【野生の暴君が現れた!】忍者令嬢はファンタジーVRMMOで無双する【慈悲はない】《殺戮のパイルバンカー》

オモチモチモチモチモチオモチ

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エターナルシア遺跡占領作戦

同盟を組むタイプのJK

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 待つこと数分、見覚えのある大柄の男性キャラクターが馬に乗ってやってきた。えっ騎乗スキルじゃん、良いなー。この間、ダンジョンでやり合った時は乗っていなかったよね?

 まずはヨイニへ紹介しなくっちゃね。

「こちら、PK撲滅連合クランマスターの……名前なんだっけ?」

「カタンだ!」

 そうだったそうだった。カタンが馬から降りて憤慨しながら答えるのをスルーして、次は彼にヨイニを紹介する。

「こちら、フォートシュロフ神聖騎士団クランマスターのヨイニ」

 私の説明にヨイニが頷く。

「よろしく」

「ああ、フォートシュロフ13騎士のヨイニさんですね。貴方も暴君に呼び出されたんですか? よろしくお願いします」

「あれ、なんか対応違くない!?」

 カタンがヨイニと和やかな挨拶を交わした直後、般若はんにゃ形相ぎょうそうで私を睨みつける。
 感情の切り替えが卓越たくえつしすぎてなんかもうそう言うスイッチとか付いてそう。

「清く正しく健全にダンジョン攻略をしている優良上位プレイヤーと他人の迷惑を考えずに好き放題やっている害悪プレイヤーで対応が同じわけねぇええだろ!!」

 反論が正論パンチすぎて何も言い返せない。
 よし話しをらそう。

「そういえばその馬と騎乗スキルどうしたの? この間は持ってなかったよね?」

「うっるせぇぇえええ馴れ馴れしくするな!! 早く本題を言え!」

「じゃ、簡潔に結論から話すとエターナルシア遺跡からPKプレイヤーを一掃して完全な自治とか達成してみたくない?」

 私の質問に、カタンが一呼吸おいて落ち着いた口調で答えた。

「……確かに、反PKは俺達のクランにとって国是こくぜみたいなもんだ。その話しが実現すれば株も上がって今よりクランの規模も大きくなる。だが、ただ数を揃えれば解決する様な問題じゃ無いぞ」

「そうだね、作戦を理解してもらう為に前提から確認するね」

 私の回答にカタンは渋々と言った様子で頷いた。ヨイニはニコニコしながら聞き専モードに入っている。

「このエターナルシア遺跡は中間層プレイヤーにとって絶好の狩場だけど、それを狙ったPKプレイヤーが大量に流入して純粋なダンジョン攻略の妨げになっているのが問題だよね?」

「そうだな。お前みたいな奴らが全面的に悪いな」

「……で、PK撲滅連合は国是にのっとりダンジョン内の見回りと発見したPKプレイヤーの排除を行なっているよね?」

「その通りだ」

「だけどPKプレイヤーの完全な排除は実現できていない。理由は大きく分けて3つ」

 私は指を三本、机の上に出してその内の一本を畳む。

「既に大量のPKプレイヤーがダンジョン内へ内包されちゃっている上、ダンジョンの内情的に一般プレイヤーもキルカウント持っちゃっていて現行犯以外はPKプレイヤーと一般プレイヤーの区別が付かない」

 もう一本たたむ。

「このダンジョンは地形的にPKをする方が有利で、PKプレイヤーに対して警備と撲滅にはより多くの人員を必要とする」

 最後の一本。

「2つ目の理由に関連して、より強くより多い人数を警備に回す必要があるけど、PK撲滅連合にはそこまでの戦力は無い」

 カタンは不服そうな表情を浮かべつつも私の話に頷く。

「この問題を解決する為に、一旦ダンジョン内のプレイヤーをぜーんぶ追い出す」

「プレイヤーを全部追い出すって、PKと一般プレイヤーの区別はどうするんだ?」

「区別しないで見つけ次第、全員PKする。これが一番楽なのは分かってるでしょ? もちろんPK撲滅連合だと戦力の大小に関わらず実現できない方法だけど」

 カタンがハッとした表情で私の方を見つめる。

「……メメントモリなら問題にならないってことか」

「まー今まで以上にヘイトは集めるかもだけど、そもそもそう言うの気にしないクランだし」

「一度プレイヤーを追い出しても、また入ってきたら無意味だろ?」

「全部追い出すついでに、PKプレイヤーのリストを作るよ。死体のドロップを確認すれば確実に判別が付くし」

「内側の掃除が終わったらリストを元に検問をすれば良いってことか」

「そうだね! 賞金首ではなく、今までエターナルシア遺跡に入った事の無いPKプレイヤーは見抜けないけど、それぐらいならPK撲滅連合の戦力でダンジョン内を警備すればどうにかなるでしょ?」

「そうだな。正直、検問だけだとメンバーも退屈だろうし"治安を守ってる感"を出す為にもそれぐらいは有った方が良い」

 おろ、PK絶許ぜつゆるマンのカタンから思いの外クレバーな発言が出てきた。まあ人は変わるものだしそう言う気分の日もあるだろう。

まとめると、メメントモリがダンジョン内のプレイヤーを鏖殺おうさつにする」

 2人が頷いたのを確認して、話を続ける。

「フォートシュロフ神聖騎士団はモンスターの駆除とダンジョン攻略の補助、PKプレイヤーが邪魔なら一緒に排除してくれても良い」

 ヨイニが頷く。
 最後に、私はカタンへ視線を向けた。

「PK撲滅連合はダンジョン入り口を制圧して、掃除が終わるまで絶対にプレイヤーを中に入れないで」

「一般プレイヤーもか?」

 カタンの質問に、私は強めの口調で肯定した。

「うん、殲滅中に入られると区別が付かなくなっちゃうから。これはPKしてでも絶対に実現して」

 私の言葉に、カタンはしばらく考え込む。やがて小さく頷くと、私とヨイニへ視線を送って口を開いた。

「作戦は理解した。だが、この作戦でメメントモリとフォートシュロフ神聖騎士団にどんなメリットがあるんだ?」

 カタンの質問にヨイニが先に答える。

「僕達は純粋に、邪魔のない状態でダンジョンの完全攻略を目指したい。現状のエターナルシア遺跡だと攻略どころじゃないからね」

 ヨイニの説明んカタンは無言で頷いた。
 彼の視線が今度は私の方へ向けられる。

「そもそも勘違いされてる気がするんだけど、メメントモリって別にPKクランじゃ無いんだよね」

「はぁ?」

「メメントモリの方針は"各自が好きな様に好きなことをする"だから。結果としてPKプレイヤーの巣窟すくつみたいになっているのはその通りだけど」

「だが、クランマスターのお前はPKプレイヤーだろ?」

「そうだねー、私はPK大好き。エターナルシア遺跡でも割と遊ばせてもらったし」

「ならお前にとってエターナルシア遺跡の治安が良くなるのは望ましく無いんじゃ無いか?」

 カタンの質問に私は首を横に振る。

「正直、もうこのダンジョンにPKプレイヤーとしては価値を感じてないよ。だってここに居るのは中間層のプレイヤーとそれを狩ろうって言う最上位を狩りに行けないレベルのPKでしょ? 一方的に無双ゲームするのも楽しいけどもうドロップとか経験値の面で利点が少なすぎるんだよね。だから最後に他のクランの力を借りて思いっきり楽しんで終わろうかなって」

「このダンジョンはお前の使い終わった玩具オモチャじゃ無いんだぞ、とかプレイヤーをキルして奪ったアイテムをドロップと呼称するなとか、言いたい事はあるが……まあ、分かった」

「この作戦、一緒にやる?」

「ああ、お前の提案に乗るのはしゃくだが乗ってやる」

 カタンがニッと笑ってテーブルの中央へ右腕の拳を突き出す。

「僕達はダンジョンの完全攻略の為に協力するよ」

 ヨイニが続いてカタンへ拳を合わせる。

「ヒャッハー! プレイヤー狩り放題だー!」

 私も2人へ拳を合わせた。
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