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②街までの道程
⑼ヒロトの嫉妬
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ユーリとセイとの勉強はユーリの頑張りもあって、順調に進んでいます。この頃はユーリ自身がセイに話しかける事も増えており、使用人達も2人の事を微笑ましく見ていました。
しかし、例外もいます。そう、父親のヒロトです。ユーリとセイが楽しそうに、母親であるユキの詩集を読んでいるのを見ると、途端に不機嫌な顔をして凄んだ声で使用人に命令するので、商隊の皆から白い目で見られていました。
流石にマズイと思った親友でもある、護衛隊長のダイがヒロトに苦言を言いますが、ヒロト自身もコレではいけないと思っているのですが、どうしてもユーリとセイを見ると心が荒んで来てしまうようです。
「ヒロト、流石に今のままはマズイぞ!」
「あぁ、ダイ。わかっちゃぁいるんだ!」
「じゃぁ、何とかしろよ!」
「だが、ユーリ達を見てると、どうしようもなく心が荒んでくるんだよ……」
「おい、ヒロト。それって……」
「ううん、何だよダイ」
「ちょっと聞くが、その心が荒んでくるのはいつだよ!」
「そうだなぁ、ユーリとセイが勉強してる時だが……」
「ハァ~、おい、それって、セイに嫉妬してるって事かぁ~」
ヒロトの暴走の理由を聞き出したダイは、心底呆れてしまいました。まだ10歳になったばかりの娘を勉強を見ている家庭教師に取られたと思って、辺りに当たり散らしているのですから、誰が聞いても呆れるレベルです。
「おい、ヒロト。いい加減気が付けよ!」
「なにを気付けって言うんだよ?」
「だ・か・ら、セイにお前が嫉妬してるって!」
「はぁ~、オレがセイに嫉妬~?」
「おいおい、本当に気付いてないのかよ」
「おい、オレは、嫉妬してたのか?セイに?」
「あぁ、お前の行動はそうとしか思えないぞ!」
「そうか……。オレは嫉妬してたのか……」
「まあ、気を落とすなよ。……多分だが、ユーリとセイはお前が嫉妬してるなんて思っちゃぁいないからさ」
項垂れるヒロトにダイは気休めになる言葉をかけます。常々、ユーリにはカッコイイ父親を見せたいと言っていたヒロトです。そう見えるように頑張っていましたのでユーリも、まさか父親が家庭教師役のセイに嫉妬してるとは思ってもいないはずです。なので、ヒロトに助言する事も忘れません。
「おい、ヒロト。まだユーリは恋だの愛だのわかる年じゃぁないだろう?」
「そうだな。ダイ。……悪かったよ」
「まあいいさ。早い内にお前の気持ちがわかって」
「だから、悪かったって、言ってるだろう」
「まあなぁ、可愛い娘に悪い虫が付いたと思っちまったんだろう?…だが、表に出しちまったのは頂けねえなぁ」
「あぁ、お前の言う通りだよ。ダイ。……皆んなにも謝ってくるよ」
「そうしてくれよ。皆んなあんたのことは好きなんだからよ!」
「そうかなぁ。うん、そうだよなぁ!でなきゃ、ついて来てくれねぇよなぁ」
「そう言う事さ。じゃぁ、皆んなの事は頼んだぜ。ヒロト」
ダイはヒロトが自覚した事に心から安堵しました。最後には冗談めかして、商隊の皆がついて来てるのは、自分も含めてヒロトのことが好きだからだと教えました。それを聞いたヒロトは、ここまで最高の仲間を持てて良かったと思うのでした。
しかし、例外もいます。そう、父親のヒロトです。ユーリとセイが楽しそうに、母親であるユキの詩集を読んでいるのを見ると、途端に不機嫌な顔をして凄んだ声で使用人に命令するので、商隊の皆から白い目で見られていました。
流石にマズイと思った親友でもある、護衛隊長のダイがヒロトに苦言を言いますが、ヒロト自身もコレではいけないと思っているのですが、どうしてもユーリとセイを見ると心が荒んで来てしまうようです。
「ヒロト、流石に今のままはマズイぞ!」
「あぁ、ダイ。わかっちゃぁいるんだ!」
「じゃぁ、何とかしろよ!」
「だが、ユーリ達を見てると、どうしようもなく心が荒んでくるんだよ……」
「おい、ヒロト。それって……」
「ううん、何だよダイ」
「ちょっと聞くが、その心が荒んでくるのはいつだよ!」
「そうだなぁ、ユーリとセイが勉強してる時だが……」
「ハァ~、おい、それって、セイに嫉妬してるって事かぁ~」
ヒロトの暴走の理由を聞き出したダイは、心底呆れてしまいました。まだ10歳になったばかりの娘を勉強を見ている家庭教師に取られたと思って、辺りに当たり散らしているのですから、誰が聞いても呆れるレベルです。
「おい、ヒロト。いい加減気が付けよ!」
「なにを気付けって言うんだよ?」
「だ・か・ら、セイにお前が嫉妬してるって!」
「はぁ~、オレがセイに嫉妬~?」
「おいおい、本当に気付いてないのかよ」
「おい、オレは、嫉妬してたのか?セイに?」
「あぁ、お前の行動はそうとしか思えないぞ!」
「そうか……。オレは嫉妬してたのか……」
「まあ、気を落とすなよ。……多分だが、ユーリとセイはお前が嫉妬してるなんて思っちゃぁいないからさ」
項垂れるヒロトにダイは気休めになる言葉をかけます。常々、ユーリにはカッコイイ父親を見せたいと言っていたヒロトです。そう見えるように頑張っていましたのでユーリも、まさか父親が家庭教師役のセイに嫉妬してるとは思ってもいないはずです。なので、ヒロトに助言する事も忘れません。
「おい、ヒロト。まだユーリは恋だの愛だのわかる年じゃぁないだろう?」
「そうだな。ダイ。……悪かったよ」
「まあいいさ。早い内にお前の気持ちがわかって」
「だから、悪かったって、言ってるだろう」
「まあなぁ、可愛い娘に悪い虫が付いたと思っちまったんだろう?…だが、表に出しちまったのは頂けねえなぁ」
「あぁ、お前の言う通りだよ。ダイ。……皆んなにも謝ってくるよ」
「そうしてくれよ。皆んなあんたのことは好きなんだからよ!」
「そうかなぁ。うん、そうだよなぁ!でなきゃ、ついて来てくれねぇよなぁ」
「そう言う事さ。じゃぁ、皆んなの事は頼んだぜ。ヒロト」
ダイはヒロトが自覚した事に心から安堵しました。最後には冗談めかして、商隊の皆がついて来てるのは、自分も含めてヒロトのことが好きだからだと教えました。それを聞いたヒロトは、ここまで最高の仲間を持てて良かったと思うのでした。
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