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第三章・我校引線
11話 嫁と子供が1番大事! 夫と子供が1番大事!
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「電話が鳴っていますねぇ…とってもよろしいですか?」
「よろしくないわ」
「そうですか」
琵琶持はそう言うと、一呼吸のうちに、3枚の手裏剣を目の前の女に投げた。が、なんとその女は投げられた手裏剣全てを手で叩き落としてしまった。
10分前、琵琶持は事務所の中で2人の夫婦からの相談を受けていた。夫の名前は隆斗、妻の名前は咲と言い、両方の苗字は桜といった。
「はい。それで、今日は一体どのような御用件でウチにきたのですか?」
「実は…これを見て欲しくて…」
咲は鞄から一枚のプリントを出し、それを琵琶持に手渡した。
「なになに…」
琵琶持はそのプリントを受け取ると、視線を夫妻からプリントに移した。その時だった。
プリントが膨らみ、拳が突き出てきた。琵琶持はこれをなんとか避け切った。
「危ないですねぇ、咲さん。あの速度の拳じゃ眼球が陥没していたかもしれませんよ?」
咲は、ソファから立ち上がり、髪をかき上げた。
「私の名前は咲じゃあないわ」
女は、机に座ったままの琵琶持に向かって、凄まじい勢いで机を蹴り上げた。机は琵琶持にぶつかる勢いで飛んでいったが、ぶつかる直前に『真っ二つ』に分たれた。
「フー…『身体強化』ですかね。この力は…」
琵琶持の手には、自分の能力で側面が研がれた先程のプリントがあった。
「…場所…変えますか」
夫妻にそう言うと、琵琶持はソファから立ち上がり、隣の部屋へと向かった。
「待て‼︎」
琵琶持の前に男が立ち塞がり、自らの左腕をチラッと見たかと思うと、銃を構えた。が、琵琶持は男の方向に構わず進んだ。
「止まれ‼︎本当に殺すぞ!」
男がそう叫ぶ。
「その使えない銃で殺せるようなら、どうぞどうぞ」
「何を言って…!」
男が銃に目をやると、銃には『線』が入っていた。そして銃を持った右手を恐る恐るずらしてみると、銃はその『線』に沿って少しだけずれ、段々と2つに分けられた。銃は既に琵琶持によって斬られていたのである。
「さて…ここの地下には私たちのトレーニングルームがあります故、そこまで私とやり合いましょうか」
そう言うと、琵琶持は男を押し除けてドアの向こうへと消えた。この間、夫妻は一ミリたりとも動けなかった。
「…来ましたか」
ドアから入って来た夫妻を、琵琶持はにこやかに歓迎した。
「貴方を殺させてもらう。私たちの子供のために…!」
男が静かに言う。
「成る程。子供が動機ですか。貴方達の幸せを願い、自らこの首を掻き切ってあげたいところですが…残念。私たちにも目的があるのです」
琵琶持は一本のナイフをゆっくり取り出すと、それを夫妻に向かって構えた。
出水探偵事務所の地下一階はトレッドミル、ベンチプレス、シットアップベンチ、懸垂マシン、果ては一周200メートルの競技用トラックまである広大な部屋であり、出水と琵琶持は、日々ここで自らの体を鍛え抜いている。
現在、夫妻と琵琶持が睨み合っているのは競技用トラックの中であり、遮蔽物も何もない場所である。それはつまり、これから起こる戦いが小細工なしの命の取り合いになることを示唆していた。
「うりゃ!うりゃあぁあ‼︎」
女は陸上選手顔負けのスピードで琵琶持に近づき、すぐさま拳を放ってきた。放たれたその拳を琵琶持は『避けず』に、もろにくらったが、女は自分の攻撃に手応えが全くないことに気がついた。
「この感じ…『身体強化4』くらいですかね?ですが全く…!全くといって良いほど『なっていない』‼︎」
琵琶持がナイフを振り上げる予備動作に入ったことに気づいた女は、物をたやすく切り裂く琵琶持の攻撃特化の能力を警戒し、すぐさま飛びのいた。代わりに男の方が琵琶持に駆け寄った。
「うちの嫁より『なってる女』はいねぇんだよジジイ‼︎」
男が放った蹴りは、人体の急所が集まる正中線を見事に捉えていたため、琵琶持は激痛を感じずにはいられなかった。
「よろしくないわ」
「そうですか」
琵琶持はそう言うと、一呼吸のうちに、3枚の手裏剣を目の前の女に投げた。が、なんとその女は投げられた手裏剣全てを手で叩き落としてしまった。
10分前、琵琶持は事務所の中で2人の夫婦からの相談を受けていた。夫の名前は隆斗、妻の名前は咲と言い、両方の苗字は桜といった。
「はい。それで、今日は一体どのような御用件でウチにきたのですか?」
「実は…これを見て欲しくて…」
咲は鞄から一枚のプリントを出し、それを琵琶持に手渡した。
「なになに…」
琵琶持はそのプリントを受け取ると、視線を夫妻からプリントに移した。その時だった。
プリントが膨らみ、拳が突き出てきた。琵琶持はこれをなんとか避け切った。
「危ないですねぇ、咲さん。あの速度の拳じゃ眼球が陥没していたかもしれませんよ?」
咲は、ソファから立ち上がり、髪をかき上げた。
「私の名前は咲じゃあないわ」
女は、机に座ったままの琵琶持に向かって、凄まじい勢いで机を蹴り上げた。机は琵琶持にぶつかる勢いで飛んでいったが、ぶつかる直前に『真っ二つ』に分たれた。
「フー…『身体強化』ですかね。この力は…」
琵琶持の手には、自分の能力で側面が研がれた先程のプリントがあった。
「…場所…変えますか」
夫妻にそう言うと、琵琶持はソファから立ち上がり、隣の部屋へと向かった。
「待て‼︎」
琵琶持の前に男が立ち塞がり、自らの左腕をチラッと見たかと思うと、銃を構えた。が、琵琶持は男の方向に構わず進んだ。
「止まれ‼︎本当に殺すぞ!」
男がそう叫ぶ。
「その使えない銃で殺せるようなら、どうぞどうぞ」
「何を言って…!」
男が銃に目をやると、銃には『線』が入っていた。そして銃を持った右手を恐る恐るずらしてみると、銃はその『線』に沿って少しだけずれ、段々と2つに分けられた。銃は既に琵琶持によって斬られていたのである。
「さて…ここの地下には私たちのトレーニングルームがあります故、そこまで私とやり合いましょうか」
そう言うと、琵琶持は男を押し除けてドアの向こうへと消えた。この間、夫妻は一ミリたりとも動けなかった。
「…来ましたか」
ドアから入って来た夫妻を、琵琶持はにこやかに歓迎した。
「貴方を殺させてもらう。私たちの子供のために…!」
男が静かに言う。
「成る程。子供が動機ですか。貴方達の幸せを願い、自らこの首を掻き切ってあげたいところですが…残念。私たちにも目的があるのです」
琵琶持は一本のナイフをゆっくり取り出すと、それを夫妻に向かって構えた。
出水探偵事務所の地下一階はトレッドミル、ベンチプレス、シットアップベンチ、懸垂マシン、果ては一周200メートルの競技用トラックまである広大な部屋であり、出水と琵琶持は、日々ここで自らの体を鍛え抜いている。
現在、夫妻と琵琶持が睨み合っているのは競技用トラックの中であり、遮蔽物も何もない場所である。それはつまり、これから起こる戦いが小細工なしの命の取り合いになることを示唆していた。
「うりゃ!うりゃあぁあ‼︎」
女は陸上選手顔負けのスピードで琵琶持に近づき、すぐさま拳を放ってきた。放たれたその拳を琵琶持は『避けず』に、もろにくらったが、女は自分の攻撃に手応えが全くないことに気がついた。
「この感じ…『身体強化4』くらいですかね?ですが全く…!全くといって良いほど『なっていない』‼︎」
琵琶持がナイフを振り上げる予備動作に入ったことに気づいた女は、物をたやすく切り裂く琵琶持の攻撃特化の能力を警戒し、すぐさま飛びのいた。代わりに男の方が琵琶持に駆け寄った。
「うちの嫁より『なってる女』はいねぇんだよジジイ‼︎」
男が放った蹴りは、人体の急所が集まる正中線を見事に捉えていたため、琵琶持は激痛を感じずにはいられなかった。
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