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第三章・我校引線
15話 校長
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「クソ…バカバカレーザー打ちやがって…」
びしょ濡れでプールから上がった出水は、眠りについている浅雨父を見下ろした。
出水がプールを対決場所に選んだ理由は、アイズの爆発が起こった時、逃げ込む場所を作る為である。
「はぁ、子を思う親、か。天晴れとしか言いようがないな。麻酔弾の効き目がほんの少しでも遅かったら、見下ろしてたのはあんただったかもな…?」
そこでようやく、出水は自分の頭に広がる倦怠感に気がついた。
「撃たれ…」
「そうとも。君は撃たれた」
銃を携えた狩野がドアの影から姿を表した。
「何…を…⁈」
出水は体に刺さった麻酔針を凝視した。
「ふむ…麻酔針、道楽の狩専用だが役には立った」
狩野のその声が、出水にとって今日最後の記憶となった。
携帯の着信音に気がついた琵琶持は、尻ポケットにある携帯を取り出した。
「…お」
表示されたのは時墺からのメールであり、内容は『出水が攫われた可能性がある』とのことだった。
「…これは中々に酷い状況ですね」
琵琶持は、出水が凛太郎を隠したと言っていた草むらから目を逸らした。時墺に、プールまで行って出水がどうなったか確認してきてくれ、とメールを送ったのは我ながらいい判断だった。琵琶持はそう思いつつ、屋内プールに向かった。
「ここか」
紫陽花学園の屋内プールに入る経路は2つあり、1つ目は校舎内から男子更衣室、女子更衣室から入ってプールに行く経路、2つ目は外から入ることができる水泳部専用の部室からプールに行く経路である。
琵琶持は2つ目の経路を選択した。因みに今はお昼時なので水泳部はいない。というわけで、楽々侵入できる。
「ふむ、硝煙の香りが…時墺さん!何か身に異変などはありませんでしたか?」
プールサイドのベンチに座っていた時墺は、琵琶持のその声に気がつくと、安心したように顔を綻ばせた。
「琵琶持さん!あーよかった。私は無事です。それよりも露沙はどこに行ったんでしょうか。私が来た時にはいなくて…」
「その心配はしなくとも結構です時墺さん。出水さんには発信機を取り付けております故。それより心配なのは出水です。とにかくここからは出水さんを探しましょう」
琵琶持の口調は至って冷静だった。しかし、顔の方は素人の時墺でもわかる程に激憤の感情を表していた。
びしょ濡れでプールから上がった出水は、眠りについている浅雨父を見下ろした。
出水がプールを対決場所に選んだ理由は、アイズの爆発が起こった時、逃げ込む場所を作る為である。
「はぁ、子を思う親、か。天晴れとしか言いようがないな。麻酔弾の効き目がほんの少しでも遅かったら、見下ろしてたのはあんただったかもな…?」
そこでようやく、出水は自分の頭に広がる倦怠感に気がついた。
「撃たれ…」
「そうとも。君は撃たれた」
銃を携えた狩野がドアの影から姿を表した。
「何…を…⁈」
出水は体に刺さった麻酔針を凝視した。
「ふむ…麻酔針、道楽の狩専用だが役には立った」
狩野のその声が、出水にとって今日最後の記憶となった。
携帯の着信音に気がついた琵琶持は、尻ポケットにある携帯を取り出した。
「…お」
表示されたのは時墺からのメールであり、内容は『出水が攫われた可能性がある』とのことだった。
「…これは中々に酷い状況ですね」
琵琶持は、出水が凛太郎を隠したと言っていた草むらから目を逸らした。時墺に、プールまで行って出水がどうなったか確認してきてくれ、とメールを送ったのは我ながらいい判断だった。琵琶持はそう思いつつ、屋内プールに向かった。
「ここか」
紫陽花学園の屋内プールに入る経路は2つあり、1つ目は校舎内から男子更衣室、女子更衣室から入ってプールに行く経路、2つ目は外から入ることができる水泳部専用の部室からプールに行く経路である。
琵琶持は2つ目の経路を選択した。因みに今はお昼時なので水泳部はいない。というわけで、楽々侵入できる。
「ふむ、硝煙の香りが…時墺さん!何か身に異変などはありませんでしたか?」
プールサイドのベンチに座っていた時墺は、琵琶持のその声に気がつくと、安心したように顔を綻ばせた。
「琵琶持さん!あーよかった。私は無事です。それよりも露沙はどこに行ったんでしょうか。私が来た時にはいなくて…」
「その心配はしなくとも結構です時墺さん。出水さんには発信機を取り付けております故。それより心配なのは出水です。とにかくここからは出水さんを探しましょう」
琵琶持の口調は至って冷静だった。しかし、顔の方は素人の時墺でもわかる程に激憤の感情を表していた。
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