中のようだ。そうすると・・・、崖があそこだからまずはあそこまで戻ってと・・・。眺めている方向から大声をあげて走ってくるミーシャが見えた。すごい勢いだが、何かあったのか?
「サトル! 無事か!?」
大声をあげながら華麗に走ってくるが、俺のことを心配してくれていたのか!?ミーシャはそのまま走ってきて俺の腕をつかんで上から下まで眺め倒した。これは抱きしめて良いタイミングでは無いのか?俺は至近距離でミーシャを見つめた、ミーシャの目は少しうるんでいるように見えた。
―これは!? 抱きしめるだけでなく、ひょっとしてキスが・・・
勇気を振り絞って腕を上げて、ミーシャの腰へ回そうとした・・・が。
「サトルー!」
また、森の入り口から大声が聞こえてちびっ娘が走ってくるのが見えた。うん、頑張って走っているが、ミーシャの半分もスピードが出ていないな。それでもその勢いのまま走ってきて、おれの腰にタックルしてきた。見ていたから踏ん張れたが油断していると吹っ飛びそうな勢いだ。残念ながらミーシャのために持ち上げかけた腕はサリナを抱きとめる為に使われた。腕の中のサリナは泣いた跡が顔にはっきりと残っている。
―こいつも心配してくれたんだな・・・。
「ケガ無い? 大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。それでお前は何でここにいるんだ?」
「うーんと、・・・お兄ちゃんが心配して、サリナも心配だったから!」
「心配?ユーリ達はどうした?」
「ちゃんとお屋敷にいるよ。お兄ちゃんがついてる」
―ハンスは何が心配だったのだろう? こいつでは要領を得ないから他の人間に聞いた方が良いな。
俺は二人の少女に挟まれて森の中から村に戻って村長の家に入った。
「あら、やっぱり元の場所に居たのですね。この男のいったことは嘘ではなかったということですか。おかえりなさい、サトルさん」
「だから、何度もそう言っただろう! 足をどけろ!」
家の中にはマリアンヌさんが手足の無い男の顔を踏みつけてにっこり笑い、その横ではショーイが炎の刀を構えていた。
「ただいま・・・、で、こいつは一体どうしたんですか?」
「あなたを暗闇に閉じ込めたのはこの男です。どうやったら戻せるかを聞いていたのですよ」
―なるほど、かなりの荒事をこの男にしてくれたんだな。手足を切り離して、刀で突いて・・・、って相変わらずママさんはおっかねえなぁ。
「ショーイ、サリナは心配で戻ってきたって言うけど、何かあったのか?」
「ああ・・・」
俺はショーイから昨日の夜にあったことを聞いて、ハンスの勘に感謝した。ストレージにいても俺が死ぬことは無かったが、炎の刀が無ければこの男が口を割らなかったかもしれない。結果的にショーイ達が来てくれたおかげで俺は暗闇から脱出できたのだ。
「それで、こいつはどうしますか?」
「もう少し聞きたいことがあるのです。さっきの続きですが、村長の後妻は何者なのですか?」
「・・・」
ママさんは足の下にある男への尋問を再開したが男は口を開かなかった。それを見たショーイは躊躇せずに刀を男の脇腹に突き立てて捻じった。
「ギャァー! ガアァー!」
絶叫が部屋の中に響き渡る。死人なのに、いや死人だからこそ久しく味わっていない痛みというものがこたえるのだろう。
「どうですか? 早く言った方が楽になれますよ。あなたは簡単に死なないから、永遠にこの痛みに耐えなければなりませんよ」
「・・・」
ショーイは刺した刀に強い炎を纏わせた。
「ギャァー! ガアァー!」
「さあ、早く言いなさい!」
「・・・」
ママさんの容赦ない尋問はまだまだ続きそうだったので、俺は捕らわれていた娘たちのいる小屋にサリナ達と一緒に行くことにした。小屋には5人の娘たちがいた。全員が水の国の南方で攫われてきたらしい。飲み物と食べるもの、それに衣服も新しいものを出してやり、サリナとミーシャに世話をしてもらった。
-5人か・・・ミニバン2台で何とかなるな。セントレアからは馬車に乗せよう。
「ねえ、サトル。どうして女の子は攫われちゃうのかな?」
「どうして?ってどういう意味だ?」
「うんとね・・・、どうすれば攫われなくなるのかな?」
なるほど、サリナが知りたいのは女の子が攫われる理由とその解決策ということか・・・。攫われる理由?治安が悪いから悪人が多い、そして人を買うやつがいるから・・・色々と理由はあるだろうが、どうすれば解決できるのか?
「そうだな、もう少し悪い奴らを捕まえる人間が必要なんだろうな。それに、攫ってきた人間を買うやつも捕まえないといけないな」
「ふーん。そっか。じゃあ、私たちが悪い人を捕まえれば、攫われる女の子が減るんだね」
「そうだな・・・」
「わかった! サリナは悪い人を捕まえるのをもっと頑張る!」
捕まえれば確かに減るだろう。黒い死人の人買い頭も捕えたし、組織の人や金も奪ったからな。それでも、同じような悪人が出てくるだろうし、火の国の獣人は奴隷にしてよいというルールだから、エルやアナのような子は守られない。
「だけど、法律も作ってもらわないといけないな。特に獣人も人として扱うように火の国のルールを変えてもらう必要がある。そのことを水の国に戻って摂政と相談しよう」
「大きな教会にいた偉い人ね? あの人なら何とかしてくれるかな?」
「すぐには難しいだろうけど、一つずつ解決していくしかないな」
そうだ、この世界にはいろいろと問題がある。それを解決することがみんなの幸せにつながるのだろう。そして、その行動は俺自身の成長につながっていく・・・のか?
俺は暇を持て余したので、ストレージで捕えているレントンームーアのお頭と暗い空間にランタンの明かりを挟んで向かい合っていた。
「それで、俺の周りがいきなり暗闇になったんだ。どうすれば、そんなことができるんだ?」
「それは影使いの仕業だな。首領の使いに影使いが何人かいるはずだ。女たちの調達もそいつらがやっている。それよりも、これはなんて言う食べ物なんだ?俺はこんな旨いものを食ったのは初めてだ」
ー影使い? 影で人間を包むことが出来るのか?
「そうか、それはエクレアっていうんだよ。レントンは甘いものが好きなのか?」
「甘いもの? うーん、どうだろう。そもそもそんなに食べたことが無いからな。糖の入ったものは貴重品だからな」
「じゃあ、他にも食べさせてやるから色々と教えてくれよ」
「ああ、良いぜ。どうせここから出られないなら、いろいろ食わせてくれよ。で、何が聞きたいんだ?」
レントンはこの環境の中で快適に生きていくことを選んだようで、非常に協力的になってくれた。
「首領の使いっていうのはその影使い以外に何人いて、どんな奴らなんだ?」
「はっきりした数は分からないな。あいつらは顔を変えることもできるからな、別人だと思っても同じやつかもしれない。ゲルドは古くからいる使いの一人だが、俺達のところに来ることは滅多になかった。あいつは殺し専門だと聞いたことがある」
―殺し専門、組織の暗殺者か・・・、後で話を聞いておこう。
「ありがとう、じゃあ、今度はアイスクリームを食ってみろよ。スプーンですくって食べるんだ」
ふたを開けたカップのアイスクリームとスプーンを目の前に浮かべてやると、レントンは躊躇わずにカップにスプーンを刺して口へ運んだ。
「痛いッ・・・て、違うな。甘い! 美味い! これはすごいな。変な感触のあとに口の中で溶けて甘さが広がるぞ!」
レントンはグルメレポーターのようにアイスクリームを堪能しているが、冷たいという表現がこの世界ではあまり使われていないようだ。
「他に手強い相手はいるのか?」
「ああ、間違いなく手強いのは“空使い”だな」
「空使い?って空を飛ぶということか?」
「そうだ、自らを飛ばすこともできるし、物や人を飛ばすこともできる。いきなり地面から足が離れたら何にもできないぜ」
―サイコキネシスってことかな? それとも半重力的な?
「どのぐらいの大きさを飛ばすことが出来るんだろう?」
「さあ・・・、俺が聞いた話では30人ぐらいをまとめて浮かせたことがあるらしいぞ」
―30人なら少なく見積もっても1500㎏は浮かせるんだろうな。浮かせるだけでなく飛ばしてぶつけてくるとかかな? だが、それだけで本当に手強いのか?
「他はどうなんだ?変な術を使うやつはいないのか?」
「うーん、はっきりと聞いたことがあるのはそれぐらいだな。奴らも滅多に姿は見せないからな。空使いも俺自身は見たことがない」
「わかった。色々とありがとう。お菓子とライトを置いていくから、少しずつ食べろよ」
「おい! もう行くのか?」
「ああ、また来るからさ」
「お・・・」
レントンの最後の声は聞かずに俺はゲルドの元に移動した。ゲルドは胸の上ぐらいまでの状態で復活が止まったままだった、空に現れた巨大サンショウウオを呼んだのはこいつだと睨んでいるのだが、正直に話すだろうか?
「よお、久しぶりだな」
「ああ、ここに居れば時の流れもわからんが、どれぐらいの時が流れたのだ?」
レントンにはランタンの光を与えたが、ゲルトは俺が来るまでの間は無音の暗闇で一人きり、もちろん食事も飲み物も無しだ。
「さあな、お前には“時”はもう関係ないよ。ここから永遠に出さないからな」
「・・・」
「だが、情報をくれるならたまには話をしに来てやってもいいぜ」
「・・・」
「そうか、まだ考える時間が必要なんだな。ゆっくりと考えてくれ。気が向いたら俺のほうから来てやるよ」
「・・・」
ゲルドと仲良くなるにはもっと時間が必要なようだ。焦っても仕方がないから、情報収集は先送りにしよう。根競べだが、俺に譲歩するつもりは一切なかった。
―しかし、情報を得てもこの中では使い道がないしな・・・
だが、捕えた死人との面談を終えてリビングに戻り、何気なしにストレージの外を見ると、既に暗闇がなくなっていた!
俺はすぐにストレージから出ると、出た場所はどうやら暗闇に捕らわれた森の中のようだ。そうすると・・・、崖があそこだからまずはあそこまで戻ってと・・・。眺めている方向から大声をあげて走ってくるミーシャが見えた。すごい勢いだが、何かあったのか?
「サトル! 無事か!?」
大声をあげながら華麗に走ってくるが、俺のことを心配してくれていたのか!?ミーシャはそのまま走ってきて俺の腕をつかんで上から下まで眺め倒した。これは抱きしめて良いタイミングでは無いのか?俺は至近距離でミーシャを見つめた、ミーシャの目は少しうるんでいるように見えた。
―これは!? 抱きしめるだけでなく、ひょっとしてキスが・・・
勇気を振り絞って腕を上げて、ミーシャの腰へ回そうとした・・・が。
「サトルー!」
また、森の入り口から大声が聞こえてちびっ娘が走ってくるのが見えた。うん、頑張って走っているが、ミーシャの半分もスピードが出ていないな。それでもその勢いのまま走ってきて、おれの腰にタックルしてきた。見ていたから踏ん張れたが油断していると吹っ飛びそうな勢いだ。残念ながらミーシャのために持ち上げかけた腕はサリナを抱きとめる為に使われた。腕の中のサリナは泣いた跡が顔にはっきりと残っている。
―こいつも心配してくれたんだな・・・。
「ケガ無い? 大丈夫?」
「ああ、大丈夫だ。それでお前は何でここにいるんだ?」
「うーんと、・・・お兄ちゃんが心配して、サリナも心配だったから!」
「心配?ユーリ達はどうした?」
「ちゃんとお屋敷にいるよ。お兄ちゃんがついてる」
―ハンスは何が心配だったのだろう? こいつでは要領を得ないから他の人間に聞いた方が良いな。
俺は二人の少女に挟まれて森の中から村に戻って村長の家に入った。
「あら、やっぱり元の場所に居たのですね。この男のいったことは嘘ではなかったということですか。おかえりなさい、サトルさん」
「だから、何度もそう言っただろう! 足をどけろ!」
家の中にはマリアンヌさんが手足の無い男の顔を踏みつけてにっこり笑い、その横ではショーイが炎の刀を構えていた。
「ただいま・・・、で、こいつは一体どうしたんですか?」
「あなたを暗闇に閉じ込めたのはこの男です。どうやったら戻せるかを聞いていたのですよ」
―なるほど、かなりの荒事をこの男にしてくれたんだな。手足を切り離して、刀で突いて・・・、って相変わらずママさんはおっかねえなぁ。
「ショーイ、サリナは心配で戻ってきたって言うけど、何かあったのか?」
「ああ・・・」
俺はショーイから昨日の夜にあったことを聞いて、ハンスの勘に感謝した。ストレージにいても俺が死ぬことは無かったが、炎の刀が無ければこの男が口を割らなかったかもしれない。結果的にショーイ達が来てくれたおかげで俺は暗闇から脱出できたのだ。
「それで、こいつはどうしますか?」
「もう少し聞きたいことがあるのです。さっきの続きですが、村長の後妻は何者なのですか?」
「・・・」
ママさんは足の下にある男への尋問を再開したが男は口を開かなかった。それを見たショーイは躊躇せずに刀を男の脇腹に突き立てて捻じった。
「ギャァー! ガアァー!」
絶叫が部屋の中に響き渡る。死人なのに、いや死人だからこそ久しく味わっていない痛みというものがこたえるのだろう。
「どうですか? 早く言った方が楽になれますよ。あなたは簡単に死なないから、永遠にこの痛みに耐えなければなりませんよ」
「・・・」
ショーイは刺した刀に強い炎を纏わせた。
「ギャァー! ガアァー!」
「さあ、早く言いなさい!」
「・・・」
ママさんの容赦ない尋問はまだまだ続きそうだったので、俺は捕らわれていた娘たちのいる小屋にサリナ達と一緒に行くことにした。小屋には5人の娘たちがいた。全員が水の国の南方で攫われてきたらしい。飲み物と食べるもの、それに衣服も新しいものを出してやり、サリナとミーシャに世話をしてもらった。
-5人か・・・ミニバン2台で何とかなるな。セントレアからは馬車に乗せよう。
「ねえ、サトル。どうして女の子は攫われちゃうのかな?」
「どうして?ってどういう意味だ?」
「うんとね・・・、どうすれば攫われなくなるのかな?」
なるほど、サリナが知りたいのは女の子が攫われる理由とその解決策ということか・・・。攫われる理由?治安が悪いから悪人が多い、そして人を買うやつがいるから・・・色々と理由はあるだろうが、どうすれば解決できるのか?
「そうだな、もう少し悪い奴らを捕まえる人間が必要なんだろうな。それに、攫ってきた人間を買うやつも捕まえないといけないな」
「ふーん。そっか。じゃあ、私たちが悪い人を捕まえれば、攫われる女の子が減るんだね」
「そうだな・・・」
「わかった! サリナは悪い人を捕まえるのをもっと頑張る!」
捕まえれば確かに減るだろう。黒い死人の人買い頭も捕えたし、組織の人や金も奪ったからな。それでも、同じような悪人が出てくるだろうし、火の国の獣人は奴隷にしてよいというルールだから、エルやアナのような子は守られない。
「だけど、法律も作ってもらわないといけないな。特に獣人も人として扱うように火の国のルールを変えてもらう必要がある。そのことを水の国に戻って摂政と相談しよう」
「大きな教会にいた偉い人ね? あの人なら何とかしてくれるかな?」
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