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オーディアス攻略作戦
身バレの恐怖に震えるタイプのJK
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「それでシュクレちゃん、整理したい話ってなに?」
ヨイニが好奇心に満ちた視線をシュクレへ送る。彼女はそれに頷いて、アイテムボックスから一枚の地図を取り出した。
「これは?」
テーブルへ広げたれた地図に全員の視線が集まる。私はそれを視線に収めた瞬間、思わず天を仰ぎそうになったのを何とか堪えた。
「旧風間邸の見取り図です」
「ナンデソンナノガココニアルノ?」
なるべく自然に聞こうとしたのに感情を抑えきれずに声が上擦ってしまい、カタコトになってしまった。
「え、普通にSNSで調べたら出てきました。数世紀は前に接収されて公園と神社に分離された状態へなっていますけど」
シュクレが首を傾げながら答えた。ゲームへそのとデータを直接取り込むことはできないけど、ゲーム内からSNSへ繋ぐのは簡単だ。多分SNSの画面とゲームの羊皮紙を横に並べて書き写したのだろう。
「そしてこちらが、プレイヤーの情報遺跡から発見された情報を元に復元したオーディアス城の見取り図です」
私の動揺を他所に、シュクレが淡々と2枚の地図を並べた。洋風のオーディアス城と和風の旧風間邸、イメージは全然違うけれど、確かに壁の形や間取りなどが一致している。
「こりゃ確かに、このダンジョンは風間家をモチーフに生成された物だろうな」
AIの発達した現代においても、全くの無から何かを作るのは難しい。だからゲームの世界や、その中のダンジョンの生成について特定の資料をAIへ読み込ませるのは以前にシュクレが言っていた。
「でも、何で風間家なの?」
「今の所、そこに必然性は見つけられていないです。偶々だってこともあり得そうですし」
「まぁファンタジー風のゲームが大体、北欧神話とかがベースになっているのに深い理由なんて無いよな」
シマーズさんの感想に、それなら服部や百地さん家とかでも良かったじゃん! 知名度もそんなに変わらないよ! と心の中で突っ込んだ。
*「アニー、大丈夫?」*
会話中、リアルの私を知るヨイニから個人チャットが飛んできた。私はそれに周囲から見えないように返事を返した。
*「だいじょばない!」*
今でも厳格な家訓を持つ風間家でVRMMOゲームをやってそうなのは落ちこぼれの私ぐらいだ。流石に苗字が分かったら速特定! とまではならないけど、かなり情報が絞られてしまう。
私が普段から好き勝手に暴れ回っているのは、あくまでもここがゲームだからだ。このアニー・キャノン=風間奏音の図式が世間にバレるのは全然、余裕で、微塵も大丈夫じゃない。
「ここまでの情報で、このダンジョンのベースが風間家にあるのは間違い無いでしょう。であれば、一般的に知られている資料の中からある程度の罠やボスの構成などを予想できます」
「休憩ついでにこの先の罠やモンスターの構成をある程度、予想しておこうって事だな」
シュクレの言葉に、シマーズさんがウンウンと頷いて答える。彼は視線を壁の方へ走らせた。
*「皆、風間家のトリビア募集中!」*
シマーズが虚空へ向かって声を出した。配信のコメント欄が再び私たちにも共有される。
*「通信教室で風間流の武術を習ったことがあるんだけど、さっきのボスの動きはそれに似ていたな」*
*「全然知らない技もあったけどな……」*
*「その点で言えば、ゴングマンさんとかアニーちゃんもそれっぽい動きをしているよな」*
*「確かゴングマンさんは風間流の有段者だよな? アニーちゃんは割とオリジナリティが強い感じだから良くわからないけど所々の動きに似たようなモーションはある」*
「(今は私のことは関係無いじゃん!!)」
私が心の中でツッコミをする中、シマーズさんの配信を見ている視聴者のコメントが次々と流れていく。
*「何かのアニメで、訓練用の装置がそのまま罠として流用されてるって話があったな。実力が一定以上だったら通過できるみたいな」*
「へぇ、それは知らなかったな」
コメントの1つをゴングマンさんが拾う。チラリと私の方へ視線を向けたけど、すぐに逸らした。
「……ここはあくまでAIによって生成されたダンジョンです。重要なのは実際にどうだったかでは無く、逸話としてどのようなものがあるかです」
シュクレの言葉にゴングマンさんが頷く。
「それなら、ダンジョンのギミックとして風間流の訓練設備が使われる可能性は高いだろうな」
「先頭は風間流の有段者であるゴングマンさんにした方が良さそうですね。あとは、ダンジョンボスに関する情報が有れば良いんですけど……」
*「確か、風間家は当主以外に"悪魔憑き"っていう最強の忍者を代々1人作って最終兵器にしていたとか」*
*「それは漫画の設定じゃなかったか?」*
*「まぁ、現実ではそんな非科学的なことあり得ないだろうけど、AIの作るゲームの設定としては使われてそうじゃね?」*
シュクレが全面に表示されたコメントの全てへ高速で視線を走らせる。少しだけ考えるような仕草をとって、口を開いた。
「たとえ人間であっても、全くの無から何かを生み出すのは困難です。漫画の設定だったとしても、それを連想させるような資料や歴史的な事実があった可能性はありますね」
「つまり、どう言うことっすか?」
ムエルケさんが首を傾げた。
「とりあえず、ボスは風間家、最強の忍者"悪魔付き"と仮定しましょう」
ヨイニが好奇心に満ちた視線をシュクレへ送る。彼女はそれに頷いて、アイテムボックスから一枚の地図を取り出した。
「これは?」
テーブルへ広げたれた地図に全員の視線が集まる。私はそれを視線に収めた瞬間、思わず天を仰ぎそうになったのを何とか堪えた。
「旧風間邸の見取り図です」
「ナンデソンナノガココニアルノ?」
なるべく自然に聞こうとしたのに感情を抑えきれずに声が上擦ってしまい、カタコトになってしまった。
「え、普通にSNSで調べたら出てきました。数世紀は前に接収されて公園と神社に分離された状態へなっていますけど」
シュクレが首を傾げながら答えた。ゲームへそのとデータを直接取り込むことはできないけど、ゲーム内からSNSへ繋ぐのは簡単だ。多分SNSの画面とゲームの羊皮紙を横に並べて書き写したのだろう。
「そしてこちらが、プレイヤーの情報遺跡から発見された情報を元に復元したオーディアス城の見取り図です」
私の動揺を他所に、シュクレが淡々と2枚の地図を並べた。洋風のオーディアス城と和風の旧風間邸、イメージは全然違うけれど、確かに壁の形や間取りなどが一致している。
「こりゃ確かに、このダンジョンは風間家をモチーフに生成された物だろうな」
AIの発達した現代においても、全くの無から何かを作るのは難しい。だからゲームの世界や、その中のダンジョンの生成について特定の資料をAIへ読み込ませるのは以前にシュクレが言っていた。
「でも、何で風間家なの?」
「今の所、そこに必然性は見つけられていないです。偶々だってこともあり得そうですし」
「まぁファンタジー風のゲームが大体、北欧神話とかがベースになっているのに深い理由なんて無いよな」
シマーズさんの感想に、それなら服部や百地さん家とかでも良かったじゃん! 知名度もそんなに変わらないよ! と心の中で突っ込んだ。
*「アニー、大丈夫?」*
会話中、リアルの私を知るヨイニから個人チャットが飛んできた。私はそれに周囲から見えないように返事を返した。
*「だいじょばない!」*
今でも厳格な家訓を持つ風間家でVRMMOゲームをやってそうなのは落ちこぼれの私ぐらいだ。流石に苗字が分かったら速特定! とまではならないけど、かなり情報が絞られてしまう。
私が普段から好き勝手に暴れ回っているのは、あくまでもここがゲームだからだ。このアニー・キャノン=風間奏音の図式が世間にバレるのは全然、余裕で、微塵も大丈夫じゃない。
「ここまでの情報で、このダンジョンのベースが風間家にあるのは間違い無いでしょう。であれば、一般的に知られている資料の中からある程度の罠やボスの構成などを予想できます」
「休憩ついでにこの先の罠やモンスターの構成をある程度、予想しておこうって事だな」
シュクレの言葉に、シマーズさんがウンウンと頷いて答える。彼は視線を壁の方へ走らせた。
*「皆、風間家のトリビア募集中!」*
シマーズが虚空へ向かって声を出した。配信のコメント欄が再び私たちにも共有される。
*「通信教室で風間流の武術を習ったことがあるんだけど、さっきのボスの動きはそれに似ていたな」*
*「全然知らない技もあったけどな……」*
*「その点で言えば、ゴングマンさんとかアニーちゃんもそれっぽい動きをしているよな」*
*「確かゴングマンさんは風間流の有段者だよな? アニーちゃんは割とオリジナリティが強い感じだから良くわからないけど所々の動きに似たようなモーションはある」*
「(今は私のことは関係無いじゃん!!)」
私が心の中でツッコミをする中、シマーズさんの配信を見ている視聴者のコメントが次々と流れていく。
*「何かのアニメで、訓練用の装置がそのまま罠として流用されてるって話があったな。実力が一定以上だったら通過できるみたいな」*
「へぇ、それは知らなかったな」
コメントの1つをゴングマンさんが拾う。チラリと私の方へ視線を向けたけど、すぐに逸らした。
「……ここはあくまでAIによって生成されたダンジョンです。重要なのは実際にどうだったかでは無く、逸話としてどのようなものがあるかです」
シュクレの言葉にゴングマンさんが頷く。
「それなら、ダンジョンのギミックとして風間流の訓練設備が使われる可能性は高いだろうな」
「先頭は風間流の有段者であるゴングマンさんにした方が良さそうですね。あとは、ダンジョンボスに関する情報が有れば良いんですけど……」
*「確か、風間家は当主以外に"悪魔憑き"っていう最強の忍者を代々1人作って最終兵器にしていたとか」*
*「それは漫画の設定じゃなかったか?」*
*「まぁ、現実ではそんな非科学的なことあり得ないだろうけど、AIの作るゲームの設定としては使われてそうじゃね?」*
シュクレが全面に表示されたコメントの全てへ高速で視線を走らせる。少しだけ考えるような仕草をとって、口を開いた。
「たとえ人間であっても、全くの無から何かを生み出すのは困難です。漫画の設定だったとしても、それを連想させるような資料や歴史的な事実があった可能性はありますね」
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