エッチなデイリークエストをクリアしないと死んでしまうってどういうことですか?

浅葱さらみ

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第三章

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「あれ? 電車に乗るんですか? この辺の居酒屋で良いじゃないですか」
「あのね。生徒の目があるのに学校の近所で飲めるわけわけないでしょ?」
「そういうもんなんですかね」

 というわけで、電車に乗って繁華街のあるターミナル駅まで……じゃなくて! 学校とその中間にある途中駅で下車し、美波先生が向かった先はと言うと。

「さぁ入って、ここが私の行きつけのお店よ」
「あの、ここって……」

 ガラス張りの扉を開けて中に入ると、広々とした明るい店内に種類豊富なドリンクバーと開放的なボックス席。
 グラス一杯百円のワインと400円以下のドリアやピザなど多様なおつまみが取り揃えてある。

「飲み物は赤ワインのデカンタで良いよね。おつまみは何頼む? 私はミラノ風に温玉のせかなぁ~」 
「…………」

 まさかファミレスで飲むことになるとは……。
 まぁ、学生なら分らんでもないが、一応は大人の女性が誘ってきたんだから、もうちょいオシャレな居酒屋とか連れてってくれないの?

「どうしたの?」
「あっ、じゃあフォカッチャとエスカルゴで」
「えー?! エスカルゴは赤と合わないよ?」
「そうなんですか……。僕サ〇ゼでお酒飲んだこと無いんで」
「あー! ファミレスだと思って舐めてるんでしょ? まぁ、良いわ。白もデカンダで頼んじゃいましょう!」
「そんなに飲めるんですか?」
「あれ? 猪狩君ってお酒弱いの? このくらい私ひとりでも全然余裕だけど?」

 げっ、こいつ酒豪かよ。
 かわいい顔して、平然とそんなことをのたまう美波先生ェ……。
 あわよくば、先生が酔っぱらったところを、「ちょっと休憩していきませんか?」なんて、ラブホにしけこめるんじゃないかと期待していたのに。
 これじゃあ、僕の方が先に潰されてしまう。
 出て来たイタリアンなおつまみを突きながら、ぐびぐびとワインを飲み干す美波先生。
 こうなったら、他の当てを探すしかないか。

「あの、先生。牡丹ちゃんのメアドか電話番号とか知りません?」
「んー、あの子は携帯もってないし。緊急連絡先も有栖川家になってるのよねぇ。で、どうして牡丹山さんの連絡先が知りたいの?」
「あー、彼女目が悪いみたいなんで、眼鏡屋さんでも紹介しようかと!」

 何とか今夜中に牡丹ちゃんとセックスしたいなんて言える訳ねぇし。
 歌乃《かのん》ちゃんは一応お嬢様だし、夜に家から連れ出すなんて無理そうだしなぁ。

「ふーん、有栖川さんのメルアドなら分かるけど、あの子が伝言出来るとは思えないし意味ないよねぇ」
「一応、教えてもらえますか?」

 とりあえず、繋がっておくのは悪くないと思い、僕は教えてもらったメアドにメールを送ってみた。
 ポチポチとスマホで文章を打ち込んでいたら、いつの間にか両方のデカンタともに半分以上飲み干されとる?!

「大丈夫ですか先生?」
「ふあぁ~ばっきゃろぅ~! 酒も飲めずに教師やってられっかぁ~」

 あれ? なんだ、普通に酔払ってるじゃないか。
 美波先生は幼いほっぺを真っ赤に染めて、管を巻いていらっしゃる。

「おー? 猪狩く~ん! じぇんじぇんグラスが空になっておらぬでねぇか? おまえも飲めやぁ~!」
「まぁまぁ、先生! 僕なんかより先生が飲んでください! ささっ! お注ぎしますんで!」
「おっとっと! こりゃあしっけい~!」

 美波先生はおっきなおっぱいをだらしなくテーブルに載せて、ぐびぐびとワインを飲み干している。

「ぷはぁ! 猪狩君は良いよねぇっ!」
「何がですか?」
「一条院さんに気に入れられてるじゃん!」
「そんなことは無いと思いますけど」
「私だって、誤解されなきゃ上手くやってけたと思うんよ? でも、立花のゴミクズ野郎の所為で……まったくあのクソは地獄に落ちればいいんだぁ!」
「そういえば、立花先生ってお見かけした事無いんですが」
「ああ、ああのクズは怪我したとかで最近来てないのだぁ……。ぐへへ、ざまぁねぇでやんの~!」

 何だ、どうやら立花先生はライバルじゃなさそうだ。
 となると、あと7人いるはずのライバルはいったい誰なんだろう?
 今日は色々あって男子学生とも交渉できなかったし、明日からが心配だなぁ。
 まぁ、とりあえず用務員のオジサンは退場だろうけど。

「おい! 人の話を聞いてるのかっ!」
「すみません。で、何で立花先生はゴミクズ野郎なんですか?」
「それはぁ~! わたしを~無理矢理レイプしようとしたからなのらっ!」
「ちょっ! 声が大きいです!」

 周りからの刺すような視線が気になるが、なんとも気になる話だ。
 美波先生は立花先生と付き合ってたんじゃないのか?

「それって、一条院が言ってた体育倉庫でのことですか?」
「そうそう! それそれ! あんときは一条院さんが見つけてくれたから助かったんよ~! なのにぃ、立花の野郎が言う事を信じやがって、あのクソガキがぁ!! 確かにあんときは~私から服を脱いだんだけど……」
「え? 何でですか?」
「体育祭の準備で立花と作業してたら、背中に虫が入ってさぁ~。あいつがそこの体育倉庫で服を脱げばなんて……あんときはまだイケメンだし、ちょっと良いかなとか信じてて、ほんで、上がブラ一枚になったの見計らってアイツが……ううぅ……お姉さんデカンタもう一本!」

 うーん、立花って奴の策略だったかもしれないし、エロ可愛い美波先生と二人っきりでムラムラしちゃって突発的に襲った可能性もある。
 どちらにしても、無理矢理だからダメだとは思うけど。
 まぁ、あわよくば先生をラブホに連れ込みたいと考えてる僕が言う資格は無いか。

 それからしばし、先生の生徒や同僚教師に対する愚痴につき合わされる僕。

「はぁ……」

 深夜0時までにポイント獲得するには、妹の処女を奪うという最終手段しか僕には残されていない。
 人として終わってしまう気がして出来れば避けたかった手段なんだけど、咲良が寝取られるくらいなら……。
 僕は決意を新たに、ボックスシートから立ち上がった。

「さぁ、そろそろお開きにしますか、美波先生?」
「えー! なんでぇ? まだ8時前じゃんよー! 夜は始まったばかりなのら~!」
「ほら、明日も授業ありますし?」
「じゃあさ! じゃあさ! カラオケいこっか?」
「僕あまり歌は得意じゃ……」
「ううぅぅ……ぐっすぅ」
「え? え?」

 酔払って陽気になってたと思いきや、何故か突然、めそめそ泣きだす美波先生。
 またも周囲からの刺すような視線とヒソヒソ声が……。

「うぅ……まだ帰りたくないよぅ……」
「わ、わかりましたから! とりあえずここを出ましょう先生!」

 僕が美波先生の鞄を持ち、何故か支払いまでさせられてしまう。
 だって、ずっとメソメソしてて割り勘にしましょうとすら言い出せない雰囲気なんだもん!

 外に出ると辺りはすっかり暗くなり、道行く人々の歩みも早くなっている感じがした。
 下を向いたままの先生が通行人にぶつかりそうになり、手を引っ張る。

「あっ、ごめん。ボーっとしてた」
「もう、大丈夫ですか?」
「うん、ありがとう……。それで、あの……」
「何ですか先生?」

 ボーっとしてたと思いきや、次はモジモジしだす美波先生。

「うち、近所だからお茶でも飲んでかない?」
「…………」
「ごめっ! 嫌だった……」
「いえ、ぜひお願いします」

 一瞬、「何で誘われてるんだ?」と、僕は訝《いぶか》しく思った。
 だって、いくら僕が鈍感だとはいえ、美波先生に好かれてる感が今までまったく無かったし。
 だけど、ヤれるチャンスが巡ってくるかもしれないのなら、たとえ罠でも飛び込んでやれ! という気持ちが僕の中で芽生えてきた。
 つうか、さっきからずっと手を繋ぎっぱだし。
 もしかして、こんなロリロリした顔なのに、一条院が言うように先生はほんとにヤリマンなのだろうか?

 駅の反対側にまわり、少し進んだ先にある幹線道路を越えると低層マンションやアパートなどが多く建ち並ぶ住宅街に。
 美波先生の部屋は公園の真向いにある三階建てマンションの最上階にあった。

「狭いけど、そこ座ってて」

 横幅40センチくらいしかない小さなちゃぶ台を前に床に腰を下ろすと、背中にハンガーから吊るされた洋服類がぶつかってくる。
 先生の部屋は4畳半くらいか? 想像してたより汚くは無かったけど、狭い割に物が多い印象をうける。
 つうか、半透明な洋服ダンスの中が透けてみえてるんですけど、あれって下着とかじゃないよな?
 そういや、女の子の部屋に入るの初めてじゃなかろうか?
 だって、咲良は女子寮だし、香澄先輩とはホテルでしか……。

「あ、なんかドキドキしてきたぞ?」

 狭くて圧迫感があるけど、フローリングに可愛いじゅうたんなんか敷いちゃったりして、箪笥や棚の上にはかわいらしいピンクの小物がいっぱい飾ってあるし、洋服が吊るして有るハンガーラックの裏には焼酎の空き瓶がいっぱい並んで……え?

「猪狩君、コーヒーにする? それともお茶?」
「おっ、お茶で!」

 美波先生は狭いキッチンからマグカップを二つ持ってきて、目の前に腰を下ろした。

「どうぞ」
「あ、いただきます」

 先生との間は縦30センチ位のちゃぶ台だけなので、メチャクチャ距離が近い!
 つうか、お茶を飲もうと下を向くと巨大なおっぱいが目の前に迫って来て、視線のやり場に困る。

「うふふ、猪狩君もやっぱ男の子なんだね」
「ど、どういう意味ですか?」

 くそっ、何だか知らないが童貞時代に戻ってしまったみたいな感じだ。
 セックスのやり取りだったら何とかなるけど、こういう甘酸っぱい感じは何ともはや難しい。
 だからと言って、それじゃセックスしましょうなんて言える訳ねぇし!

「私のおっぱいが気になるんでしょ? 学校では全然そんなそぶり見せなかったけど」
「それは実習に集中しなくちゃならなかったし」

 美波先生はヤレそうな感じがしなかったから、対象として見てなかっただけなんですけどもね。
 これはアレか? 本当は童貞じゃないけど童貞っぽい僕をいじってマウントを取りに来ているのか?
 だとしたら、これ以上ここにいても無駄じゃないか!
 先生のイジリにいつまでも付き合ってられるほど僕は暇じゃない。
 僕はお茶をずずずっと飲み干し、腰を上げた。

「お茶ありがとうございました! そろそろ帰ります」
「ごめん! 待って!」

 足早に先生の横をすり抜け、狭い玄関で靴を履いている僕のところまで先生は追いかけてきた。
 そして、しゃがみ込んだ僕の背中に豊満な胸を押し付けるかのように後ろから抱き着き、耳元に囁きかけてくる。

「ひとりにしないで」

 あ、これってもしや……ヤレるってことなのかしら?
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