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7.裏の真実(カンジーン視点)
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リリアージュ、何て美しい。
始めて会った時から惹きつけられ、目が離せなかった。と、同時に俺は彼女の中に見つけてしまった。彼女は俺の前世で初恋の人だった。
いや、今も一目会ったその時に恋に落ちたから、今世も初恋の人だけど。
俺には前世の記憶がある。と言っても前世はごく平凡な社会人で仕事に生きて、年取って大往生。可もなく不可もない人生だったがそれなりに出世もした。
なんせ生涯、独り身だったけど仕事人間だったから。
そんな俺でも初恋の記憶はある。中学時代、何故か良く目が合う大人しそうな子だった。物静かでいつも本を読んでいるような女の子だったけど、よく見ると整った綺麗な顔をしていた。
偶々、俺の幼馴染と友達だったみたいで俺の家の前に彼女がいた時は驚いた。彼女もビックリしたみたいで、驚いた顔をしながらも小さく会釈してくれたのが可愛かった。
俺の家ではなく、幼馴染の家に遊びに来ていただけなんだけど、たまに私服姿の彼女を見るのは俺の癒しだった。
他の連中に好きな子がばれると凄くからかったり、はやし立てたりするから、好きだな、と思っても友達にはバレないように気を付けた。でないと、通りかかる度にからかわれる。大人しい彼女が揶揄われたら気の毒だ。
「お前は好きな女の子はいないのか?」
「俺は女の子よりゲームをするほうが楽しい」
「そうだよな、女よりゲームだ。友よ~」
ゲームが好きな友人は色んな種類のゲームを持っていた。ゲームセンターにも時々行って、俺の中学時代はゲーム漬けだったかもしれない。
家のゲーム機は姉と共有だったから姉のゲームを時々手伝わされた。乙女ゲームとやらで色んな恋愛シュミレーションを姉は楽しんでいたけど、恋愛部分の良い所だけをプレイしたい時は俺にゲームの攻略を丸投げしてきた。
「なんでだよ。こんな面倒くさい事したくない」
「お願い。クリアしてくれたら今度のバイト代からお小遣いあげるから。このゲーム、戦争シーンがあるの。負けたらバッドエンドだから困るのよ。戦争に勝って王太子とのハッピーエンドが見たいの」
姉が丸投げしてきた乙女ゲームは簡単に言うと、魔術の才能に目覚めた平凡に見えるけど、実は可愛い主人公が氷の魔女を討伐し、その後、隣国が侵略してきた時には戦争の指揮をとって勝利に導き、聖女として王太子とむすばれるという話だった。
氷の魔女は高位の貴族家に生まれたけれど、悪事を働いて貴族家を追放されて氷の魔女になる。氷の魔女は王子を惑わして国を乗っ取ろうとするけど、王子は心優しき魔術師の娘に助けられ、二人で力を合わせて魔女を討伐する。氷の魔女の討伐はそんなに難しくはなかった。
だけど、魔女が氷の魔女になる切っ掛けがチョットした嫉妬心からの嫌がらせで、高位貴族の令嬢がどうしてこれで追放されるのか不思議だった。ゲーム上のご都合主義だったと思う。しかも主人公が皆に愛される原因になるのが道具屋で手に入れるアイテム。
『愛の手助け』というそのアイテムは好感度を爆上げするモノだった。それに『切り裂くナイフ』というアイテムは消える事のない傷をつけ、その傷からは常に黒い血が滲むようになる。そして、この『切り裂くナイフ』で魔女に傷を付ける事で、魔女の魔力が主人公に渡され、チートな能力が使えるようになる。
何だこれ。婚約者のいる貴族令嬢を犠牲にして成り立つ主人公のハッピーエンドなんて胸糞悪い。それもさして悪い事なんてしてないのに。
前世を思い出した俺は慄いた。これ、この世界、俺の知っているあのゲームの世界だ。名前が一致しているし。
しかも、不思議な事に『氷の魔女』という話が世に出回っている。この『氷の魔女』という話のイラストがまるっきりあのゲームに出てくる貴族令嬢と同じ顔をしている。これはどういう事だろう。ゲームの中ではこんな設定はなかったはず。
そして、学園に入って初めてリリアージュに会って驚いた。彼女は俺の初恋の人だ。前世の中学時代の同級生でついに告白しないまま別れてしまったあの彼女。
中学を卒業して10年後の同窓会で彼女に会えるかな、と密かに楽しみにしていた俺は同窓会で彼女の訃報を聞いて落ち込んでしまった。
「ウソ、噓だろう」
「いや、ほんと。彼女、可愛かったのになぁ。まさか交通事故で亡くなるなんて」
「そうなんだよ。外資系に就職して仕事に生きるって頑張っていたらしいけど」
「いや、彼女、俺の嫁さんになるはずだったのに」
「はっ! 付き合っていたのか?」
「いや、まさか。今日、出会うはずだった」
「バーカ! でも、惜しい人を亡くしたよなぁ」
友人たちの彼女を悼む言葉を聞きながら俺の頭は真っ白になって行った。その後、どうしたかの記憶はない。
彼女は俺にとって高値の花で癒しの元で、どこかで幸せに生きていてくれればそれで良かった。側にいたいなんて贅沢はいわない、と思っていたけど、こんな事なら打ち明けていれば良かった。彼女は俺の事を嫌いではなかった、と思う。あぁ~。
そうして、俺はその後、特に人を好きになることもなく、彼女への想いを胸の奥に秘めたまま年を取って行った。初恋をいつまでも引きずっているなんて俺もどうかしてる、なんて思っていたけど。
でも、今世でリリアージュに会って今度こそ後悔しないように、と思ったけど、彼女と俺の前には身分という大きな壁があった。おまけにリリアージュは『氷の魔女』にそっくりの容姿をしている。
これはまずい。このまま『氷の魔女』にされて搾取される人生を送らせるわけにはいかない。
「カンジーン様、何かあったら守ってくださいね」
「ウンデ、俺たちが付いているから何も心配はいらない」
「嬉しい。でもリリアージュ様が睨んでくるのが怖いの」
「何だと、あいつ」
「許せないな、あの氷の魔女め!」
学園に入って不本意ながら第3王子の護衛を兼ねた級友となった。取り巻きの一人とみられるのはとても嫌だし、あのウンデが媚を含んだ目で見て来るのも不愉快だった。ウンデは主人公らしく、順調に攻略対象者を落としていった。もちろん、あの好感度を爆上げするアイテムを使って。
俺はウンデが『愛の手助け』を手に入れる前に何とかしたかったが、あれは主人公しか手に入れる事は出来ない。ただ、『切り裂くナイフ』の特徴的な形状は知っていたので偽物を前もって作って置いた。
ウンデがリリアージュの婚約者に『切り裂くナイフ』を渡しているのを見つけた時は「あのやろー」と思った。だけど、こっそり偽物と入れ替えておいたのであの『切り裂くナイフ』は今だに俺が持っている。
まさか、俺のいない時にウンデ達がリリアージュを傷つけるなんて思わなかった。ゲームではまだ先の出来事だったはずだし、リリアージュはウンデに嫌がらせなどはしていない。だけど、前の性格を引き継いでいるせいか大人しく優しいリリアージュにウンデの奴は焦ったらしい。
でも、普通のナイフだがリリアージュは傷つけられた。……傷も残るらしい。悔しい。だが身分差があっても婚約が解消され、傷があるなら俺でも今後の活躍次第では何とかなるのではないか、そう、思った俺は事情聴取の時にリリアージュの父である宰相閣下に思い切って聞いてみた。俺でも可能性はあるのかと。
宰相閣下は難かしい顔をされたが「今後の活躍で爵位を得て、リリアージュが望むのなら考えよう」、と言って下さった。ただし、「爵位を得るまでは近づく事はならない」と釘をさされたが。
その後は必死だった。
辺境の魔獣討伐で功績を上げ準男爵の地位がもらえる事になって、嬉しかった。そして、戦争の事は忘れていたが勃発してから色々思いだした。しかし、既に軍の中で大佐の地位を手にしていた俺は物事を有利に進められた。
「俺に続け! 敵は必ずこのルートを通る。闇討ちするぞ!」
「おっー」
「よし、この作戦なら敵の出鼻をくじける!」
「おっー」
「幽閉先はここに違いない。そっと救出するぞ」
「ぉっー」
「敵の弱点はここだ! 一気に行くぞ!」
「おっー」
乙女ゲームで戦争編を見事に攻略した俺に死角はない。俺の適格な指示は神がかっているといわれ、多くの支持を集めた。そして、念願のリリアージュに釣り合う爵位を得て、ようやく彼女にプロポーズができた。
リリアージュに前世の記憶はないようだ。だけど、前世の知識はあるらしい。彼女が作ってみたいと思ったから、と作り出す前世の知識を利用した様々なモノはこの世界の発展に役立っている。前世で沢山の本を読んでいたリリアージュの知識は多岐に渡っている。
本人は「何故か浮かんでくるの。神様の贈り物かしら」と首をひねっているけど、「それは君の知識チートだよ」とは言わずにいる。
リリアージュは素直で可愛い。額の傷をフェイクで隠していたのも、まさにファインプレーだと思う。
「リリアージュ、愛している」
「カンジーン様、私も」
可愛いリリアージュ、今度こそ君を手に入れる事が出来て俺は嬉しい。
始めて会った時から惹きつけられ、目が離せなかった。と、同時に俺は彼女の中に見つけてしまった。彼女は俺の前世で初恋の人だった。
いや、今も一目会ったその時に恋に落ちたから、今世も初恋の人だけど。
俺には前世の記憶がある。と言っても前世はごく平凡な社会人で仕事に生きて、年取って大往生。可もなく不可もない人生だったがそれなりに出世もした。
なんせ生涯、独り身だったけど仕事人間だったから。
そんな俺でも初恋の記憶はある。中学時代、何故か良く目が合う大人しそうな子だった。物静かでいつも本を読んでいるような女の子だったけど、よく見ると整った綺麗な顔をしていた。
偶々、俺の幼馴染と友達だったみたいで俺の家の前に彼女がいた時は驚いた。彼女もビックリしたみたいで、驚いた顔をしながらも小さく会釈してくれたのが可愛かった。
俺の家ではなく、幼馴染の家に遊びに来ていただけなんだけど、たまに私服姿の彼女を見るのは俺の癒しだった。
他の連中に好きな子がばれると凄くからかったり、はやし立てたりするから、好きだな、と思っても友達にはバレないように気を付けた。でないと、通りかかる度にからかわれる。大人しい彼女が揶揄われたら気の毒だ。
「お前は好きな女の子はいないのか?」
「俺は女の子よりゲームをするほうが楽しい」
「そうだよな、女よりゲームだ。友よ~」
ゲームが好きな友人は色んな種類のゲームを持っていた。ゲームセンターにも時々行って、俺の中学時代はゲーム漬けだったかもしれない。
家のゲーム機は姉と共有だったから姉のゲームを時々手伝わされた。乙女ゲームとやらで色んな恋愛シュミレーションを姉は楽しんでいたけど、恋愛部分の良い所だけをプレイしたい時は俺にゲームの攻略を丸投げしてきた。
「なんでだよ。こんな面倒くさい事したくない」
「お願い。クリアしてくれたら今度のバイト代からお小遣いあげるから。このゲーム、戦争シーンがあるの。負けたらバッドエンドだから困るのよ。戦争に勝って王太子とのハッピーエンドが見たいの」
姉が丸投げしてきた乙女ゲームは簡単に言うと、魔術の才能に目覚めた平凡に見えるけど、実は可愛い主人公が氷の魔女を討伐し、その後、隣国が侵略してきた時には戦争の指揮をとって勝利に導き、聖女として王太子とむすばれるという話だった。
氷の魔女は高位の貴族家に生まれたけれど、悪事を働いて貴族家を追放されて氷の魔女になる。氷の魔女は王子を惑わして国を乗っ取ろうとするけど、王子は心優しき魔術師の娘に助けられ、二人で力を合わせて魔女を討伐する。氷の魔女の討伐はそんなに難しくはなかった。
だけど、魔女が氷の魔女になる切っ掛けがチョットした嫉妬心からの嫌がらせで、高位貴族の令嬢がどうしてこれで追放されるのか不思議だった。ゲーム上のご都合主義だったと思う。しかも主人公が皆に愛される原因になるのが道具屋で手に入れるアイテム。
『愛の手助け』というそのアイテムは好感度を爆上げするモノだった。それに『切り裂くナイフ』というアイテムは消える事のない傷をつけ、その傷からは常に黒い血が滲むようになる。そして、この『切り裂くナイフ』で魔女に傷を付ける事で、魔女の魔力が主人公に渡され、チートな能力が使えるようになる。
何だこれ。婚約者のいる貴族令嬢を犠牲にして成り立つ主人公のハッピーエンドなんて胸糞悪い。それもさして悪い事なんてしてないのに。
前世を思い出した俺は慄いた。これ、この世界、俺の知っているあのゲームの世界だ。名前が一致しているし。
しかも、不思議な事に『氷の魔女』という話が世に出回っている。この『氷の魔女』という話のイラストがまるっきりあのゲームに出てくる貴族令嬢と同じ顔をしている。これはどういう事だろう。ゲームの中ではこんな設定はなかったはず。
そして、学園に入って初めてリリアージュに会って驚いた。彼女は俺の初恋の人だ。前世の中学時代の同級生でついに告白しないまま別れてしまったあの彼女。
中学を卒業して10年後の同窓会で彼女に会えるかな、と密かに楽しみにしていた俺は同窓会で彼女の訃報を聞いて落ち込んでしまった。
「ウソ、噓だろう」
「いや、ほんと。彼女、可愛かったのになぁ。まさか交通事故で亡くなるなんて」
「そうなんだよ。外資系に就職して仕事に生きるって頑張っていたらしいけど」
「いや、彼女、俺の嫁さんになるはずだったのに」
「はっ! 付き合っていたのか?」
「いや、まさか。今日、出会うはずだった」
「バーカ! でも、惜しい人を亡くしたよなぁ」
友人たちの彼女を悼む言葉を聞きながら俺の頭は真っ白になって行った。その後、どうしたかの記憶はない。
彼女は俺にとって高値の花で癒しの元で、どこかで幸せに生きていてくれればそれで良かった。側にいたいなんて贅沢はいわない、と思っていたけど、こんな事なら打ち明けていれば良かった。彼女は俺の事を嫌いではなかった、と思う。あぁ~。
そうして、俺はその後、特に人を好きになることもなく、彼女への想いを胸の奥に秘めたまま年を取って行った。初恋をいつまでも引きずっているなんて俺もどうかしてる、なんて思っていたけど。
でも、今世でリリアージュに会って今度こそ後悔しないように、と思ったけど、彼女と俺の前には身分という大きな壁があった。おまけにリリアージュは『氷の魔女』にそっくりの容姿をしている。
これはまずい。このまま『氷の魔女』にされて搾取される人生を送らせるわけにはいかない。
「カンジーン様、何かあったら守ってくださいね」
「ウンデ、俺たちが付いているから何も心配はいらない」
「嬉しい。でもリリアージュ様が睨んでくるのが怖いの」
「何だと、あいつ」
「許せないな、あの氷の魔女め!」
学園に入って不本意ながら第3王子の護衛を兼ねた級友となった。取り巻きの一人とみられるのはとても嫌だし、あのウンデが媚を含んだ目で見て来るのも不愉快だった。ウンデは主人公らしく、順調に攻略対象者を落としていった。もちろん、あの好感度を爆上げするアイテムを使って。
俺はウンデが『愛の手助け』を手に入れる前に何とかしたかったが、あれは主人公しか手に入れる事は出来ない。ただ、『切り裂くナイフ』の特徴的な形状は知っていたので偽物を前もって作って置いた。
ウンデがリリアージュの婚約者に『切り裂くナイフ』を渡しているのを見つけた時は「あのやろー」と思った。だけど、こっそり偽物と入れ替えておいたのであの『切り裂くナイフ』は今だに俺が持っている。
まさか、俺のいない時にウンデ達がリリアージュを傷つけるなんて思わなかった。ゲームではまだ先の出来事だったはずだし、リリアージュはウンデに嫌がらせなどはしていない。だけど、前の性格を引き継いでいるせいか大人しく優しいリリアージュにウンデの奴は焦ったらしい。
でも、普通のナイフだがリリアージュは傷つけられた。……傷も残るらしい。悔しい。だが身分差があっても婚約が解消され、傷があるなら俺でも今後の活躍次第では何とかなるのではないか、そう、思った俺は事情聴取の時にリリアージュの父である宰相閣下に思い切って聞いてみた。俺でも可能性はあるのかと。
宰相閣下は難かしい顔をされたが「今後の活躍で爵位を得て、リリアージュが望むのなら考えよう」、と言って下さった。ただし、「爵位を得るまでは近づく事はならない」と釘をさされたが。
その後は必死だった。
辺境の魔獣討伐で功績を上げ準男爵の地位がもらえる事になって、嬉しかった。そして、戦争の事は忘れていたが勃発してから色々思いだした。しかし、既に軍の中で大佐の地位を手にしていた俺は物事を有利に進められた。
「俺に続け! 敵は必ずこのルートを通る。闇討ちするぞ!」
「おっー」
「よし、この作戦なら敵の出鼻をくじける!」
「おっー」
「幽閉先はここに違いない。そっと救出するぞ」
「ぉっー」
「敵の弱点はここだ! 一気に行くぞ!」
「おっー」
乙女ゲームで戦争編を見事に攻略した俺に死角はない。俺の適格な指示は神がかっているといわれ、多くの支持を集めた。そして、念願のリリアージュに釣り合う爵位を得て、ようやく彼女にプロポーズができた。
リリアージュに前世の記憶はないようだ。だけど、前世の知識はあるらしい。彼女が作ってみたいと思ったから、と作り出す前世の知識を利用した様々なモノはこの世界の発展に役立っている。前世で沢山の本を読んでいたリリアージュの知識は多岐に渡っている。
本人は「何故か浮かんでくるの。神様の贈り物かしら」と首をひねっているけど、「それは君の知識チートだよ」とは言わずにいる。
リリアージュは素直で可愛い。額の傷をフェイクで隠していたのも、まさにファインプレーだと思う。
「リリアージュ、愛している」
「カンジーン様、私も」
可愛いリリアージュ、今度こそ君を手に入れる事が出来て俺は嬉しい。
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