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第一章
5☆
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という訳で、翌日月曜の朝。
朝食を済ませた僕は、着慣れないスーツ姿で革靴に履き替える。
さぁ気合を入れて出発するぞと扉を開けると、玄関先で待ち構えていた見慣れたポニーテールに制服姿。
「じゃあお兄ちゃん行こうか?」
「なんで玖瑠美と予選会場に行かなきゃならないんだ!」
「だって、うちの学校でやるんでしょ?」
そうなのである。
なんと、12人の聖戦士じゃなかった! 性戦士で争われる王位継承戦国内予選会場は玖瑠美の通う聖アフロディーテ学園だったのだ!
今日から来週の金曜日までの12日間、僕は教育実習生として学園に潜り込み、まだ見ぬライバルたちと死闘を繰り広げねばならない。
なんという偶然! なんというご都合主義!
だがしかし、これは必然だったのだ。
なぜなら、去年の段階で咲良に見初められていた僕が予選会に参加するのは既定路線と思われていた。
だから、いろいろと有利に進めるために超お嬢様学校である聖アフ――但し完全に宇宙人の支配下――に僕の妹がテニス部推薦でスカウトされるようサクラが画策していたという……。
もしや、妹がエロ過ぎるのもそのことが関係しているんじゃ……?!
「ほら着いたよ?」
「えっ?! もう?」
ボーっとしてるうちにたどり着いてしまった。
東京郊外の駅近く、線路際に広がる広大なキャンパスってほどでもないけど、やはりそこらの公立とは違って、塀も高けりゃ植えられている木立も超高い。
中に聳える校舎群も、グレーを基調とした瀟洒《しょうしゃ》なレンガ造でなんだかここが日本じゃないみたい。
でも、やっぱいちばん目を引かれるのは。
「おはようくるみんっ! って、あれぇ、お兄さん?」
玖瑠美より少し背の高い三つ編みお下げの女の子がポカンと口を開けて僕を見上げている。
普通だったらイモ臭くなりそうなヘアスタイルなのに、とても清楚可憐な雰囲気を漂わせていらっしゃる。
「えっと、確かタマ……」
「珠美《たまみ》です。先日はお邪魔しました」
「いえいえ、こちらこそ何もお構いできなくて」
「何二人でババアみたいな会話してんの?」
「おまっ!」
「うふふ」
兄妹の粗暴な会話に口元を手でおさえ、微笑む珠美ちゃん。
ああ僕もこんなおしとやかな妹が良いなぁ! うちの小ザルじゃなくってさぁ。
周りを見渡しても制服を着崩してるような輩は皆無で、みな姿勢も良いし品がある。
そして、何より! 容姿のレベルが総じて高い!!
これからの2週間、こんな性の喜びなんて全く知らなそうな純粋無垢で可憐な少女たちを数多くコマしていかなきゃならんのか。
「珠美はダメだからねお兄ちゃん」
「わかってるよ」
「じゃ、職員室はあっちだから! じゃあね」
玄関に吸い込まれていく妹たちを見送り、僕は左に進路を変えて職員室のある中央棟を目指す。
やがて職員駐車場らしき場所までやってくると、登校する生徒たちも見えなくなり辺りは途端に静けさに包まれた。
「えっと、職員玄関は~?」
「きゃっ?!」
「おっと!」
よそ見をして歩いていたら、ムチッとした柔らかな壁にぶつかってしまった。
危うくすっころびそうになったものの、なんとか持ちこたえる。
けれども、相手はそうはいかなかったようで。
「痛ったーい」
「大丈夫ですか?」
目の前で尻餅をついている茶髪の女性に手を伸ばした。
僕の手を握って引っ張り上げられた彼女はお尻をさすりながらも涙目のまま僕をギロリと睨んだ。
「もうっ! しっかり前を見て歩いてくださいね」
それはお互い様じゃ? と、思わんでもないけれど。
「うはっ! すごっ?!」
「なにか?」
「いえいえ何でもありません!」
お尻のホコリを払うたびに桜色のスーツの中でブルンブルン揺れるスイカ級のおっぱい、パツパツのスカートでは隠しきれない牛のような大きなお尻。
背の高さは160も無いようだけれど、まさに恵体といって差し支えないだろう。
しかも、そのお顔はアンバランスに幼くて。
だけど、赤茶けた髪の毛は港区女子みたいにクルクルの内巻きに整えてある。
「気を付けてくださいね」
「はい、すみませんでした。でも、あの!」
「何ですか?」
「職員玄関はどちらでしょうか?」
「それなら私も今から向かうので、ご一緒に……あれ?」
「どうかしました?」
「どっかで見たような?」
「僕、今日から教育実習でお世話になる猪狩というものですが」
「ああ! 君が猪狩くんなの!」
話を聞くと、どうやらこのお姉さんが僕の実習担当である2年C組担任の美波希来里先生らしい。
なんだかとても頼りなさそうな気がするけど大丈夫なのだろうか?
まぁ、僕の真の目的はより多くの生徒とセックスしてポイントを稼ぐことなんだけど。
そういや、先生もポイントに含まれるのかな?
――ちゃんとブリーフィングを聞いてなかったのか、学園関係者はポイントに含まれるぞ!――
「あっそうなのか」
「何か言いました?」
「いえ」
宇津井が脳内に直接話しかけて来た。
あいつの声を脳内で聞かされるのはなんとも気持ち悪くてやりきれないものがある。
僕としては前の機械音声の方がまだ良いんだけど……。
因みにあの機械音声はPCに登録されていて、自動応答できる内容以外はキーボードに打ち込んでいるらしい。
なので、「ポイントを獲得しました!」だとか以外は面倒だから直接答えることにしたそうだ。
その後、職員室で他に5名いる実習生と共に軽い訓示を偉そうな親父――たぶん校長先生? 学園だから園長?――から受け、すぐさま朝の会の始まる各教室へ。
「さぁ、2-Cの教室に入りますよ」
「はい」
8時半のチャイムと同時に扉をくぐると、慌てた様子で席につく女学生たち。
こういうところは何処でも一緒だな。
ちなみに聖アフロディーテ学園は元々女学校だったが、何故か今年から男女共学になり、新一年生の1割ほどは男子学生だ。
どう考えても、その中にライバルを潜入させるための措置としか思えないけど。
他にも朝にあった実習生の半分が野郎だったのも超あやしかったなぁ。
一応、正規の教諭にはライバルは含まれないという話だったけれど、偽装して入れ替わってたりしてたらその範疇ではない。
それと、某ラノベみたいにライバル同士でのポイントの売買や交換、または実行委員会から金銭での購入など一切認められていない。
まぁ、既定の範囲外で何かしら工作する手立てはあるのかもしれないけれど、はるか遠く銀河連合から監視団が来ているそうなので、今言ったような不正は絶対無理なんだってさ。
「起立、気を付け、礼! 先生、おはようございます!」
「「「おはようございます!」」」
「はい、みなさんおはようございます。隣にいる方は、教育実習生の猪狩さんです。猪狩くんあいさつして」
「はい、えー、城東大学2年生の猪狩雄介です。これから2週間お世話になります。至らないところが多々あると思いますが、よろしくお願いします」
ふぅ……とりあえず噛まないで言えたぞ!
約30名の生徒たちが、にこやかに僕を見ている。
みんな礼儀正しくて、姿勢も良いな。
おっと、前列に座る長い髪を二つ結びにしたクール系正統派美少女が手を上げたぞ?
しかし、何故か担任の美波先生は彼女の方を見ようとしない。
「それでは、次の時間は私に代わって猪狩先生に国語の授業を任せたいと思います」
「あの美波先生、手を上げてる人が?」
「しっ、無視してください」
え? どういうことですか?
なんだが先生、ちょっと震えてるような?
状況がよく呑み込めないでいると、
「美波せんせー! 一条院さんが手を上げてまーす! 学級委員長を無視しないでくださーい!」
と、別の生徒――スラっとした短髪のモデルみたいな子――が声を上げた。
それから堰を切ったように、他の生徒たちも声を上げ始める。
「そうだそうだ!」「一条院さんがかわいそー!」「神楽ちゃんを無視すんなっ!」
などなど……。
なんか最後のロリ声でガキっぽいこと言ったやつだけ見た目も小学生みたいなちっこい奴でバレバレだったぞ?
あれ? この展開ってよくあるアレですか?
すぐ隣にいる先生の顔を見ると、下を向いてプルプル震えとる!
あっやべぇ、ドラマとかでよくある女子高特有の陰湿な教師イジメだ!
ここで助け船を出したら、僕が標的にされちゃう?
アレだ! 女子高生に上履きで蹴られたり、唾を吐きかけられたり、パンツを無理やり脱がされてみんなの前でオナニーを強要されたりするやつだ!
「ご褒美じゃん!」
って、違う! 違う!
ともかく僕の目的は、ひとりでも多くの学内女子とセックスすることだ!
とりあえずここで美波先生を庇っておけば、「猪狩さんって男らしくてすてき♡ 抱いて!」って、展開になるかもしんないし!
女子高生のイジメなど、僕の秘密のパワーを使えば軽くあしらえるだろう。
よし! とりあえず、その方向で行ってみよう!
教卓に両手をバチーンと叩きつけ、大きな声を出す。
「静かにしろっ!」
僕の怒号に、さーっと静まりかえる教室。
フッフッフッ……ヤリチンlv52まで進化した僕にとっては女子高生なんぞ赤子も同然!
さてと、厳しくいった後は優しく諭すのみ!
「詳しい事情は分からないけど、あまり騒ぎ立てるのも良くないよ? 先生もなるべく言葉で諭してあげましょうね?」
「はい、すびばぜん」
美波先生、なんだか僕を見て怯えてるような気もするけど……。
とりあえず生徒の方もケアしとかんとな。
「一条院さんだっけ?」
「はい、猪狩先生」
よしよし、こっちの正統派美少女ちゃんはバツの悪そうな顔してるけど、怯えてはいなさそうだ。
「何か質問があるのかな? ふざけたりだったらダメだよ?」
「はい、もちろんです。それでは美波先生の代わりに猪狩先生にお聞きしますね」
「僕の応えられる質問であれば良いよ」
僕の返事を聞いて、クール系かと思ってた一条院さん隣の子と無邪気にきゃっきゃしてるよ。
ああ、若いって良いなぁ……などと一瞬でも思ってしまった僕はバカでした。
「猪狩先生は美波先生ともうセックスしましたか?」
と、正統派美少女が真顔で聞いてきた。
場がシーンっと静まり返るも。
「「「ギャハハハハハハッ――!!!」」」
すぐさま、下品な嘲笑で教室全体が包まれるのだった。
朝食を済ませた僕は、着慣れないスーツ姿で革靴に履き替える。
さぁ気合を入れて出発するぞと扉を開けると、玄関先で待ち構えていた見慣れたポニーテールに制服姿。
「じゃあお兄ちゃん行こうか?」
「なんで玖瑠美と予選会場に行かなきゃならないんだ!」
「だって、うちの学校でやるんでしょ?」
そうなのである。
なんと、12人の聖戦士じゃなかった! 性戦士で争われる王位継承戦国内予選会場は玖瑠美の通う聖アフロディーテ学園だったのだ!
今日から来週の金曜日までの12日間、僕は教育実習生として学園に潜り込み、まだ見ぬライバルたちと死闘を繰り広げねばならない。
なんという偶然! なんというご都合主義!
だがしかし、これは必然だったのだ。
なぜなら、去年の段階で咲良に見初められていた僕が予選会に参加するのは既定路線と思われていた。
だから、いろいろと有利に進めるために超お嬢様学校である聖アフ――但し完全に宇宙人の支配下――に僕の妹がテニス部推薦でスカウトされるようサクラが画策していたという……。
もしや、妹がエロ過ぎるのもそのことが関係しているんじゃ……?!
「ほら着いたよ?」
「えっ?! もう?」
ボーっとしてるうちにたどり着いてしまった。
東京郊外の駅近く、線路際に広がる広大なキャンパスってほどでもないけど、やはりそこらの公立とは違って、塀も高けりゃ植えられている木立も超高い。
中に聳える校舎群も、グレーを基調とした瀟洒《しょうしゃ》なレンガ造でなんだかここが日本じゃないみたい。
でも、やっぱいちばん目を引かれるのは。
「おはようくるみんっ! って、あれぇ、お兄さん?」
玖瑠美より少し背の高い三つ編みお下げの女の子がポカンと口を開けて僕を見上げている。
普通だったらイモ臭くなりそうなヘアスタイルなのに、とても清楚可憐な雰囲気を漂わせていらっしゃる。
「えっと、確かタマ……」
「珠美《たまみ》です。先日はお邪魔しました」
「いえいえ、こちらこそ何もお構いできなくて」
「何二人でババアみたいな会話してんの?」
「おまっ!」
「うふふ」
兄妹の粗暴な会話に口元を手でおさえ、微笑む珠美ちゃん。
ああ僕もこんなおしとやかな妹が良いなぁ! うちの小ザルじゃなくってさぁ。
周りを見渡しても制服を着崩してるような輩は皆無で、みな姿勢も良いし品がある。
そして、何より! 容姿のレベルが総じて高い!!
これからの2週間、こんな性の喜びなんて全く知らなそうな純粋無垢で可憐な少女たちを数多くコマしていかなきゃならんのか。
「珠美はダメだからねお兄ちゃん」
「わかってるよ」
「じゃ、職員室はあっちだから! じゃあね」
玄関に吸い込まれていく妹たちを見送り、僕は左に進路を変えて職員室のある中央棟を目指す。
やがて職員駐車場らしき場所までやってくると、登校する生徒たちも見えなくなり辺りは途端に静けさに包まれた。
「えっと、職員玄関は~?」
「きゃっ?!」
「おっと!」
よそ見をして歩いていたら、ムチッとした柔らかな壁にぶつかってしまった。
危うくすっころびそうになったものの、なんとか持ちこたえる。
けれども、相手はそうはいかなかったようで。
「痛ったーい」
「大丈夫ですか?」
目の前で尻餅をついている茶髪の女性に手を伸ばした。
僕の手を握って引っ張り上げられた彼女はお尻をさすりながらも涙目のまま僕をギロリと睨んだ。
「もうっ! しっかり前を見て歩いてくださいね」
それはお互い様じゃ? と、思わんでもないけれど。
「うはっ! すごっ?!」
「なにか?」
「いえいえ何でもありません!」
お尻のホコリを払うたびに桜色のスーツの中でブルンブルン揺れるスイカ級のおっぱい、パツパツのスカートでは隠しきれない牛のような大きなお尻。
背の高さは160も無いようだけれど、まさに恵体といって差し支えないだろう。
しかも、そのお顔はアンバランスに幼くて。
だけど、赤茶けた髪の毛は港区女子みたいにクルクルの内巻きに整えてある。
「気を付けてくださいね」
「はい、すみませんでした。でも、あの!」
「何ですか?」
「職員玄関はどちらでしょうか?」
「それなら私も今から向かうので、ご一緒に……あれ?」
「どうかしました?」
「どっかで見たような?」
「僕、今日から教育実習でお世話になる猪狩というものですが」
「ああ! 君が猪狩くんなの!」
話を聞くと、どうやらこのお姉さんが僕の実習担当である2年C組担任の美波希来里先生らしい。
なんだかとても頼りなさそうな気がするけど大丈夫なのだろうか?
まぁ、僕の真の目的はより多くの生徒とセックスしてポイントを稼ぐことなんだけど。
そういや、先生もポイントに含まれるのかな?
――ちゃんとブリーフィングを聞いてなかったのか、学園関係者はポイントに含まれるぞ!――
「あっそうなのか」
「何か言いました?」
「いえ」
宇津井が脳内に直接話しかけて来た。
あいつの声を脳内で聞かされるのはなんとも気持ち悪くてやりきれないものがある。
僕としては前の機械音声の方がまだ良いんだけど……。
因みにあの機械音声はPCに登録されていて、自動応答できる内容以外はキーボードに打ち込んでいるらしい。
なので、「ポイントを獲得しました!」だとか以外は面倒だから直接答えることにしたそうだ。
その後、職員室で他に5名いる実習生と共に軽い訓示を偉そうな親父――たぶん校長先生? 学園だから園長?――から受け、すぐさま朝の会の始まる各教室へ。
「さぁ、2-Cの教室に入りますよ」
「はい」
8時半のチャイムと同時に扉をくぐると、慌てた様子で席につく女学生たち。
こういうところは何処でも一緒だな。
ちなみに聖アフロディーテ学園は元々女学校だったが、何故か今年から男女共学になり、新一年生の1割ほどは男子学生だ。
どう考えても、その中にライバルを潜入させるための措置としか思えないけど。
他にも朝にあった実習生の半分が野郎だったのも超あやしかったなぁ。
一応、正規の教諭にはライバルは含まれないという話だったけれど、偽装して入れ替わってたりしてたらその範疇ではない。
それと、某ラノベみたいにライバル同士でのポイントの売買や交換、または実行委員会から金銭での購入など一切認められていない。
まぁ、既定の範囲外で何かしら工作する手立てはあるのかもしれないけれど、はるか遠く銀河連合から監視団が来ているそうなので、今言ったような不正は絶対無理なんだってさ。
「起立、気を付け、礼! 先生、おはようございます!」
「「「おはようございます!」」」
「はい、みなさんおはようございます。隣にいる方は、教育実習生の猪狩さんです。猪狩くんあいさつして」
「はい、えー、城東大学2年生の猪狩雄介です。これから2週間お世話になります。至らないところが多々あると思いますが、よろしくお願いします」
ふぅ……とりあえず噛まないで言えたぞ!
約30名の生徒たちが、にこやかに僕を見ている。
みんな礼儀正しくて、姿勢も良いな。
おっと、前列に座る長い髪を二つ結びにしたクール系正統派美少女が手を上げたぞ?
しかし、何故か担任の美波先生は彼女の方を見ようとしない。
「それでは、次の時間は私に代わって猪狩先生に国語の授業を任せたいと思います」
「あの美波先生、手を上げてる人が?」
「しっ、無視してください」
え? どういうことですか?
なんだが先生、ちょっと震えてるような?
状況がよく呑み込めないでいると、
「美波せんせー! 一条院さんが手を上げてまーす! 学級委員長を無視しないでくださーい!」
と、別の生徒――スラっとした短髪のモデルみたいな子――が声を上げた。
それから堰を切ったように、他の生徒たちも声を上げ始める。
「そうだそうだ!」「一条院さんがかわいそー!」「神楽ちゃんを無視すんなっ!」
などなど……。
なんか最後のロリ声でガキっぽいこと言ったやつだけ見た目も小学生みたいなちっこい奴でバレバレだったぞ?
あれ? この展開ってよくあるアレですか?
すぐ隣にいる先生の顔を見ると、下を向いてプルプル震えとる!
あっやべぇ、ドラマとかでよくある女子高特有の陰湿な教師イジメだ!
ここで助け船を出したら、僕が標的にされちゃう?
アレだ! 女子高生に上履きで蹴られたり、唾を吐きかけられたり、パンツを無理やり脱がされてみんなの前でオナニーを強要されたりするやつだ!
「ご褒美じゃん!」
って、違う! 違う!
ともかく僕の目的は、ひとりでも多くの学内女子とセックスすることだ!
とりあえずここで美波先生を庇っておけば、「猪狩さんって男らしくてすてき♡ 抱いて!」って、展開になるかもしんないし!
女子高生のイジメなど、僕の秘密のパワーを使えば軽くあしらえるだろう。
よし! とりあえず、その方向で行ってみよう!
教卓に両手をバチーンと叩きつけ、大きな声を出す。
「静かにしろっ!」
僕の怒号に、さーっと静まりかえる教室。
フッフッフッ……ヤリチンlv52まで進化した僕にとっては女子高生なんぞ赤子も同然!
さてと、厳しくいった後は優しく諭すのみ!
「詳しい事情は分からないけど、あまり騒ぎ立てるのも良くないよ? 先生もなるべく言葉で諭してあげましょうね?」
「はい、すびばぜん」
美波先生、なんだか僕を見て怯えてるような気もするけど……。
とりあえず生徒の方もケアしとかんとな。
「一条院さんだっけ?」
「はい、猪狩先生」
よしよし、こっちの正統派美少女ちゃんはバツの悪そうな顔してるけど、怯えてはいなさそうだ。
「何か質問があるのかな? ふざけたりだったらダメだよ?」
「はい、もちろんです。それでは美波先生の代わりに猪狩先生にお聞きしますね」
「僕の応えられる質問であれば良いよ」
僕の返事を聞いて、クール系かと思ってた一条院さん隣の子と無邪気にきゃっきゃしてるよ。
ああ、若いって良いなぁ……などと一瞬でも思ってしまった僕はバカでした。
「猪狩先生は美波先生ともうセックスしましたか?」
と、正統派美少女が真顔で聞いてきた。
場がシーンっと静まり返るも。
「「「ギャハハハハハハッ――!!!」」」
すぐさま、下品な嘲笑で教室全体が包まれるのだった。
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