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オーディアス攻略作戦
決着をつけるタイプのJK
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気がつけば胸が激しく上下し、息が荒くなっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
ドサリという重い衝撃音と共に、父の体が道場の床へ倒れる。静まり返った空間を、私の息遣いだけが支配していた。
もしかしたら少し後悔するかもと思ったけれど、どうやらそれは杞憂だったみたいで、清々しさすら感じている。
「どう、してだ……」
震える声が私に問いかける。
私はそれを一旦無視して、足を下げた。
「お、俺を最後の……」
「最後の害する人間にしようとしたんでしょ? その為に、それをしても大丈夫な状況を整えようとした」
足を下げた私の眼前に、呆然とした表情を浮かべた父がいた。うん、寸止めってやつだね。
「お父さん、勝手に決定しないでちゃんと相談してよ」
私の言葉に、父はハッとした表情で顔を上げた。
「そう、だな。そうだったな。俺は、それで失敗したんだった」
「そもそも、考え方が全然違うよ。まぁ、分かれって言うのも理不尽な気がするけど……」
「……奏音は、どう考えて、今の決断をしたんだ?」
父は尻餅をついた状態からあぐらをかいてその場に座った。その表情はどこか付きものがとれたようだ。
「最初の1回ってつまりは一番殺したい人をやるって事でしょ? じゃぁその後は? 2番目に殺したい人が1番に繰り上がるだけじゃん。で、最初の1回をやったなら当然、繰り上がった1番もやっちゃうよ」
「そうか、余計な事をしてしまったな」
父の言葉に、私は首を左右に振る。
「殺しても良い状況で、私は殺さなかった。もし、今後、そう言う事をしたいと思っても、私は今日の事を思い出すよ。それで"あの時やらなかったのに今やるのは勿体無い"って考える」
私は膝を畳んで父と視線を合わせる。
「だから、ありがとう」
視線の先で父がホッとしたような、嬉しそうな表情を浮かべる。こんな父は、初めて見た。
いいや、多分、私が見ようとしてなかったんだ。
「奏音!」
道場の隅でずっと心配そうに見守っていた与一が涙を浮かべながら私の方へ走ってくる。自分の説得の結果が現実世界で命を賭けた試合へ繋がってしまった彼女は気が気じゃなかっただろう。
私は立ち上がって彼女の方へ向かい合った。
「ちょっ与一!」
与一は両手を広げると、そのまま私へ飛びつく。勢いが強過ぎて一瞬、押し倒されそうになったけど咄嗟にバランスをとった。
「よかった、奏音が無事で……」
耳元で、与一の震える声が聞こえてきた。普段は飄々としている彼女が今はとても弱々しい。
「僕は、奏音が怪我するんじゃ無いかって、ずっと助けに行きたくって、でも……僕にはそんな力は無くて」
「心配させて、ごめんね」
与一の頭を手の平で優しくポンポンと叩く。たくさん心配をかけちゃったから、ちょっとでも安心してほしい。
私は耳元で彼女に対して感謝を告げた。
「与一がいなかったら、この結果はなかったよ。与一、ありがとう」
「へー、ここが奏音の部屋かー!」
あれからしばらくあって、すっかり涙の引っ込んだ与一がワクワクした声をあげて私の部屋を見回していた。
「あんまりジロジロ見られると恥ずかしんだけど……」
ゲーム禁止は当然、撤回されて、もう帰るには時間が遅いと言うことで与一は今日、私の家に泊まることとなった。
冷静になって言葉にすると完全にとち狂ってるんだけど、あの戦いは全部ゲーム禁止を撤回させる戦いだったんだ。
「それじゃ……しよっか」
地形をチラリと確認した与一が、恥ずかしそうな声で言ってベッドへ腰を下ろす。私も彼女の隣に座って、お互いの手を片手を絡めた。
「うん」
そのままお互いに体をベッドへ預けて……。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
ドサリという重い衝撃音と共に、父の体が道場の床へ倒れる。静まり返った空間を、私の息遣いだけが支配していた。
もしかしたら少し後悔するかもと思ったけれど、どうやらそれは杞憂だったみたいで、清々しさすら感じている。
「どう、してだ……」
震える声が私に問いかける。
私はそれを一旦無視して、足を下げた。
「お、俺を最後の……」
「最後の害する人間にしようとしたんでしょ? その為に、それをしても大丈夫な状況を整えようとした」
足を下げた私の眼前に、呆然とした表情を浮かべた父がいた。うん、寸止めってやつだね。
「お父さん、勝手に決定しないでちゃんと相談してよ」
私の言葉に、父はハッとした表情で顔を上げた。
「そう、だな。そうだったな。俺は、それで失敗したんだった」
「そもそも、考え方が全然違うよ。まぁ、分かれって言うのも理不尽な気がするけど……」
「……奏音は、どう考えて、今の決断をしたんだ?」
父は尻餅をついた状態からあぐらをかいてその場に座った。その表情はどこか付きものがとれたようだ。
「最初の1回ってつまりは一番殺したい人をやるって事でしょ? じゃぁその後は? 2番目に殺したい人が1番に繰り上がるだけじゃん。で、最初の1回をやったなら当然、繰り上がった1番もやっちゃうよ」
「そうか、余計な事をしてしまったな」
父の言葉に、私は首を左右に振る。
「殺しても良い状況で、私は殺さなかった。もし、今後、そう言う事をしたいと思っても、私は今日の事を思い出すよ。それで"あの時やらなかったのに今やるのは勿体無い"って考える」
私は膝を畳んで父と視線を合わせる。
「だから、ありがとう」
視線の先で父がホッとしたような、嬉しそうな表情を浮かべる。こんな父は、初めて見た。
いいや、多分、私が見ようとしてなかったんだ。
「奏音!」
道場の隅でずっと心配そうに見守っていた与一が涙を浮かべながら私の方へ走ってくる。自分の説得の結果が現実世界で命を賭けた試合へ繋がってしまった彼女は気が気じゃなかっただろう。
私は立ち上がって彼女の方へ向かい合った。
「ちょっ与一!」
与一は両手を広げると、そのまま私へ飛びつく。勢いが強過ぎて一瞬、押し倒されそうになったけど咄嗟にバランスをとった。
「よかった、奏音が無事で……」
耳元で、与一の震える声が聞こえてきた。普段は飄々としている彼女が今はとても弱々しい。
「僕は、奏音が怪我するんじゃ無いかって、ずっと助けに行きたくって、でも……僕にはそんな力は無くて」
「心配させて、ごめんね」
与一の頭を手の平で優しくポンポンと叩く。たくさん心配をかけちゃったから、ちょっとでも安心してほしい。
私は耳元で彼女に対して感謝を告げた。
「与一がいなかったら、この結果はなかったよ。与一、ありがとう」
「へー、ここが奏音の部屋かー!」
あれからしばらくあって、すっかり涙の引っ込んだ与一がワクワクした声をあげて私の部屋を見回していた。
「あんまりジロジロ見られると恥ずかしんだけど……」
ゲーム禁止は当然、撤回されて、もう帰るには時間が遅いと言うことで与一は今日、私の家に泊まることとなった。
冷静になって言葉にすると完全にとち狂ってるんだけど、あの戦いは全部ゲーム禁止を撤回させる戦いだったんだ。
「それじゃ……しよっか」
地形をチラリと確認した与一が、恥ずかしそうな声で言ってベッドへ腰を下ろす。私も彼女の隣に座って、お互いの手を片手を絡めた。
「うん」
そのままお互いに体をベッドへ預けて……。
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