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第二章・異国騒音
2話 稲妻
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取り敢えず南国の食糧やら果物などを買い込んでホテルに帰って来た出水は、部屋着に着替えて先程のハンカチを手に取った。このハンカチの端にある刺繍…花の両隣に、剣がある紋章。一目見た時はわからなかったが、よくよく考えて見るとこの紋章は、何ヶ月か前に闇サイトで見かけた賞金稼ぎチーム『エリス』の紋章だ。
「…奴らの一派がこの街に?いや、確かエリスは討伐案件に失敗して壊滅した。もう誰も残っていない…だったか。…一応琵琶持にメールでも送っておくか」
拾わなけりゃよかったか?いや、もう私は拾ってしまった。今更ほっぽりだすのは寝覚めが悪い。そう言えば、『エリス』が失敗した討伐案件の対象って誰だったか。
「まぁいいか。わたしには関係ない」
BBの町外れにある薄暗い廃墟に『雷獣』はいた。雷獣はフードを目深にかぶり、ボロボロの部屋の隅に1人いた。その部屋はパチ、パチ、とどこからか雷獣を中心にして音がなっている。
「誘っているな。舐めやがって…!」
そっと立ち上がった雷獣は、袖をまくって腕に力を込めた。それと共にバチバチバチというけたたましい音が空間内にひびき始めた。
「シィィイイィイィ…ラァッ‼︎」
雷獣がそう叫んだ瞬間、その腕から、バチバチとした激しい音が発生し、そしてイルデーニャ島を覆うほどに大きく、常人でも感じることができる程の電磁波が波紋のように放った。
「これは電磁波が打ち返されてくるな…やはりそこか…」
雷獣は血塗れのハンカチを懐から出した。そのハンカチの隅には『エリス』の紋章があった。
「なんだ…?今の」
今、身体にピリッとした『何か』が走った。身体を動かしてないから痺れたのだろうか。
出水は突然起きたこの現象によって眠りから覚めた。
「午前3時か」
時差は一時間くらいだから日本は今、ちょうど2時ごろだろう。明日辺は何してるかな?あいつのことだ、今頃、夜更かしでもしてゲームに耽ってるんだろうな。
そんなことを頭の中で思い浮かべたりしていると、いつしか出水は再び眠りの底へと沈んでいった。
「なかなか高そうなホテルだ…仲間を全員失った傷心をここで癒そうとでもしたのか?」
雷獣はそう呟きながら、ホテルのトイレから出た。
電磁波に反応するこの忌々しいハンカチを持っている奴等を殺してから、約五ヶ月。残党をあと1人消せば私の正体は永遠に明かされることはない。そしてその悲願達成まであと数十歩もかからない。
「シイィイイイィィイ…『サンダーフォーム』」
雷獣がそう呟くと、雷獣の身体が『二重』に見え始めた。重なり合った二つの体はだんだん距離が開いていき、一つ目の普通の肉体は床にどさっと崩れ落ちた。二つ目の体は雷をそのまま人型にしたような姿であり、長く伸びた電気でできた髪がパチパチと音を立てながら、風もないのにゆったりと揺れている。
「シイィ…『抜け出し』成功。ブラジルからついてきてくれた体だけど、後は1人で帰って頂戴ね?」
雷獣は、『依代』だったものにそう吐き捨てると、反応したハンカチのある部屋へと向かった。
この『エリス』のハンカチは、何か特別な素材で出来ているらしく、私の電磁波を打ち返すことが出来る。そしてそのハンカチがこの島にある。つまり私が生きていることを知っている奴が、ハンカチを捨てずに持ち、『私を誘おう』としているわけだ。
殺意が湧く…!どうしようもなく。残念だったなぁ…不意打ちを私にさせている時点でお前は負けているんだよ。脳内でそう呟きながら雷獣は自らの殺意をより高めていく。
「202号室…ここか」
雷獣はそう言うと、202号室の扉をすり抜けた。電気生命体である雷獣を阻むことができるのは絶縁体であるガラスやゴムくらいである。
ベッドにある布団の膨らみを見つけた雷獣は、自分の腕を最高速まで加速させると、布団の膨らみを一瞬にも満たない速度で貫き通した。
「は?」
あまりの手応えのなさに違和感を覚え、雷獣はすぐに振り向いたが、その時にはもう遅く、一瞬で細い電気ケーブルを首に巻きつけられていた。雷獣はチラッと見えたその『女』の顔を見て叫んだ。
「貴様ァ!カストロではないな。誰だ!何故ハンカチを持っている⁈」
「それはこちらのセリフだ。私はお前みたいな奴に絡まれる覚えはない‼︎」
出水はそう言うと更に電気ケーブルを締め上げた。
「…奴らの一派がこの街に?いや、確かエリスは討伐案件に失敗して壊滅した。もう誰も残っていない…だったか。…一応琵琶持にメールでも送っておくか」
拾わなけりゃよかったか?いや、もう私は拾ってしまった。今更ほっぽりだすのは寝覚めが悪い。そう言えば、『エリス』が失敗した討伐案件の対象って誰だったか。
「まぁいいか。わたしには関係ない」
BBの町外れにある薄暗い廃墟に『雷獣』はいた。雷獣はフードを目深にかぶり、ボロボロの部屋の隅に1人いた。その部屋はパチ、パチ、とどこからか雷獣を中心にして音がなっている。
「誘っているな。舐めやがって…!」
そっと立ち上がった雷獣は、袖をまくって腕に力を込めた。それと共にバチバチバチというけたたましい音が空間内にひびき始めた。
「シィィイイィイィ…ラァッ‼︎」
雷獣がそう叫んだ瞬間、その腕から、バチバチとした激しい音が発生し、そしてイルデーニャ島を覆うほどに大きく、常人でも感じることができる程の電磁波が波紋のように放った。
「これは電磁波が打ち返されてくるな…やはりそこか…」
雷獣は血塗れのハンカチを懐から出した。そのハンカチの隅には『エリス』の紋章があった。
「なんだ…?今の」
今、身体にピリッとした『何か』が走った。身体を動かしてないから痺れたのだろうか。
出水は突然起きたこの現象によって眠りから覚めた。
「午前3時か」
時差は一時間くらいだから日本は今、ちょうど2時ごろだろう。明日辺は何してるかな?あいつのことだ、今頃、夜更かしでもしてゲームに耽ってるんだろうな。
そんなことを頭の中で思い浮かべたりしていると、いつしか出水は再び眠りの底へと沈んでいった。
「なかなか高そうなホテルだ…仲間を全員失った傷心をここで癒そうとでもしたのか?」
雷獣はそう呟きながら、ホテルのトイレから出た。
電磁波に反応するこの忌々しいハンカチを持っている奴等を殺してから、約五ヶ月。残党をあと1人消せば私の正体は永遠に明かされることはない。そしてその悲願達成まであと数十歩もかからない。
「シイィイイイィィイ…『サンダーフォーム』」
雷獣がそう呟くと、雷獣の身体が『二重』に見え始めた。重なり合った二つの体はだんだん距離が開いていき、一つ目の普通の肉体は床にどさっと崩れ落ちた。二つ目の体は雷をそのまま人型にしたような姿であり、長く伸びた電気でできた髪がパチパチと音を立てながら、風もないのにゆったりと揺れている。
「シイィ…『抜け出し』成功。ブラジルからついてきてくれた体だけど、後は1人で帰って頂戴ね?」
雷獣は、『依代』だったものにそう吐き捨てると、反応したハンカチのある部屋へと向かった。
この『エリス』のハンカチは、何か特別な素材で出来ているらしく、私の電磁波を打ち返すことが出来る。そしてそのハンカチがこの島にある。つまり私が生きていることを知っている奴が、ハンカチを捨てずに持ち、『私を誘おう』としているわけだ。
殺意が湧く…!どうしようもなく。残念だったなぁ…不意打ちを私にさせている時点でお前は負けているんだよ。脳内でそう呟きながら雷獣は自らの殺意をより高めていく。
「202号室…ここか」
雷獣はそう言うと、202号室の扉をすり抜けた。電気生命体である雷獣を阻むことができるのは絶縁体であるガラスやゴムくらいである。
ベッドにある布団の膨らみを見つけた雷獣は、自分の腕を最高速まで加速させると、布団の膨らみを一瞬にも満たない速度で貫き通した。
「は?」
あまりの手応えのなさに違和感を覚え、雷獣はすぐに振り向いたが、その時にはもう遅く、一瞬で細い電気ケーブルを首に巻きつけられていた。雷獣はチラッと見えたその『女』の顔を見て叫んだ。
「貴様ァ!カストロではないな。誰だ!何故ハンカチを持っている⁈」
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出水はそう言うと更に電気ケーブルを締め上げた。
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