27 / 52
泥棒退治
しおりを挟むモーレットたちが毛皮取りをしている間、俺たちも何かしなければならなくなった。次の日にはアイリが呼び出されて、色々とものを運んだようで、山小屋の中で鍛冶や裁縫も出来るようにした様だった。
クレアとアイリも一緒に釣りをして、錬金でお金を稼ぐつもりのようだった。朝の早いうちに湖が近くにある街へと馬車で行ってしまった。
俺のスキルでは金稼ぎなんて無理だよなと思っていたら、タクマから連絡が入った。
「冗談じゃねえよ。あんな洞窟に何日も閉じ込められて、俺は気が狂いそうだ」
「でも魔法は揃ったんだろ。良かったじゃないか」
「クラスⅣは買取だったぜ。おかげで魔法は揃ったけどよ、金の方は全然稼げてねえよ」
大手ギルドは意外にも世知辛いようだ。出た魔法書くらいタダで覚えさせてやればいいのに、ギルド員にも買い取らせるとはかなり厳しい。まあ前衛は装備の消費もあるから仕方ないのかもしれない。
クラスⅣなんて十万近くするのだから、十日くらいじゃ金なんか稼げなかっただろう。
「しかも全員で洞窟なんかに行ってたから、ギルドハウスに泥棒が入りやがってよ。俺の貯めてた金まですべて持って行かれちまったよ」
「そりゃご愁傷さまだな」
そう言いながらも俺はギクリとさせられた。俺たちも金こそ入れてないが、装備などはかなりギルドハウスのチェストに放り込んだままにしている。
「ふざけやがって。俺はもう生きてく気力をなくしたよ」
「ランクはいくつになったんだ」
「28だよ。そっちは」
「38だ」
「相変わらずお前はふざけてるな。先行組のトップだって30からは上がりにくいって言って、誰もまだそこまではいってないだろ。今はお前がトップなんじゃないのか」
「そうかもな。だけど秘密にしといてくれよ。これ以上騒がれるのは嫌だ」
「別にいいじゃないかよ。どっちにしろお前は有名人だ」
「色々話しかけられて大変なんだよ。今朝だって市場に行ったら、何を買いに来たんですか、今どこでやってるんですかって質問攻めにされたよ。アイリなんか街を歩けば人の流れが割れるぜ」
「ははは、そりゃサラシナさんは個人戦で優勝したからな。それより俺はもう真面目にやるのはヤメたぜ」
「奴隷商館に盗みにでも入ることにしたのか」
「それだ! それしかねーだろ!」
「いや、奴隷との契約は特殊なことをやるから俺たちじゃ無理だぜ」
「チッ、なるほどな。それよりも最近になって悪い噂の立つギルドが増えてきたんだ。盗みだとか詐欺だとかな。どうやってるのか、身元をうまく隠しながらやってる奴らがいるんだよ」
「仮面アイテムじゃないか。名前とか詳細なんかが表示されなくなるんだ。セルッカのスラム街で俺も仮面をつけたプレイヤーキラーに襲われたことがある」
「いっそのこと俺たちもPKをやってみるか」
「犯罪者になる奴が必要になるぞ。犯罪者になるとNPCとの取引もできなくなるから、コンパニオンを買うこともできなくなるんだ。引き受けてくれる奴はいないと思うぜ」
「じゃあ、やっぱり盗みだな。黒い噂の絶えないギルドを狙うんだ。いわば義賊だぜ。悪いことして私腹を肥やしてる奴らを成敗するんだ。大義はこっちにある。俺はこのまま黙って泣き寝入りなんてできねえよ」
盗みをやってるギルドを狙うというのは悪くないかもしれない。それならこちらの良心も傷まないし、そういった行為は高くつくという牽制にもなる。だけど窃盗や犯罪システムのルールを知らない奴を狙うよりは、知ってる奴を相手にする方が難易度は格段に上がる。
対策だって立てているに違いないのだから、俺たちのような素人にやれるかは疑問だ。
しかし口うるさいのがいない今しか俺にはチャンスがない。
「お前のところに忍者のフクハラさんがいるだろ。彼女なら盗みぐらいわけないんじゃないのか」
「忍者は一方的に戦いを拒否できるけど、行動阻害を食らったら一発でおしまいだぜ。戦うこともできないからな。狭い室内ならなおさらだ。俺とお前で行った方が戦えるし便利だと思うぜ」
「そんなこと言ったって、俺のリザレクションなんて、ほとんど成功しないんだぞ」
「戦闘不能になるような事態なら、もうロストするしかねえよ。そのくらいのリスクはあるんだ」
「ふん、そのくらいわかってるよ。ロストがなんだ。俺は何としてもメエちゃんをものにするって決めたんだ。そのためなら悪魔にだって魂を売るぜ」
「復讐の話はどこ行ったんだ。目的が邪なものにすり変わってるじゃないか。アリスとクリスティーナに話はつけてあるのか」
「そんなのは後だ。まずは盗みに入ろうぜ。もう俺たちのギルドに入った奴らの場所は割れてるんだ」
すぐにタクマがやってきたので、俺は必要のない荷物をギルドハウスに置いてタクマの案内に従った。剣をどれにしようか迷ったが、そもそも窓から侵入するのにレッサードラゴンブラッドソードは大きすぎて入らない。デストラクションを使って戦うわけにもいかないからオシリスの宝剣も意味がない。
俺はアイスソードと詠唱阻害付きのクリティカルナイフだけを持ってきた。
窃盗に入る場合、盗んでいるところさえ見られなければ大したペナルティタイムは発生しない。盗んだものをスラム以外で売ったりすれば、それもペナルティタイムを発生させる。またPKも、とどめまで刺さなければ短いペナルティタイムで済む。とどめまで刺してしまえば、相手のランクにも寄るが数週間のペナルティタイムが課され、そこでロストが発生すると牢獄でペナルティタイムの10倍の時間だけ過ごさなければならなくなる。
仮面には名前とペナルティーを受けているかどうかを隠す効果があった。これは仮面でなくともマスクのようなものでもいい。しかし戦闘中に耐久がなくなって壊れたりするようなものでは正体を隠す役には立たない。
まあ一度使うくらいならどんなものでもいいだろう。
「とりあえず目出し帽のようなものだけでも買うか」
「そ、そうだな」
「おい、ビビってるのかよ」
タクマはすでに顔も青ざめて非常に頼りない。今からこんな状態で大丈夫なのだろうか。
「もし倒されたら牢獄行きだろ。どうやってペナルティタイムをやり過ごすんだ」
「盗んでるところを見られなきゃ、一つにつき数分のペナルティタイムだぞ。そんなものどうにでもなる。お前はマステレポートが使えるか」
「使えるぜ。テレポートスクロールもある。だけど窃盗のレベルが1なんだよな。あげてからの方がよくないか」
「俺の窃盗はレベル2だ。俺に任せておけばいい。見られてるのに盗むような真似だけはするなよ。盗んでる場面を見られると窃盗じゃなくて、強盗のペナルティーを受けるんだ。そうならないように気をつけろ。仕事が終わったら、何も考えずに、とにかく俺のギルドハウスに飛べよ。それと俺が魔剣の力を開放してブリザードを使ったら、その時も何も考えずにギルドハウスを目指せ」
「わ、わかった」
タクマはビビりあがっていて、非常によろしくない。手筈さえ間違えなければなにも恐れる必要などないはずなのだ。飛び道具での攻撃を受けて戦闘状態にされれば、テレポートの類は使えなくなる。それだけが唯一の脅威と言ってもいいだろう。
だけど昼間のギルドハウスに人員を残しておく余裕などあるわけがないのだから、こんなのは楽勝のはずだ。
「こんなちょろいヤマを前にビビりすぎだろ。そんな調子だと手順を間違うぜ」
「そんなこと言ったってな。お、俺はお前ほどランクも高くないしよ」
「ランクなんて関係ないだろ。基本的にペナルティータイム中は逃げることに専念するんだ。間違っても相手を倒そうとしたりするんじゃないぞ。盗賊と忍者に追われたら、背中だけは何がなんでも守れよ」
俺たちは市場で目出し帽を二つ買った。冬を前にして二つしか在庫がないほどの不人気商品だ。こんなものを被っていれば賞金稼ぎに命を狙われることもあるんだから当然だ。
盗みなんかするからこんなことになったんだと教訓を与えるために、天誅と紙に大きく書いたものも持った。
俺たちは盗みを働いているという奴らの隠れ家――ギルドハウスの前までやってきた。まだ明るいから天眼のスキルは反応を示さない。アラートオーブも当然のことながら反応がない、かと思ったら、タクマに反応して真っ赤になっている。
「いいかげん腹を決めろ。取られたものを取り返すんだろ。これは戦争なんだ。何が起きたって最悪牢屋に入るだけだぜ。盗みだけなら数週間で出てこられる」
「だ、だけど盗みをやってる奴らの罪をかぶってさ、悪評が広まるかもしれないぜ。最近盗みを働いてたのは俺たちなんだってことになったらどうするんだ」
「今更、引き返すための口実ばかり考えるな。やると決めて腹を据えるんだよ。失敗を恐れても何も変わらないぞ。失敗する可能性を受け入れて最善を尽くすことだけ考えろ」
「かっこいいけど、コソ泥が標語にするには大げさだな」
タクマが笑って言った。俺たちは目出し帽をかぶって準備を済ませる。多くののギルドハウスに囲まれた場所で、この時間帯の人通りは全くない。
俺は消音ポーションを鍵穴の周りに振りかけて、ピッキングセットを差し込んだ。しかし手応えがまったくない。これはグレード4かそれ以上の鍵であるように思えた。
「まずいな。これはピッキングじゃ開かないぜ」
「どうするんだよ。出直すか」
「いや、窓をぶち破って入ろう」
俺は窓に消音ポーションを掛けた。そして剣でガラス窓を叩き割った。消音ポーションのおかげでカラスが地面に落ちる音しかしない。俺たちは反対側の窓に回って、そちらの窓も消音ポーションをかけてから叩き割った。これは逃げ道を確保するためである。
そのまま息をひそめて、人の足音がしないか確かめる。心臓の音がうるさくて周りの音が上手く聞き取れない。ならば足音なんか気にせずやるしかない。
タクマに向かって頷くと、俺たちは割れた窓から中に入った。入った先はリビングだった。
そこら辺のギルドハウスから盗み出したであろうチェストが乱雑に積み上げられている。よくこれだけ集めたものだと感心してしまうほどの量だった。
他の部屋も確認してみたが、誰もいなかった。トラップも設置されていたが、俺の天眼によってすべて無効にする。
「お前の情報は正確だな」
「まあな。急に金遣いが荒くなって、周りを見下すような発言が増えたそうだぜ」
常に周りを見下してるところがある俺には耳の痛い発言だった。
チェストのグレードはどれも高くない。俺が開けると、タクマは金になりそうなものだけインベントリに移していた。チェストを開けていくと、一つだけ開かないチェストがある。このギルドハウスに付いていたものだろう。たぶんグレード4まで上げられている。
各部屋にも開かないチェストが一つずつあった。俺はその四つのチェストをインベントリの中に収める。非常に重たくて動くのにも支障が出るようになった。
そこで騒がしい声が割れた窓から聞こえてくる。
「おい、やばいぜ」
俺はこっちだと、あらかじめ割っておいた反対側の窓から外に転がり出る。タクマは漁れていなかったチェストを欲張ってインベントリの中に入れたから、俺以上に動きが悪くなった。
血だらけになって、血だらけのタクマを割れた窓から引っ張り出すのと、怒声が聞こえてきたのは同時だった。
どうやらギルドハウスの持ち主が荒らされたリビングに気付いたらしい。
通りの方に走ろうとするタクマを引き留めて、俺は天誅と書かれた紙を割れた窓から放り込んだ。そして通りの側とは反対にギルドハウスの裏に向かって移動する。
裏の茂みに隠れてタクマにマステレポートの魔法を使わせた。やってきた奴らは表通りに通じる方へと探しに行っている。
見つかることもなく、俺たちはその場から脱出した。
「やってやったぜ!」
「お前な、どうして最後に欲をかいたんだ。あれのせいでかなりぎりぎりだったぜ」
「上手く行ったんだしいいじゃねえかよ。それよりもお前の持ってきたチェストも開けてみようぜ」
「ゆうくん?」
ギルドハウス前でニャコに声を掛けられた。俺たちはなんでもない風を装ってギルドハウスに入り、俺の部屋に入った。目出し帽をかぶっていたが、なんということはなくギルドハウスには入れた。
よく確認すると真っ赤なデバフアイコンが視界の中に現れており、ペナルティータイム5時間と表示されていた。タクマの方は3時間だ。アイコンには泥棒と説明が表示されている。
「ゆうくん、泥棒ニャんてよくニャいと思うよ」
「ななな、なんのことかな」
ニャコは何も言わずに睨んでくる。そう言えば犯罪者がいると警告表示が現れるのだ。これは目出し帽で顔を隠していても意味がない。
俺はとっさに言い訳を考えた。
「ちょっと俺の友達がドジ踏んで犯罪者にさせられちゃったんだよ。そいつを匿っているんだ。別に悪いことしたわけじゃないよ」
「そうニャの」
「そうだよ。俺がそんなことするわけないだろ」
ニャコはそれで引き下がった。これはギルドハウスの近くに来られただけでも犯罪者がいることがばれてしまう。このギルドハウスの周りはあまり建物がないのだ。
だけど、だからこそあまり探されないだろうというのはある。俺たちが盗みをやったと知る者はいないのだから、今は大丈夫だろう。
「これが切れるまではギルドハウスの中にいるしかないな。お前も外には出られないぜ」
「まあいいさ。それより早く開けてみろよ」
開けられなかったチェストボックスは結局のところ窃盗のレベルが上がるまで開けることは出来なかった。俺はひたすら6時間以上も鍵穴をいじることになった。
窃盗のレベルが上がったのはMPにものを言わせて、暇があれば天眼のスキルを使っていたおかげだろう。窃盗のレベルが上がるとともにチェストの方も開いた。
窃盗のレベル欄はMAXと表示されているので、これ以上上がることはないようだ。
中から出てきたのは装備品やアクセサリー、スクロール、それに魔法書などだった。どれも金になりそうなものばかりだ。ゴールドもあるがロンダリングせずには使えないだろう。
「普通のアイテムと混ぜるなよ。これはスラムで売らないと足が付くんだ」
「へへへ、これだけあればかなりの金になりそうだな。さっそく売りに行こうぜ」
真っ暗闇の深夜に、俺たちはスラム街に来ていた。ペナルティータイムは明けたので、視界の端に犯罪者のいる旨が表示されている。犯罪者になっていたからこそ分かるが、ペナルティータイム中は命を狙われているんじゃないかと疑心暗鬼になりやすい。かなり不安定な心理状態に陥る。
クレアでも近くにいたら、俺は誰にも負けない自信があるが、相棒がタクマでは心細いことこの上なかった。誰にでも斬りかかる通り魔になるまでそんなに時間はいらないだろうと思われるほどだ。そんな心理状態になってる奴が近くにいるというだけでも、かなり嫌なものである。
召喚組の中で最もランクが先行してる俺ですらそんな心理状態になるのだ。
「モーレットから聞いた話だとこの建物みたいだぜ」
「さっさと中に入るぞ」
なにを焦っているのかタクマは犯罪者ギルドの建物にノックもしないで入って行った。仕方ないので俺もそれに続いた。
中ではチンピラたちが酒を飲んで騒いでいる。それを見守るようにして座っているアリスとクリスティーナがいた。
アリスだけは一応酒を飲んではいるが、酔っぱらうほどではない。
「こんなところに勝手に入ってくるとは、肝が据わってるね」
「今のボスはアンタらだよな」
「そうだ。それでアタシらに何の用があって来たんだい」
二人を前にしたらタクマは急におどおどし始めたので、俺がアリスと話をするしかない。
「引き取ってもらいたいものがあるんだ」
「裏のある商品なんだろうね」
「まあな」
「アタシらと取引したいならスジを通してもらおうか。いくらボスの男であってもだ」
急にクリスティーナが話に入ってきて言った。アリスと違ってクリスティーナは泥酔している。この酔っぱらいを相手にするのは嫌だなと思った。
面倒なことを言われる予感しかしない。こんなところで時間を取らされるのは面倒だ。
もし難題を吹っ掛けられたら、暗黒街は俺が治めてやろうかという気になってくる。こんな奴らを倒すくらいはわけないのだ。クレアたちが嫌というなら新しい仲間を集めたっていい。俺にはそれくらいのことが出来る。
「スジを通すってのは」
「アンタ、いい顔をするじゃないか」
アリスが俺の顔を見て言った。しかしクリスティーナはそんなことお構いなしだ。
「誰か男をアタシらに差し出しな。それなしで取引は出来ないよ」
「それがルールなんだよ。今日は盗品を売りに来た奴はいないかと探しに来た奴らがいたんだ。そいつらもアタシらと取引している。アンタらと取引すれば、そいつらに嘘をつかなきゃいけなくなるんだ。いくらボスの男でもフェアな取引相手になってもらわなきゃ、かばえないんだよ」
すまないねとアリスは付け加えた。
この距離で見て初めて気が付いたが、二人はゴリラかなんかの獣人であるようだった。つまり人間の男を寄こせということだろう。男好きな奴らだ。
コウタじゃダメなのかと尋ねたら、一度食った男はダメだと言われてしまった。それにコウタはすでに取引をしているという。そんな商売にまで手を広げているらしい。サブ職も錬金と鍛冶と裁縫をあげているとリカから聞いたことがある。コウタも頑張っているようだ。
「ど、どうするんだよ」
「連れてくるしかないな。ミサトさんでいいだろ」
コウタのような雰囲気の顔だし、知り合いの中ではそれしか心当たりがなかった。
「あ、あの人は妻子持ちだぞ」
「だけどそれ以外に誰がいるんだ。お前が相手するか」
「チッ、こうなりゃ悪魔にだって魂を売るよ。だけど、どうやって呼び出すんだ」
「風俗をおごるとか、適当に理由をつければいい」
俺たちは空き部屋を貸してもらって、そこにミサトをおびき寄せることにした。風俗で外れを引いたと思ってミサトには涙を呑んでもらうしかない。
あえて風俗だとは言わずに、日ごろのお礼がしたいと言って呼び出すようにタクマに言った。そしたら来てくれるという手筈になった。
「ここまで悪に手を染めちまったら、もう真人間には戻れないかな」
「つまらないことを言うなよ。しょうがないだろ」
「自分のところのギルドマスターを売る日が来るとはな」
しばらくしてミサトはやって来た。何があるのかなとか言ってるが、スラム街に呼ばれたのだから、そういうことを期待しているのは間違いない。
「どうして、ベッドに縛り付ける必要があるのかな」
「そういうプレイなんですよ」
「えっ、そういうプレイって、風俗とかそういうのは困るよ」
困るよとか言いながら少し笑顔なのが、俺たちの良心を締め付ける。しかしコウタはそこまで悪い感じじゃなかったし、この人もコウタに似たところがあるから何とかなるだろう。確かに顔も似ているが、ここでいう似たところというのはSとMで言うところの、Mであるとかそういったことだ。
俺たちは部屋の外に出て、アリスたちに捧げる生贄の用意が出来たことを告げる。
「いつ頃終わるんだ」
「朝まで終わりゃしないさね。盗品を売りたいなら、ヒゲ爺に言いな。小便通りの角の店にいるはずだ。どうせそんな用事なんだろ」
アリスは小さく笑うと部屋に入って行った。それに続いてクリスティーナや他の連中まで入って行く。そのなかにはスラリとした綺麗どころの女もいるので、タクマは少しうらやましそうな顔をしていた。
「あんまり気にするな。世の中にはああいうのを好きな男もいるんだよ。日頃のお礼だと思っておけばいいんだ」
「あ、ああ。だけど朝までとなると地獄だな」
「それより早く売りに行こうぜ。盗品をいつまでも持ってるのはやばい」
俺たちは言われた通り、細い路地の角の店で盗品を売り払った。俺たちが盗みに入った奴らはかなり荒稼ぎしていたらしく、すべて売り払うと500万近い額になった。これなら向こうも死に物狂いで探しているだろう。
俺たちで200万ずつ分けて、残り100万はミサトへの口止め料プラス見舞金にすることにした。
0
あなたにおすすめの小説
鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった
仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす
蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。
追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。
しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。
港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。
イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。
犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。
被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。
追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる