エッチなデイリークエストをクリアしないと死んでしまうってどういうことですか?

浅葱さらみ

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五日目

第27話

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 結局、つつがなく葬儀は終わり、咲良は奏の家族と共に火葬場へ向かった。

「何をそんなに落ち込んでいるのでござるか雄介殿? いずれ風俗で童貞を捨てた事がバレるのを先延ばしにせず、さっさと片付けてやったというのに」

 対面に座る宇津井が大仰な身振り手振りでのたまった。
 葬式の後、僕は宇津井に話があると誘われ駅前の喫茶店に入っていたのだ。

「はぁ? なんだよそれ! そんなこと頼んでねぇよ!」
「だが雄介殿、いつまでもあの女子に未練を残していては前に進めぬでござろうに?」

 確かに咲良に好かれても無いのに同情からセックスさせてもらうなんて、どうしても無理だった。
 でも、恋人に慣れないならヤッちゃえ!
 なんて考えが微塵も無かったなんて言えばウソになる。
 僕は咲良に未練たらたらなのだ!
 だって、彼女とのファーストキス。
 一瞬だったけど、人生の中であれほど幸せだった瞬間なんて他にはない。
 もちろんクレハちゃんのフェラも、ミスズさんとの初体験も、香澄先輩の生乳も最高だった。
 けれども……。

「うぅっ、彼女が、咲良が好きだったんだ」

 咲良にソープ通いがバレたかは分からないけど、確実に僕が他の誰かとセックスした事実は知られてしまった。
 たぶん性や恋愛に関して潔癖気味の彼女が僕に振り向いてくれるチャンスは完全に潰《つい》えたといえよう。
 こんなん! テーブルに突っ伏してメソメソと泣くしかないじゃないか!

「バッカモーン! 己の生死が係っているというのに、男らしくないでござるぞ!」
「痛っ?! 何すんだ宇宙人! おまっ?! グーで殴っただろ!!」

 僕はテーブルを挟んで対面に立つ宇津井の首根っこに掴みかかった。
 いきなり頭頂部に拳を振り下ろされ、キレちまったぜ!
 普段から温厚な僕をキレさせるなんて大した大馬鹿野郎だぜ……。
 しかし、慌てて駆けつけてきた店員に注意される。

『ちょっとちょっと! 喧嘩するなら警察呼びますよ!』
「あっ! すみません」
「いきなり掴みかかる雄介殿が悪いでござるぞ!」
「おまっ?! 殺すぞコノヤロウ!」
『とっとと出てってくれ!』

 慌てて、お店の外に出ると雨が降り出していた。

「傘なんかないし。くっそ、まさに踏んだり蹴ったりじゃん」
「そうとも限らぬでござるよ。雨に濡れることで涙の痕を洗い流してくれるでござる」
「なにポエマーみたいに小洒落た事ぬかしてんだ宇宙人。クソ寒いんだよ! たくっ……」

 もう金輪際こいつとは絶交だと、駅と反対に歩み去ろうと宇津井から背を向けようとしたところで、奴が声を掛けてきた。

「待つでござるよ雄介殿。話はまだ終わってないでござるぞ?」
「はぁ? まだ何かあるのか?」
「そもそも喫茶店に誘ったのは、コレのためでござる」

 宇津井はそう言い放つと、スマホの画面を見せてきた。

「なになに? お世話になっております。今週土曜日の配属予定確認とれました。派遣場所は東新宿の大久保スタジオ4Cです。入りは8時、時間厳守でお願いします。拘束時間は12時まで予定で弁当は出ません。今回一発千円です。って、なんだこれ?」
「雄介殿向けのバイトを持ってきたでござるよ」
「バイト? にしては4時間で千円ってどんなブラックだよ! 最低賃金以下すぎるじゃねぇか! それとも一時間千円の書き間違い? それでも安すぎんだろ!」
「ノンノン! 一発千円……ということは一日8発射精できる雄介殿なら最高8千円稼げるでござるよ! さらに……」
「ちょちょっまって! 8発射精ってもしやAV男優?!」
「汁男優でござるよ。射精もできてお金も入る。まさに雄介殿にうってつけの仕事といえるでござろう。まぁ、雄介殿のポテンシャルを持ってすれば、いずれ早いうちにAV男優にランクアップ間違いなしでござるな」

 汁男優って、AVのぶっかけ要員だよな?
 ポイント稼ぐために毎日限界までオナニーしなきゃと思いつつも、今までぜんぜん出来てないし。
 あわよくば、フェラくらいならチャンスがあるかもしれない。
 顔が映らないなら、確かに緊急射精のある僕にうってつけの仕事ではある。だが……、

「断る!」
 
 何故なら、クエストの難易度が上がってきた今ではただ射精するだけでは大した旨味が無い。
 それに、香澄先輩というセフレがいる今となっては、そこまでセックスに困ることも無いだろう。
 しかも、レベルが上がったおかげでライフポイントが20もある。
 ボーナスポイントだっていっぱいあるし!
 わざわざ衆人環視のもとで射精なんてしたくはないのである。
 まぁ、本物のAV女優さんの生でパコパコしてる姿やモザイクの向こう側を覗いてみたいという欲望も無くは無いが。

「待つでござるよ雄介殿! すっぽかされたら、わざわざ紹介してもらったツテから拙者の信用が失われるでござる!」

 僕は慌てる宇津井を無視し、家路を急ぐのであった。
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