117 / 183
派遣勇者の進む道
115.神の指し示す道
しおりを挟む
■スタートス聖教会
~第10次派遣4日目~
前の晩の食事はしんみりした感じで終了した。タケルは別にこの教会や現世に戻れない確立が高いと思っている訳ではなかった。しかし、ゼロでもないだろうから連れて行かないほうが良いと判断しただけだ。それでも、もし戻れなければ・・・、気になるのはマリンダと聖教石のことだった。昨日洞窟で取ってきた聖教石も含めるとかなりの量になっている。普通の人には価値が無いかもしれないが、タケルのように加工できる人間が居ると無限の価値があるだろうし、悪用されるとこの世界にも悪影響があるかもしれない。万一のことを考えて日が昇る前に、協会の裏と泉の畔の2箇所に分けて埋めておいた。外は暗かったが、久しぶりに見たシルバーがついて来てくれたので安心して作業を終えた。
マリンダのことも気になるが、何か言ってから行くと却って良くないことになりそうな気がしたので、黙って行くことにした。あくまでも、戻れることが前提で行くのだと自分自身に言い聞かせておく。
朝食のときも、全員口数が少なかった。アキラさんはいつもどおりだったが・・・
「みんな、俺達が戻れないことを前提に考えてるかもしれないけど、それは多分無いから安心して待っててよ。この世界の神が俺を見捨てるはずないし、その神が与えた神託なんだから少なくとも俺に危害を加えるようなものじゃないから、大丈夫だよ」
タケルは自分がどう考えているのかを改めて伝えた。
「そうですよね、タケルさんへのメッセージなら悪い話じゃないですよね」
ダイスケも自分を納得させるように笑顔を浮かべて同意してくれた。
「それに、俺たちだけがエルフに会って戻ってきても、後で恨まないでくれよ」
冗談めかして、皆の気持ちが明るくなる方向へ話を誘導すると、コーヘイとマユミが乗っかってくれた。
「エルフかぁ~。本当に居るなら俺も見たいですね。やっぱり耳が長いんですかね?」
「それって、現世での伝説とか物語がごっちゃになった話でしょ?こっちのエルフは巨人族かもしれませんよ」
「巨人族か?それは想定外だけど、違った意味で会ってみたいね」
確かにエルフというワードで同じように翻訳されていても、タケル達の妄想するエルフと異なる姿である可能性は十分にある。行ってからショックを受けないようにしないと。
見送りをしたがった3人を食堂に留めて、大きなリュックを担いでアキラさんと一緒に食堂を出た。リュックにはパンと干し肉、念のための焼酎も入っている。水と氷は魔法で出せるから、焼酎水割りは問題ないはずだ。
食堂を出るとシルバーが尻尾を振って待っていた。頭を撫でてから教会に入ろうとすると、珍しく付いて来る。
- 一緒に来るつもりなのだろうか?
「シルバー、お前も一緒に来てくれるのか?」
耳の下の毛を触りながら聞いてみるが、もちろん返事は無い。だが、心持ち尻尾の振れ幅が大きくなったような気がした。教会の扉を開けて転移の間に入って行ったがそのまま後ろをついて来て、何も言わなくても聖教石の柱が並べてある中心部にオスワリした。やはり一緒に行く気のようだ、これは心強い仲間が出来た。
■聖教石の洞窟 奥
転移魔法でタケルが設置した洞窟の中の転移ポイントに無事に飛んでくることが出来た。目の前にはこの前見つけた大きな聖教石の柱が今日も鈍く輝いている。
問題はこれからだ、今までは行きたい場所をアシーネ様に伝えて、祈りを捧げることで転移することが出来ていたが、ここから行く先が何処なのかをタケルは具体的に知っている訳ではなかった。エルフの里と伝えるべきなのか? 結界の外と伝えるべきなのか?どちらも違うような気がする。神の思し召しなのだから、神に委ねてみることにしよう。
「アキラさん、用意は良いですか?そろそろ行きますよ」
「うん、いつでも大丈夫」
シルバーを真ん中にして並んで聖教石の中心部に入った。右手に光の聖教石を掲げて、アシーネ様に祈りを捧げる。
-アシーネ様、この聖教石の導く先へ我らを転移させてください。
「ジャンプ!」
周囲の景色が一瞬で変わった、というよりは周囲が真っ白で壁が見えなくなった。濃い霧に包まれている場所のようだ。足元はかろうじて見えるが周りに聖教石の柱があるようには見えない。
「アキラさん、聖教石の柱はその辺りに見えますか?」
「いいや、何も無いね。でも、ここは洞窟じゃあないみたいだよ」
確かに霧に包まれているが上のほうは明るい屋外のようだ。しかし、前後左右が真っ白なので平衡感覚を失いそうになりそうだ、進むべき方向も全然判らない。どうしたものか悩んでいるとシルバーが歩き出した。3メートルほど進むと見え無くなりそうだが、振り返ってこっちを見ている。なるほど、リアンを森で見つけたときのように案内してくれるようだ。
「アキラさん、シルバーに付いて行きましょう」
「わかった」
俺達が続いて歩き出すと、シルバーは前を向いてどんどん進んでいく。足元の地面は雑草も少なくて土が見えているが平坦で歩きやすかった。感覚的には30分ぐらい歩いただろうか?少し霧が薄くなって来たような気がする。遠くにおぼろげながら木が生えているような黒い影が見えはじめた。
シルバーの尻尾を見ながら歩いていたタケルの頬に突然強い風が吹き付けたと思った途端に視界が開けた。背の高い木の茂った森の入り口だ。後ろを振り返ると霧が立ち込めて先が見えなくなっている。
- 迷いの森に入れたのだろうか?
ここがどこかと言う心配はあるが、まずはスタートスに戻れるのかを試すべきだろう。光聖教石(転移用)を地面に5本刺して、いつもの手順で祈りを捧げる。
「ジャンプ!」
・・・周囲の景色は変わらない。
もう一度同じように祈りを捧げる。
「ジャンプ!」
懸念は現実となった、ここからはスタートスには戻ることができないのだ。
~第10次派遣4日目~
前の晩の食事はしんみりした感じで終了した。タケルは別にこの教会や現世に戻れない確立が高いと思っている訳ではなかった。しかし、ゼロでもないだろうから連れて行かないほうが良いと判断しただけだ。それでも、もし戻れなければ・・・、気になるのはマリンダと聖教石のことだった。昨日洞窟で取ってきた聖教石も含めるとかなりの量になっている。普通の人には価値が無いかもしれないが、タケルのように加工できる人間が居ると無限の価値があるだろうし、悪用されるとこの世界にも悪影響があるかもしれない。万一のことを考えて日が昇る前に、協会の裏と泉の畔の2箇所に分けて埋めておいた。外は暗かったが、久しぶりに見たシルバーがついて来てくれたので安心して作業を終えた。
マリンダのことも気になるが、何か言ってから行くと却って良くないことになりそうな気がしたので、黙って行くことにした。あくまでも、戻れることが前提で行くのだと自分自身に言い聞かせておく。
朝食のときも、全員口数が少なかった。アキラさんはいつもどおりだったが・・・
「みんな、俺達が戻れないことを前提に考えてるかもしれないけど、それは多分無いから安心して待っててよ。この世界の神が俺を見捨てるはずないし、その神が与えた神託なんだから少なくとも俺に危害を加えるようなものじゃないから、大丈夫だよ」
タケルは自分がどう考えているのかを改めて伝えた。
「そうですよね、タケルさんへのメッセージなら悪い話じゃないですよね」
ダイスケも自分を納得させるように笑顔を浮かべて同意してくれた。
「それに、俺たちだけがエルフに会って戻ってきても、後で恨まないでくれよ」
冗談めかして、皆の気持ちが明るくなる方向へ話を誘導すると、コーヘイとマユミが乗っかってくれた。
「エルフかぁ~。本当に居るなら俺も見たいですね。やっぱり耳が長いんですかね?」
「それって、現世での伝説とか物語がごっちゃになった話でしょ?こっちのエルフは巨人族かもしれませんよ」
「巨人族か?それは想定外だけど、違った意味で会ってみたいね」
確かにエルフというワードで同じように翻訳されていても、タケル達の妄想するエルフと異なる姿である可能性は十分にある。行ってからショックを受けないようにしないと。
見送りをしたがった3人を食堂に留めて、大きなリュックを担いでアキラさんと一緒に食堂を出た。リュックにはパンと干し肉、念のための焼酎も入っている。水と氷は魔法で出せるから、焼酎水割りは問題ないはずだ。
食堂を出るとシルバーが尻尾を振って待っていた。頭を撫でてから教会に入ろうとすると、珍しく付いて来る。
- 一緒に来るつもりなのだろうか?
「シルバー、お前も一緒に来てくれるのか?」
耳の下の毛を触りながら聞いてみるが、もちろん返事は無い。だが、心持ち尻尾の振れ幅が大きくなったような気がした。教会の扉を開けて転移の間に入って行ったがそのまま後ろをついて来て、何も言わなくても聖教石の柱が並べてある中心部にオスワリした。やはり一緒に行く気のようだ、これは心強い仲間が出来た。
■聖教石の洞窟 奥
転移魔法でタケルが設置した洞窟の中の転移ポイントに無事に飛んでくることが出来た。目の前にはこの前見つけた大きな聖教石の柱が今日も鈍く輝いている。
問題はこれからだ、今までは行きたい場所をアシーネ様に伝えて、祈りを捧げることで転移することが出来ていたが、ここから行く先が何処なのかをタケルは具体的に知っている訳ではなかった。エルフの里と伝えるべきなのか? 結界の外と伝えるべきなのか?どちらも違うような気がする。神の思し召しなのだから、神に委ねてみることにしよう。
「アキラさん、用意は良いですか?そろそろ行きますよ」
「うん、いつでも大丈夫」
シルバーを真ん中にして並んで聖教石の中心部に入った。右手に光の聖教石を掲げて、アシーネ様に祈りを捧げる。
-アシーネ様、この聖教石の導く先へ我らを転移させてください。
「ジャンプ!」
周囲の景色が一瞬で変わった、というよりは周囲が真っ白で壁が見えなくなった。濃い霧に包まれている場所のようだ。足元はかろうじて見えるが周りに聖教石の柱があるようには見えない。
「アキラさん、聖教石の柱はその辺りに見えますか?」
「いいや、何も無いね。でも、ここは洞窟じゃあないみたいだよ」
確かに霧に包まれているが上のほうは明るい屋外のようだ。しかし、前後左右が真っ白なので平衡感覚を失いそうになりそうだ、進むべき方向も全然判らない。どうしたものか悩んでいるとシルバーが歩き出した。3メートルほど進むと見え無くなりそうだが、振り返ってこっちを見ている。なるほど、リアンを森で見つけたときのように案内してくれるようだ。
「アキラさん、シルバーに付いて行きましょう」
「わかった」
俺達が続いて歩き出すと、シルバーは前を向いてどんどん進んでいく。足元の地面は雑草も少なくて土が見えているが平坦で歩きやすかった。感覚的には30分ぐらい歩いただろうか?少し霧が薄くなって来たような気がする。遠くにおぼろげながら木が生えているような黒い影が見えはじめた。
シルバーの尻尾を見ながら歩いていたタケルの頬に突然強い風が吹き付けたと思った途端に視界が開けた。背の高い木の茂った森の入り口だ。後ろを振り返ると霧が立ち込めて先が見えなくなっている。
- 迷いの森に入れたのだろうか?
ここがどこかと言う心配はあるが、まずはスタートスに戻れるのかを試すべきだろう。光聖教石(転移用)を地面に5本刺して、いつもの手順で祈りを捧げる。
「ジャンプ!」
・・・周囲の景色は変わらない。
もう一度同じように祈りを捧げる。
「ジャンプ!」
懸念は現実となった、ここからはスタートスには戻ることができないのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
白いもふもふ好きの僕が転生したらフェンリルになっていた!!
ろき
ファンタジー
ブラック企業で消耗する社畜・白瀬陸空(しらせりくう)の唯一の癒し。それは「白いもふもふ」だった。 ある日、白い子犬を助けて命を落とした彼は、異世界で目を覚ます。
ふと水面を覗き込むと、そこに映っていたのは―― 伝説の神獣【フェンリル】になった自分自身!?
「どうせ転生するなら、テイマーになって、もふもふパラダイスを作りたかった!」 「なんで俺自身がもふもふの神獣になってるんだよ!」
理想と真逆の姿に絶望する陸空。 だが、彼には規格外の魔力と、前世の異常なまでの「もふもふへの執着」が変化した、とある謎のスキルが備わっていた。
これは、最強の神獣になってしまった男が、ただひたすらに「もふもふ」を愛でようとした結果、周囲の人間(とくにエルフ)に崇拝され、勘違いが勘違いを呼んで国を動かしてしまう、予測不能な異世界もふもふライフ!
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる