ヴァンパイア陛下は森の中に住む女性に恋に落ちる。

藍田 のひか

文字の大きさ
22 / 60
四章

06

しおりを挟む
「風が気持ちいいわ」

 アネシーは寝室の窓を開けて肌で風を感じた。すると寝室の扉が開いた。

「アネシー、軽食を持ってきましたよ」

 軽食にと持ってきたのはサンドイッチだった。

「どうぞ」

「いただきます」

 二人は寝室に風が入る涼しさを感じながらサンドイッチを食べて時間が過ぎて行くのだった。

「アネシー、夕食は何が食べたいですか」

「何がいいいと言われましても・・・・・・では、オウラが私に食べさせたいものを作ってください」

「わかりました。 では野菜カレーを作ります」

「それは楽しみです」

 オウラは早速カレー作りをするためにサンドイッチを乗せた皿を手に持ち寝室を出て階段を降りていった。

 アネシーはベッドから降り、寝室を出て階段からオウラの後ろ姿を眺めた。オウラは真剣に料理をしている。 

 アネシーは階段を降りて外に出て掃除道具を持って料理の邪魔をしてはいけないと二階の寝室から掃除を始めた。
 掃除をしながら風に乗ってカレーのいい匂いが寝室にまで届いた。

「いい匂いだわ」

 寝室の掃除を終えて階段を降りるとオウラに声をかけられた。

「アネシー、夕食が出来ましたよ」

「ありがとうございます、では、残りの掃除をやってしまいますね」

 オウラは風を浴びに外に出ていった。 アネシーはキッチンの周りの掃除を除いて掃除を進める。

 手際よく掃除をし、階段は拭き掃除をして終える。掃除道具を片付け終えるとオウラは地べたに寝転がっていた。 アネシーはオウらのもとに駆け寄った。

「オウラ、寝るのでしたらベッドの上で寝てください」

「アネシーも寝そべってはどうですか? 気持ちいいですよ」

「私は結構です」

「そう言わずに」

 オウラに手を引かれてアネシーは寝転んだ。 すると見たことのない景色が広がった。

「空が綺麗ですね」

「そうですね」

 夕方の空はオレンジ色に染まり心が温かな気持ちになる。

 すると寝転がっていたオウラは身体を起こしアネシーに問いかけた。

「早いですが夕食にしますか?」

 アネシーも起き上がって空を眺めたあとオウラの方を向いた。

「そうしましょう」

 二人は立ち上がってお互いの背中に付いた土を手で払いあった。

 家に中に入り早速オウラはカレーを温めながら野菜を少しの油で素揚げをする。お皿の上にご飯を盛り、素揚げした野菜を入れカレーのルーをかけた。

「さぁ、出来ましたので食べましょうか」

「いただきます」

 王国では食べたことがないカレーでとても美味しい。

「さすが王国の料理長ですね」

「それで美味しいですか? アネシー」

「はい、美味しいですよ、とても」

「それはよかったです」

 夕食を食べ終えてアネシーは椅子から立ち上がった。

「今から私が食器を洗いますのでオウラは先にシャワーを浴びてきてください」

「わかりました、ではシャワーを浴びてきますね」

 アネシーが食器を持って洗い場で食器を洗っていると、オウラがシャワーを浴びている音が聞こえてきた。
 食器を洗い終わったアネシーは寝室に行きカバンから新しい寝巻きを取り出し、階段を降りるとオウラは髪をタオルで拭きながら話しかけてきた。

「アネシー、シャワーから出たので入ってきてください」

「ではシャワーに入ってきます」

 シャワーから出るとオウラはまだ髪が濡れたままでイスに座っていた。

「オウラ、そのまま動かないでくださいね」

「・・・・・・・・・・・」

 オウラは返答をせず寝息が聞こえた。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

診察室の午後<菜の花の丘編>その1

スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。 そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。 「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。 時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。 多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。 この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。 ※医学描写はすべて架空です。

『魔王』へ嫁入り~魔王の子供を産むために王妃になりました~【完結】

新月蕾
恋愛
村の人々から理由もわからず迫害を受けていたミラベル。 彼女はある日、『魔王』ユリウス・カルステン・シュヴァルツに魔王城へと連れて行かれる。 ミラベルの母は魔族の子を産める一族の末裔だった。 その娘のミラベルに自分の後継者となる魔王の子を産んでくれ、と要請するユリウス。 迫害される人間界に住むよりはマシだと魔界に足を踏み入れるミラベル。 個性豊かな魔族たちに戸惑いながらも、ミラベルは魔王城に王妃として馴染んでいく。 そして子供を作るための契約結婚だったはずが、次第に二人は心を通わせていく。 本編完結しました。 番外編、完結しました。 ムーンライトノベルズにも掲載しています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

処理中です...