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71. 茶ピンク・・・
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茶ピンクさんとラクアート様には取り合えず責任者不在なので一旦、帰ってもらって改めて連絡するとノヴァ神官が穏やかに話をした。
しかし、茶ピンクさんが名乗り出た聖女の為に特別な部屋が大神殿に用意されているはずだから、儀式までその部屋に滞在したいと言い出した。
ラクアート様も討伐メンバーなので並びの部屋があるはずだと言われ、どうしてその事を知っているのかと問われた茶ピンクさんは自信満々で、
「女神から詳しい話は聞いております。とりあえず儀式まではその部屋に滞在いたします。ラクアートも一緒ですし、明日からは討伐メンバーの選別に移りたいと思っています。平民の中にメンバーがいるはずですから」
「いえ、まだ聖女の存在については伏せておきたいので」
「では仕方がないので、儀式まではここに滞在します」
「まだ、聖女と決まったわけでは」
「ですので、儀式をするんでしょう! 貴方、良くない気を纏っているようですけど聖女に逆らう気ですか」
「良くない気?」
「ええ、何となくですけど貴方に近づきたいとは思いません。それに神官長を差し置いて勝手な発言をしないでくれますか」
「いや、彼は聖女が現れた時はお世話係になりますので」
「では、担当を変えて下さい。私はこの世界のために魔王を討伐するのですから」
「いえ、魔王は討伐ではなく封印、」
「封印より、討伐してしまえばこれで終わりでしょう! とにかく、責任者は神殿長ですよね。お帰りになったら私の所に来るように伝えて下さい。そこの貴方、聖女の部屋に案内して」
茶ピンクさんは偉そうにドアの所に控えていた神官に声をかけた。
ノヴァ神官は凄く嫌そうな顔をしたが、
「聖女のための控えの間に案内しておいて」
と神官に声をかけた。
神官は「宜しいのでしょうか」と聞いてきたが「いいに決まっているでしょう」という茶ピンクさんに押されるように部屋を出ていった。
ふーっとため息をついたノヴァ神官と新官長がドアを開けて茶ピンクさんたちが居なくなったことを確認してから私達のいる部屋にやって来た。
「あいつ、ムカつくな。リーナに対する態度が特に」
「女神様とリーナ様に対する敬意が見当たりません。しかも、割と言葉は丁寧なようでいて言っていることや態度は傲慢です」
「ラクアートは一体どうして、しょうもない女にばかり引っかかるんだろう」
「自称聖女たちがラクアート様は一応公爵家の嫡男だし、性格的にも与し易しと見て取り込んでいるんじゃないでしょうか」
「アイツ、煽てられると調子に乗るところがあるから」
「それにしても、ピンクと茶ピンクがリーナの事を簡単に利用できる相手として見ているのが本当に頭にくる。リーナ、何時までも優しい顔をしていないで、アイツらまとめて殲滅してしまえ」
「もう、お兄様」
久々にお兄様の殲滅してしまえ! が聞こえてきた。
でも、どうしましょう。これまでの伝承にある通りに茶ピンクさんは不思議な夢を見ると申し出てきたけど、魔王こと、小太郎さんの封印に関しては『魔王討伐』と言っていたのが気になる。
それに、ピンクさんが言っていた通りに7人でチームを組むと言っていたし、どうして私がシーフの役割になるのか分からない。
「なにより、魔王復活の際には桜の花は全開になる。全開になってから聖女の申し出があるはずなのに、今回の桜はまだ七分咲きだ」
「俺たちの、というか前世だと七分咲きは満開という認識になるが、この世界の桜の全開までは後三分ある。魔王の封印は解けていない。それに魔王を討伐してどうするんだ。魔王の封印はこの世界の要だ。小太郎さんを解放するにも討伐してはダメだろう」
「多分だけど、茶ピンクは乙女ゲームの知識からこの夏が魔王封印の時だと判断して、夢も見てないのに聖女の名乗りを上げたんじゃないか。討伐に関しては勝手に封印よりは討伐してしまえ! とでも思ったとか」
「そして、何故かリーナを近くに置きたがるのはリーナの『水魔法の加護』を何とかして奪い取ろうとしているんだと思う」
「リーナ様の『水魔法の加護』を奪うためには多分、リーナ様からの申し出が必要で、その為にリーナ様の心を折ろうとしているのでは」
ノヴァ神官の『真実の目の加護』は聖女に関しての真実を見る事ができるが、それは聖女が杖を手にしてからわかるもので、今の茶ピンクさんを見ても嫌な気持ちになる、という事だけしかわからないそうだ。
アルファント殿下とノヴァ神官、お兄様とランディ様からは色々な意見が出たが、私達は茶ピンクさんの言動に怒っていて、冷静ではないのでまた改めて明日にでも話し合いをする事になった。
しばらく、茶ピンクさんは様子見となったが、聖女として名乗り出た為、神殿の奥にある聖女の控え部屋に滞在する事になった。
聖女の部屋は神殿の中でも特別に美しく整えられているのだけれど、聖女の控えの間は急に豪華な部屋に案内されると委縮する聖女の方もいらっしゃるので、聖女の部屋よりは少し控えめに作られている。
その部屋に案内された茶ピンクさんは
「実際に見るとそこまで豪華でもないのね。でも、まぁ良いモノが置いてあるようだからいいか。私の為の侍女を呼んでお茶を入れてちょうだい。食事もこちらへ運ばせて。神殿の簡素な食事ではなく、闘いに行くのだからしっかりとお肉料理を中心にいいモノを用意してね。今すぐは無理でも明日からはちゃんとした御持て成し料理を期待しているから」
とおっしゃったそうである。
茶ピンクさんは物凄く自己主張が強い。
前世でもああやって生きてきたのかしら。
しかし、茶ピンクさんが名乗り出た聖女の為に特別な部屋が大神殿に用意されているはずだから、儀式までその部屋に滞在したいと言い出した。
ラクアート様も討伐メンバーなので並びの部屋があるはずだと言われ、どうしてその事を知っているのかと問われた茶ピンクさんは自信満々で、
「女神から詳しい話は聞いております。とりあえず儀式まではその部屋に滞在いたします。ラクアートも一緒ですし、明日からは討伐メンバーの選別に移りたいと思っています。平民の中にメンバーがいるはずですから」
「いえ、まだ聖女の存在については伏せておきたいので」
「では仕方がないので、儀式まではここに滞在します」
「まだ、聖女と決まったわけでは」
「ですので、儀式をするんでしょう! 貴方、良くない気を纏っているようですけど聖女に逆らう気ですか」
「良くない気?」
「ええ、何となくですけど貴方に近づきたいとは思いません。それに神官長を差し置いて勝手な発言をしないでくれますか」
「いや、彼は聖女が現れた時はお世話係になりますので」
「では、担当を変えて下さい。私はこの世界のために魔王を討伐するのですから」
「いえ、魔王は討伐ではなく封印、」
「封印より、討伐してしまえばこれで終わりでしょう! とにかく、責任者は神殿長ですよね。お帰りになったら私の所に来るように伝えて下さい。そこの貴方、聖女の部屋に案内して」
茶ピンクさんは偉そうにドアの所に控えていた神官に声をかけた。
ノヴァ神官は凄く嫌そうな顔をしたが、
「聖女のための控えの間に案内しておいて」
と神官に声をかけた。
神官は「宜しいのでしょうか」と聞いてきたが「いいに決まっているでしょう」という茶ピンクさんに押されるように部屋を出ていった。
ふーっとため息をついたノヴァ神官と新官長がドアを開けて茶ピンクさんたちが居なくなったことを確認してから私達のいる部屋にやって来た。
「あいつ、ムカつくな。リーナに対する態度が特に」
「女神様とリーナ様に対する敬意が見当たりません。しかも、割と言葉は丁寧なようでいて言っていることや態度は傲慢です」
「ラクアートは一体どうして、しょうもない女にばかり引っかかるんだろう」
「自称聖女たちがラクアート様は一応公爵家の嫡男だし、性格的にも与し易しと見て取り込んでいるんじゃないでしょうか」
「アイツ、煽てられると調子に乗るところがあるから」
「それにしても、ピンクと茶ピンクがリーナの事を簡単に利用できる相手として見ているのが本当に頭にくる。リーナ、何時までも優しい顔をしていないで、アイツらまとめて殲滅してしまえ」
「もう、お兄様」
久々にお兄様の殲滅してしまえ! が聞こえてきた。
でも、どうしましょう。これまでの伝承にある通りに茶ピンクさんは不思議な夢を見ると申し出てきたけど、魔王こと、小太郎さんの封印に関しては『魔王討伐』と言っていたのが気になる。
それに、ピンクさんが言っていた通りに7人でチームを組むと言っていたし、どうして私がシーフの役割になるのか分からない。
「なにより、魔王復活の際には桜の花は全開になる。全開になってから聖女の申し出があるはずなのに、今回の桜はまだ七分咲きだ」
「俺たちの、というか前世だと七分咲きは満開という認識になるが、この世界の桜の全開までは後三分ある。魔王の封印は解けていない。それに魔王を討伐してどうするんだ。魔王の封印はこの世界の要だ。小太郎さんを解放するにも討伐してはダメだろう」
「多分だけど、茶ピンクは乙女ゲームの知識からこの夏が魔王封印の時だと判断して、夢も見てないのに聖女の名乗りを上げたんじゃないか。討伐に関しては勝手に封印よりは討伐してしまえ! とでも思ったとか」
「そして、何故かリーナを近くに置きたがるのはリーナの『水魔法の加護』を何とかして奪い取ろうとしているんだと思う」
「リーナ様の『水魔法の加護』を奪うためには多分、リーナ様からの申し出が必要で、その為にリーナ様の心を折ろうとしているのでは」
ノヴァ神官の『真実の目の加護』は聖女に関しての真実を見る事ができるが、それは聖女が杖を手にしてからわかるもので、今の茶ピンクさんを見ても嫌な気持ちになる、という事だけしかわからないそうだ。
アルファント殿下とノヴァ神官、お兄様とランディ様からは色々な意見が出たが、私達は茶ピンクさんの言動に怒っていて、冷静ではないのでまた改めて明日にでも話し合いをする事になった。
しばらく、茶ピンクさんは様子見となったが、聖女として名乗り出た為、神殿の奥にある聖女の控え部屋に滞在する事になった。
聖女の部屋は神殿の中でも特別に美しく整えられているのだけれど、聖女の控えの間は急に豪華な部屋に案内されると委縮する聖女の方もいらっしゃるので、聖女の部屋よりは少し控えめに作られている。
その部屋に案内された茶ピンクさんは
「実際に見るとそこまで豪華でもないのね。でも、まぁ良いモノが置いてあるようだからいいか。私の為の侍女を呼んでお茶を入れてちょうだい。食事もこちらへ運ばせて。神殿の簡素な食事ではなく、闘いに行くのだからしっかりとお肉料理を中心にいいモノを用意してね。今すぐは無理でも明日からはちゃんとした御持て成し料理を期待しているから」
とおっしゃったそうである。
茶ピンクさんは物凄く自己主張が強い。
前世でもああやって生きてきたのかしら。
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