ヴァンパイア陛下は森の中に住む女性に恋に落ちる。

藍田 のひか

文字の大きさ
54 / 60
六章

04

しおりを挟む
サグイスはドルークに問いかけた。

「俺の言い方が間違ってたのか?」

「陛下は業務や会談では物事をはっきりと言いますがサラーナ様の前になると言葉足らずの所がおありです」

「ただ俺はサラーナの血を毎日飲んで俺の隣にサラーナが居てくれるだけでも幸せなんだと言いたかったんだが」

 サグイスは自分の言動に苦笑いをした。

「今話した事を直接サラーナ様に伝えたらいいのでは? そして今のこれからは何でもはっきりとサラーナ様に伝えるのがよろしいかと」

「ありがとうな、ドルーク」

「いえ、私は陛下の味方でありサラーナ様の味方でもありますのでお二人とも仲良くして頂かないといけませんからね」

「それもそうだな」

 ドルークと話をしていると寝室の扉が開いた。  そしてエリールが入ってきた後ろにサラーナがいた。

「サラーナ……!」

「……サグイス」

 サラーナはサグイスの前まで歩いて止まる。 

「ごめんなさい、サグイス。 貴方の言葉を最後まで聞かずに私、枕を投げたりしてごめんなさい」

 サラーナはサグイスに頭を下げた。

「いいんだ、サラーナは悪くない。 俺が上手くサラーナに伝えようとしなかったからだ。 だから顔を上げてくれ」

 そう言うとサラーナはゆっくり顔を上げた。 そしてサグイスはもう一度自分の気持ちをサラーナに伝えることにした。

「俺はサラーナの血を毎日飲んで俺の隣にサラーナが笑って居てくれるだけで幸せなんだ」

「サグイス、私もサグイスが隣にいてくれるだけでも幸せなのよ」

 するとサグイスはドルークとエリール、サラーナの前で宣言をした。

「これからは言いたいことをはっきりとサラーナに言うことにする。 いいか?」

「それじゃ、私もはっきりとサグイスに言うことにするわ」

 ドルークとエリールは見ないようにと後ろを向いた。 そして私たちは微笑みながら抱きしめたのだった。

「ねぇ、サグイス。 私、王国で必要な学びや作法を覚えたいの」

「それなら俺が教えてやろうか」

「サグイスの業務の邪魔をしたくないわ」

「サラーナなら業務の邪魔では無いけどな」

 二人で話していると、ドルークが話の途中に入ってきた。

「いいえ、陛下は業務に集中して下さい。学びや作法等はエリールの方がよろしいかと」

「エリーが学びや作法を教えてくださるかしら?」

「はい」

「よろしくな、エリール侍女長」

「はい、かしこまりーーえっ、今なんと……?」

「エリーが侍女長?」

 サグイス、ドルークを除いてエリールとサラーナの頭の上には?がついていた。サグイスは落ち着いてわかるように説明をした。

「言ってなかったか、俺の妃に付く侍女はエリールと決まっていたんだ」

「それはどうして?」

「ラディウスが話していただろう、俺の仕えるのがドルークで未来の妃に仕えるのがエリールと。 それで俺の妃はサラーナだ。 だからこれからもエリールはサラーナを仕える侍女ではなく侍女長とする」

 エリールは床に膝をついて頭を下げた。

「陛下、ありがたきお言葉をありがとうございます」

「エリー、おめでとう」

「はい、ありがとうございます。  サラーナ様」

 この日からサラーナはエリールに王国で必要なことを学び日々頑張っている。 そしてお互いの気持ちがすれ違っていた二人は「言いたいことははっきりと言う」ことを約束してからは毎晩サグイスからサラーナの血を求めて毎晩身体を重ねては朝を迎えることが増えた。

 少しずつサラーナは王国の学びも作法も完璧でサグイスの公務を少しだけやれることを手伝っている。そんな中サラーナは左腕の傷は治ったものの傷跡が薄らと残ってしまった。 

 秋の終わりを迎える時期から体調を崩してしまい長引いてる。

「サラーナ、大丈夫か?」

「少し疲れが溜まっちゃったのかもしれないわ。 横になれば大丈夫だと思うから心配はしないで」

 最近は食べても飲んでも吐いてしまい、サラーナは思いがけないことが一つだけあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

婚約者の本性を暴こうとメイドになったら溺愛されました!

柿崎まつる
恋愛
世継ぎの王女アリスには完璧な婚約者がいる。侯爵家次男のグラシアンだ。容姿端麗・文武両道。名声を求めず、穏やかで他人に優しい。アリスにも紳士的に対応する。だが、完璧すぎる婚約者にかえって不信を覚えたアリスは、彼の本性を探るため侯爵家にメイドとして潜入する。2022eロマンスロイヤル大賞、コミック原作賞を受賞しました。

屋上の合鍵

守 秀斗
恋愛
夫と家庭内離婚状態の進藤理央。二十五才。ある日、満たされない肉体を職場のビルの地下倉庫で慰めていると、それを同僚の鈴木哲也に見られてしまうのだが……。

【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております

紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。 二年後にはリリスと交代しなければならない。 そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。 普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

処理中です...