この異世界は絶対にゆるふわVRMMOなんかじゃない!

もやもや、もやしん

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第一章この章の後半を読んではいけない。

第17話 第一回ツンデレ対戦!?9

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「その指輪はどこで手に入れたんだい?」

 二つ目の気になった点の物をメイアに聞いてみた。
 この年で既婚って訳じゃ無いだろうしわざと彼女は右手小指に指輪を嵌めるんだろうか?
 ダイヤモンドが無数に散りばめられ実際に高いのだが見た目もかなり高そうな指輪だ。
 こう言った指輪系の装飾にはアクセサリーとしての物だけでなく効果が付く物も存在する。
 嵌める場所によって効果が変わったりもする。
 序に言うと僕は昔ギルドに所属していた時は右手親指に嵌めていた。

「これですか? ココア様に貰いました。何でも守護の効果があるらしくて」

 彼女の答えを聞いて溜息をつきたくなるが抑える。
 理由としてはこの指輪はBO内では非常に高価な為、簡単に人に渡せる様な物では決して無い。
 普通こんな代物を他人にひょいっと渡すものじゃ無いのだが領主となればそれは普通の事なのだろうか?しかし、こんな物を嵌めていた逆に強盗目当ての悪い奴らや目利きの鑑定士などに言い寄られたりするぞ?

「領主様ってやっぱり優しい人なんだね。それ結構高い物だと思うから大事にしといた方が良いよ」
「分かりました、勿論そのつもりでしたが大事にさせて頂きます」
「それが欲しいって言い寄ってくる人も出てくるかもしれないけどそう言った人は無視した方が良いかもね」
「分かりました」

 とりあえずいい子そうだから僕が言った事は守ってくれそうだけど何かされないか心配だな。
 騙されないかな? まあ、プチ子さんが彼女に与えた物は守護の装飾だから大丈夫だろう。

「マスター、この指輪ってそんなに凄いんですか?」
「装飾に能力が付いてると基本は凄いと思って良いかもね」
「んー、そうなんですか」

 ナフィが興味津々に指輪を見ているが彼女も何か指輪みたいな物が欲しいのだろうか?
 プレゼントに買ってあげるのも良いな。
 やっぱりこう言った物に興味があるって事はナフィにも恋愛感情なんて物があったりするのだろうか?

「お茶は美味しいですか?」

 そう言えばナフィはもう既にお茶に手を付けていたが僕はお茶に手を付けていなかった。そして、その事に気づきすかさずお茶を飲んだ。

「ほんのりと甘くて匂いも良く美味しいです、どこでこのお茶を?」

 ナフィが感想を述べて質問した。
 恐らく買いたいのだろう。家に来客が来た時や午後のティータイムに飲むために。

「これも港の方ですね、最近は海を超えた交流が盛んらしくて」

 もし、海を越えた場所にもワールドが広がっていたら厄介だな。

「マスター、また今度で良いので港に行ってみません?」
「そうだね、僕も行ってみたいな」
「なら、港へ行く大通りもありますのでそこに出れたらここからだと割とすぐに行けますよ」
「どうやらマスター、割と近場にあるらしいですね」
「そうみたいだね」

 楽しみなのかナフィは、はしゃいでいる様にも見えるし顔が笑顔になっている。
 こう言う時のナフィは活き活きしてていつもより女の子らしく見える。
 僕は笑顔ではしゃぐナフィを少しかわいいと感じていた。

「ただ、最近この通りの近くで物騒な事が起きてまして」

 メイアが何か話を付け足した。
 少し真剣そうな顔をしている。
 実際に彼女はアウトサイダーに絡まれていたので、そこら辺は敏感になるだろう。

「物騒な事って?」

 僕は気になったので聞き返した。

「脅すつもりとかは無いんですけど、最近暗殺事件が起きたらしくて」
「暗殺?」
「そうです。どうも細剣で殺されたとか」
「狙われたのはどんな人だったの?」
「かなり上位の戦士で簡単に殺せる様な人じゃないですね」
「犯人は?」
「見つかって無いそうです」
「マスター、これは注意しないと危ないですね」

 確かに殺人事件なんて気を付けた方が良さそうだ。しかも、暗殺かこれと言った対抗策が無い分怖いな。
 でも、狙われたのが上位の戦士なら僕らは狙われる可能性は低いと見てもいいかもしれない。
 ただ可能性が低いとは言えゼロではないので注意しておこう。

「マスター? 怖いんですか?」
「こっ、怖くないよ」

 いや本当に怖い訳じゃない。でも、よく考えてみるとこの世界で死んだらどうなるのだろう。
 このゲームの世界は元いた現実よりよっぽど危険が多い。
 蘇生とか出来るんだろうか?

「メイアちゃん、その戦士って魔法とかで生き返らせたり出来ないの?」

 BOの世界は残念ながら回復アイテムは合っても蘇生アイテムは無い。
 それ故に蘇生魔法もあるにはあるのだが使えるのだろうか?もし、使えなかったら・・・・・・。

「大概は無理ですね、あるにはあるらしいですけど相当な魔導師でないと」
「一応、存在はしてるって考えていいんだね?」
「はい、そうなりますね」

 メイアの答えで少し安心した。
 この世界でも蘇生魔法は使えない事は無いらしい。
 そこの所はゲームに忠実って訳か。

「どうかなさったんですか?」

 メイアが僕に対して心配そうに質問をした。
 考えてみればこの子はゲームに閉じ込められている自覚が無い様に見える。もし、閉じ込められている自覚があるなら蘇生の質問をしても普通だが自覚が無いなら変な質問に聞こえただろう。

「大丈夫、気になっただけだから」

 この子にも聞いてみるか? 自分が何者で今どんな状況に立たされているか。

「メイアちゃんってい」
「すみません。お茶全部飲んじゃったんで2杯名頂いても良いですか?」

 ナフィ!! 何で僕が喋り掛けようとしてるのに!

「良いですよナフィさん」

 やめだやめだ、考えてみればお茶を飲ませてもらって質問攻めなんておかしい。もうこの話はまた今度だ。
 とりあえずこのままお茶を飲みながら話し合い、ナフィとメイアも打ち解け合って僕もナフィも友達ができたので本当に良かった。
 彼女はこの後に少し用事があるとも話していたので少し話したら御暇する事にした。


「今度は家に来てくださいメイアさん今日は本当に楽しかったです」

 別れ際にナフィはぴょんぴょん弾みながらメイアを家に誘った。

「僕も是非来て欲しいです」
「ありがとうございます。お言葉に甘えてまた今度一緒にお茶しましょう」
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