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第7章
第355話 王子様をマッサージ※
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学校が休みの間も、クライスは医務室の応援と、いつの間にか就任していた生徒会長の仕事で忙しそう。
でも、医務室の方は、ほとんどの怪我人が回復していて落ち着いてきたらしい。患者の体力を考えてゆっくり治していたんだけど、質の良いポーションが届いたおかげで回復速度が早まっているのだって。
「大丈夫? 疲れてるの?」
夕方になって帰ってきた彼を出迎えると、いきなり胸に飛び込んできてびっくりする。衝撃で倒れそうになる体をなんとか踏ん張って持ち堪えながら、彼を抱きしめ返した。
「大丈夫じゃない。キルナが足りない……」
スーハースーハーと胸の匂いを嗅がれ、恥ずかしくなる。まだお風呂に入ってないから僕絶対汗臭いのに。
「ねえ、早く大浴場に行こうよ。開放時間が過ぎちゃうよ」
「そうだな、すぐに行こう」
今日のお風呂は何色だろう。わくわくしながら大浴場に行くと、青みがかった白色で、アレンの髪の毛の色に似ていた。
「そうだ。アレンは怪我してなかったかしら。きもだめしの時、洞窟の途中で出会ったのだけど」
「ああ、医務室には来てなかったから無事だったんじゃないか?」
「ならよかった」
体を洗おうと鏡の前に座ると、身体中についたキスマークが目に入る。想像以上のマーク量に目を疑った。
(これをテアとリリーに見られたなんて……なんてこと!!)
羞恥に悶えながら、でもなんか身体中に愛の印があるなんて、ちょっと嬉しい……とか思ってしまう自分の変態思考に嫌気がさす。
「どうした?」
「ん、なんでもないよ。そだ。クライス、マッサージしてあげる。ほら、トリアのオイルでいつもやってもらってるから、今日は僕がするよ」
「キルナが? それはうれしいな」
マッサージ台に仰向けに寝転んだ彼の肌に、手のひらで温めたオイルを塗りこめていく。
ぬりぬりぬり。
結構楽しいな、これ。と思いながらどんどん塗っていると、クライスが呻いた。
「ううっ」
「ど、どこか痛かった!?」
力を入れ過ぎてしまったかと焦る。腹筋が硬くて良い手触りだと思って何度も触り過ぎたかもしれない。
「いや、そうじゃないんだが……」
「あ」
彼のアレが大きく育っていた。こんなになってたなんて。どうしよう。せっかく手もヌメヌメしているし、触ってあげようかな。このままじゃ苦しそうだし。
「出してあげるね」
ぬちゅ、くちゅ、ちゅく
オイルの助けを借りてそこを握ったり絞ったりする。ちらりと彼の顔を見れば、アイスブルーの瞳が潤んでいた。ひどく気持ちよさそうにしている。びゅうっと勢いよく出たものをしげしげと眺めて、何も考えずにそれを舐めた。苦い。
「そんなことして、お前、どうなるかわかっているのか?」
出したばかりで色っぽい彼の声が鼓膜をくすぐる。これはもう知ってるパターンだ。僕は彼の目を見てばっちり自信満々に答えた。
「わかってるよ。えっちするんでしょ?」
「!? まぁ、そうだが。わかっていたとは意外だな」
「わかるよ、だって、僕はクライスの婚約者だから」
僕の答えを聞いて、クライスが満足そうに微笑んだ。
「はは、自覚のある婚約者か。さすがキルナ。よくわかっている。俺の婚約者は賢くて可愛いな」
「むぅ、可愛いじゃなくて格好いいと言ってよ。でもやるのはマッサージが終わってからね」
その後うつ伏せになってもらい、背中もしっかり揉み解した。いつもの彼の真似をしてゆっくり時間をかけて丁寧に。クライスは「気持ちいい」ってずっと言っていたし、結構うまくできたみたい。僕、マッサージの才能があるかも!
「そうだ、ユジンにもやってあげようかな」
「ん? 今なんて?」
寝そうになっていた王子様に腕を掴まれた。眠くて聞こえなかったのかな。
「今度一緒にお風呂入った時に、ユジンにもマッサージしてあげようと思って。ユジンも怪我人の治療を手伝ってて疲れてそうだし。ね? あ、あとさ、明日ユジンの部屋に遊びに行っていいかな。お菓子作りを一緒にしたいと思ってるのだけど」
「……」
「ねえ、クライス、聞いてる?」
なんかこの浴場寒いな。空調が壊れてるんじゃ?
でも、医務室の方は、ほとんどの怪我人が回復していて落ち着いてきたらしい。患者の体力を考えてゆっくり治していたんだけど、質の良いポーションが届いたおかげで回復速度が早まっているのだって。
「大丈夫? 疲れてるの?」
夕方になって帰ってきた彼を出迎えると、いきなり胸に飛び込んできてびっくりする。衝撃で倒れそうになる体をなんとか踏ん張って持ち堪えながら、彼を抱きしめ返した。
「大丈夫じゃない。キルナが足りない……」
スーハースーハーと胸の匂いを嗅がれ、恥ずかしくなる。まだお風呂に入ってないから僕絶対汗臭いのに。
「ねえ、早く大浴場に行こうよ。開放時間が過ぎちゃうよ」
「そうだな、すぐに行こう」
今日のお風呂は何色だろう。わくわくしながら大浴場に行くと、青みがかった白色で、アレンの髪の毛の色に似ていた。
「そうだ。アレンは怪我してなかったかしら。きもだめしの時、洞窟の途中で出会ったのだけど」
「ああ、医務室には来てなかったから無事だったんじゃないか?」
「ならよかった」
体を洗おうと鏡の前に座ると、身体中についたキスマークが目に入る。想像以上のマーク量に目を疑った。
(これをテアとリリーに見られたなんて……なんてこと!!)
羞恥に悶えながら、でもなんか身体中に愛の印があるなんて、ちょっと嬉しい……とか思ってしまう自分の変態思考に嫌気がさす。
「どうした?」
「ん、なんでもないよ。そだ。クライス、マッサージしてあげる。ほら、トリアのオイルでいつもやってもらってるから、今日は僕がするよ」
「キルナが? それはうれしいな」
マッサージ台に仰向けに寝転んだ彼の肌に、手のひらで温めたオイルを塗りこめていく。
ぬりぬりぬり。
結構楽しいな、これ。と思いながらどんどん塗っていると、クライスが呻いた。
「ううっ」
「ど、どこか痛かった!?」
力を入れ過ぎてしまったかと焦る。腹筋が硬くて良い手触りだと思って何度も触り過ぎたかもしれない。
「いや、そうじゃないんだが……」
「あ」
彼のアレが大きく育っていた。こんなになってたなんて。どうしよう。せっかく手もヌメヌメしているし、触ってあげようかな。このままじゃ苦しそうだし。
「出してあげるね」
ぬちゅ、くちゅ、ちゅく
オイルの助けを借りてそこを握ったり絞ったりする。ちらりと彼の顔を見れば、アイスブルーの瞳が潤んでいた。ひどく気持ちよさそうにしている。びゅうっと勢いよく出たものをしげしげと眺めて、何も考えずにそれを舐めた。苦い。
「そんなことして、お前、どうなるかわかっているのか?」
出したばかりで色っぽい彼の声が鼓膜をくすぐる。これはもう知ってるパターンだ。僕は彼の目を見てばっちり自信満々に答えた。
「わかってるよ。えっちするんでしょ?」
「!? まぁ、そうだが。わかっていたとは意外だな」
「わかるよ、だって、僕はクライスの婚約者だから」
僕の答えを聞いて、クライスが満足そうに微笑んだ。
「はは、自覚のある婚約者か。さすがキルナ。よくわかっている。俺の婚約者は賢くて可愛いな」
「むぅ、可愛いじゃなくて格好いいと言ってよ。でもやるのはマッサージが終わってからね」
その後うつ伏せになってもらい、背中もしっかり揉み解した。いつもの彼の真似をしてゆっくり時間をかけて丁寧に。クライスは「気持ちいい」ってずっと言っていたし、結構うまくできたみたい。僕、マッサージの才能があるかも!
「そうだ、ユジンにもやってあげようかな」
「ん? 今なんて?」
寝そうになっていた王子様に腕を掴まれた。眠くて聞こえなかったのかな。
「今度一緒にお風呂入った時に、ユジンにもマッサージしてあげようと思って。ユジンも怪我人の治療を手伝ってて疲れてそうだし。ね? あ、あとさ、明日ユジンの部屋に遊びに行っていいかな。お菓子作りを一緒にしたいと思ってるのだけど」
「……」
「ねえ、クライス、聞いてる?」
なんかこの浴場寒いな。空調が壊れてるんじゃ?
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