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第一章この章の後半を読んではいけない。
第18話 第一回ツンデレ対戦!?10
しおりを挟む僕達は別れの挨拶をして通りをトコトコと2人で歩いて行く。
時間は3時か4時くらいだろうか? 夕日はまだ出ていないが若干傾きかけている。
まだ時間がある。それこそここから港まではそう遠くないので今日、行ってみるのもありだな。
「ナフィ、まだ時間あるしさ港に行ってみない?」
「行きいです!」
彼女は僕が市場に行く提案をすると嬉しそうに笑みを浮かべながら擦り寄ってきた。
「さあさあ、私も気になってましたので早く行きましょう!」
相変わらずテンションが高い。
ナフィに手を引っ張られながら小走りで通りを進んで行く。
こう言う青春っぽいのも割と悪く無いな。
彼女が手を引っ張ってゆく姿はゆるりとした髪をなびかせ他とは少し違う複雑なローブもヒラリとまう。
手までも柔らかい自然と彼女に包み込まれている気がした。
「あそこですかね?」
相変わらず土地勘だけは凄い。
既に視界に入るナフィの先に港は見えないが周りにある市場が見えた。
かなり近い所にあるな、山からそこまで離れていない。
この都市自体が時代背景からかそこまで開発が進んで無いと見れる。しかし、この港は明らかに文明の違う物が大量に置いてあった。
文明がひっくり返りそうになる程に。
「何でもありますね! 予想以上です」
「僕もだよナフィまさかこんなにも規模が大きいなんて」
服で言うと着物、チャイナドレス、ゴシック、メイド、軍服。
武器なら銃でもほとんど揃うんじゃないか?しかし、銃がこの世界じゃ全く効かないのは明白だ。
なぜならモンスター等の皮や爪を武器に付けることで魔力の効果から攻撃が強化される世界に、鉄の塊を飛ばすだけの道具では傷一つこの世界の人間に付けれない。
でもこの市場は凄いこれなら本当に殆ど何でも揃いそうだ。
街が小さいのではなく市場が大きいだけなのか。
「マスター、あのピンクの液体は何ですか?」
「何だろ? お茶かな?」
何だか美味しそうだし買ってみてもいいかもな。
葉っぱが大量に置いてある。これが港にあるお茶の店かもしれない。でも、お客さんや市場を歩く人達が僕達を見てるような気がする。
女装してるのが原因か?
「これいくらですか?」
ナフィが若い女性店員にそう聞いた。
市場の店一つ一つはそこまで大きくなくクレープ屋の車と同じくらいの感覚で客と店員の位置が近く簡単に話し掛けれる。
「1袋50Gだね強めと弱めどっちがいい?」
「マスターどうします?」
どうするって言われてもな。
まず強めって何のことだ? 味の事だよな? どうせ買うなら強めだな。
「じゃあ強めにしとこう」
「かしこまりやした」
店員はそう答え手慣れた手つきでお茶っ葉の入った袋とお金を交換した。
「まいどあり」
お茶っ葉を買った後に寄りたかったアクセサリーショップにもよる事にしたが想像以上に市場の範囲が広く場所が分かりそうにない。
来る前にメイアちゃんに聞いておけばよかった。
でも大抵は服屋の近くにアクセサリーショップがある。
右に武器や狩りの道具、左にお茶の店や服や家具など日用品まで置いてあるので普通に左だろう。
「どうナフィ左側にアクセサリーショップがあると思わない?」
「そうですね、左側だと思われますが200メートルくらい市場のメイン通りを進んでから曲がった方が良いと思います」
「何でそう思ったの?」
「大抵は勘ですが何故か当たるんですよ、場所の予想は」
何かのスキルか? でも、ナフィは把握している限りそんなスキル持ち合わせていない。
驚異的な位置情報の予想を的中させる能力があるのかもしれない。
原理は全くもって不明だがスキルの一種と考えるべきだ。でも、ただの勘って可能性の方が今は高い。
「もし、勘が当たっていたら何か買ってくれませんか?マスター」
どうせナフィには指輪か何かをプレゼントする予定だったし全く当たっても問題ないので了承しよう。
「良いよ、でも外れたら僕に何か買ってね」
「勿論ですよでもこの賭けはほぼ私の勝ちですよ」
「200メートル先を曲がってそこにアクセサリーショップがあればナフィの勝ちだよ」
「それでオッケーです」
スキルじゃないならただの勘、そこまで的確に場所を覚えているはずがない。
負けの無い賭けだな。
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